soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/01/24 カリフォルニア・ギター・トリオ with トニー・レヴィン @ Billboard Osaka

ギター・トリオ + 元キング・クリムゾントニー・レヴィン
ぶっちゃけトニー・レヴィン目当てが7割くらいの気分で行ってきました。


エレアコ3台+ベースのインスト。
クラシカルとポップの合間のような曲が多い。あくまでギターに焦点をしぼりながらもトラッドに接近したり、ロックの名曲をカバーをしたり、空間系の音を出したりと聴いてて飽きない。


トニー・レヴィンの存在感は凄かったです。
ギターも低音をならしてたので音的にはあまり目立たなかったけど、名物のエレアプ・ベース(ざっくりいうと電気コントラバス)を弾く姿が渋い。
時折フレットに耳を当てる仕草、もしくは逝ったように天井を見上げながら弾く仕草。プレイはゲストとして裏方に徹底してるのに絵になる。


しかし、ステージが進むにつれメインのギター3人に目を(耳を)奪われていく。
その転機となったのが各人が一音ずつ音を出し、それを繋げてひとつの旋律にするサーキュレーションというテクニック。これでバッハの曲をプレイしたんですがまるで一人で演奏してるみたいなスムーズさで開いた口がふさがらなかった。
人間らしい微妙なタメ、テンポチェンジも再現(?)。目をつぶったら3人でプレイしてるなんて絶対に思えません。


日本人メンバーがいるので丁寧な日本語MCでライブは進行。トラッド風の曲、ベンチャーズで盛り上げ、終盤は名曲カバーラッシュ。
ピンクフロイドの『エコーズ』はギターでドラマチックな楽曲を再現……いやCGT流解釈で演奏。そして本編最後に彼らの十八番と言ってもいいQueenの『ボヘミアン・ラプソディ』のカバー。シンプルな楽器構成だとメロディの良さが際立つ。オペラ部分を3人の細かいやりとりで演奏したのは面白くも目を奪われました。


熱い拍手に応えたアンコールでは「邦題は『21世紀の精神異常者』です」とキング・クリムゾンの超名曲で客席も湧きだつ。しかし普通にはカバーせず、ドリフのズンドコ節を合わせたアホ過ぎるカバー(笑)
お茶の間のメロディとプログレのメロディが強引に行ったり来たりするのはカオス。どうやったらこんなの思いつくんだ……。関連性がない2つのフレーズをさも繋がりがあるように堂々と演奏するのが面白かったです。


気になったのが客の質が良くなかった……というか変な人が多かったなぁ。
ひたすら「フゥーっ!」と叫ぶ人がいたり、大声でしゃべる人がいたり、僕の隣の人はものすごい呼吸音で曲の邪魔をしてたし……ビルボードに似つかない人で演奏に100%集中できなかったのは残念。


でも最後のボヘミアン・ラプソディから21世紀の精神異常者はロック・クラシックっぷりもあり客も忘れて魅せられた。
普通のバンド形態でも関西アングラとも違う音楽。たまにはこういうのもいいっすなー。





↑手の動きに注目。3人でひとつのフレーズを弾いてます。