soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/08/25 山本精一 & Playground @ 難波ベアーズ


山本さんの新譜ファルセットのレコ発。サポートするのはPlayground = 須原さんと千住さん。


いままでメンバー引き連れての山本さんのライブはシャングリラが多かった*1けど今回はベアーズです。ライブインフォによるとなにやら大阪特典があるとか。




この日、自分はOne Music Campのキャンプ帰り。
ただでさえ疲れが残ってるのにちょうど家をでるタイミングで大雨が降ってきました。特に自分の住んでる箕面付近は記録的な豪雨。道が川状態。
下半身ビショビショのまま正味「帰りたい……」と心の中で思いながら難波へ。ファミマでタオルと替えの靴下を買ってベアーズへ。こんな状況で来たんだ。よっぽどいいライブじゃないと!
ハードル上がりまくってたわけですが……開始5秒で”来て良かった!”と思える素晴らしいライブでした。




カウンターでお金を払ってると、山本さんが楽屋から出てきて「やっとこんだけ出来た。あと20分で描けるだけ描く」と言い残してポストカードを置いていきました。どうやらこの手書きポストカードが特典の模様。一番上のポストカードにはどうみてもゴ◯◯の絵が……;


開始10分前くらいは30人ほどでしたが、最終的にはほぼ満員の客になってました。




一曲目はアルバムと同じく「Feather」。山本さんはいきなり高速ストロークでイントロをアレンジ!ROVOのノッてる時みたいな手のスピード。うわ、ここまでカッコよくなるか?!
CDでも急に始まって驚かされる曲ですが、ライブではその驚きを頭の5秒で全力にまで高めていました。イントロだけでなく曲を通して山本さんの演奏がノッてる。そしてこのライブに対してかなり気合が入ってるってのが目に見える演奏。スゴい一日になりそうです。
山本さんのアレンジと一緒にCDと違い感じさせてくれるのが須原さんのベース。一音一音がその場で鳴るんじゃなくて、鳴った後に前に動いてくみたいなイメージがあります。かと思えばピタッと止まったりする。その止まるも”止まる”て動作を感じる。音ひとつひとつがおたまじゃくしみたいに動いてる。PSYCHEDELIC JET SETみたいな勢いを感じさせてくれます。


次はCD通りに「ORGEL」。リズムもメロディも変な曲。ライブで実際に演奏してるのを見るとその変さがより際立ちます。特にドラマニみたいなヘンテコなドラムを叩かされてる千住さんへのS感が半端ない。


新譜で一番好きな「Ever Gray」。歌詞がすごく好きなんです。ライブだとサビあとのギターソロが温かくてノスタルジック。昔の日本のロック、チューリップあたりみたいな感覚がありました。これもCDだと気づかなかった一面だなぁ。めちゃくちゃ良かったです。


ここで曲順がCDと変わって「SHOOT」。”デっ!デっ!”ってベースが耳に残ります。この曲の持つおかしさ/奇妙さが強調されてる。
奇妙の流れで「めざめのバラッド」。山本さんこの曲好きですね。中盤の暴れるパートは山本さんのギターがすごかった。ノイズありきではなくロックを激烈に演奏した結果ノイズ化したようなソロ。3倍速再生してるのかって運指で音はズババババババっ!みたいな常識外の音になってました。


しばらく昔の曲が続きます。
途中”次はDISCORD?……よし飛ばそう”で次の曲に行く場面がありました。
千住さんが「ん?」ってな顔で山本さんの楽譜立てを凝視するのが面白かったです。チラっと須原さんの方を見ると「身を任せろ」と言ってるかのように頷いてる。なんかここの3者の立ち位置/振る舞いがツボにきました。


本編最後は「POWDER」。普通の曲より4リピート多いくらいにとにかくゆっくりと展開していく曲。ライブでもじっくりと浸らせる演奏で身体がフワフワ〜としました。


ライブ中はMCもほとんどないまま一度退場。
CDの曲の魅力をポイントを絞って増幅させてわかりやすく届けてくれた。気付きがいっぱいあるからCDを聴くのも楽しくなる。素晴らしいレコ発ライブでした。


アンコールあり。
一曲目*2。 終盤にギターを縦に膝に置いてジャカジャカ〜っと弾きながらながら笑顔で歌う山本さん。アハハみたいな楽しそうな表情。笑顔で歌う山本さんってレアだ!
この日は気合入ってたし、すんごい楽しそうに演奏してました。
ラストに「Days」でハードに終わる。




ダブルアンコールをお求める拍手が長いこと続きましたが、山本さんだけ出てきて”今日は終わりです”と終了宣言。今後のライブ予定と特典のポストカードについて説明がありました。”まだ人数分描けてないから欲しい人は待ってて。すぐ描く”とのこと。


特典は最初に書いたように一枚一枚が手書きのポストカード。しっかりした絵から記号だけのものなど様々。ホント発想がすごい。シュールとおかしさが色々な形で絵として放出されてる。脱帽です。
自分は持っているモノから身体のバランスまですべてが意味不明な外国人男性の絵でした。
スタッフや知り合いの客と話しながら出てくる言葉を拾って描いてました。次々とアイディアが出てくるんだろうなぁ。




ファルセットの曲は今後もソロで聴く機会は多いかもしれません。でもPlaygroundとして、レコ発として聴けて良かった。この日は行かなかったら絶対後悔してました。


素晴らしかった!

*1:前作ラプソディアのレコ発もシャングリラ

*2:曲名が覚えられない……PLAYGROUNDだっけ?