soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

三匹の犬の夜 / 月の水企画

異能力バトル系ノベルゲーム体験版。本編第一章におまけとして収録されているプロローグ的な部分+本編の一部(と思われる)をヒロイン・瀬夷花視点でプレイできます。プレイ時間は5〜6時間ほど。
体験版でありながら一つの作品と呼べるぐらいボリュームで熱中できる良作っ!


大戦の終結から半世紀が経ったにも関わらず、世界各地で内乱や紛争が絶えることのない時代。孫派とゴトー派の対立関係が続いている「波槽」と呼ばれる国にある「孫派第八訓練所」は「使い手」と呼ばれるの能力者を育成する施設である。
4人しか滞在していない第八に3人の新メンバーが加わる事で物語は動き始める……。


典型的な異能力バトルで目新しい要素は無いのですが、王道だからこそ熱中できる展開を見せてくれます。
個性的な第八のメンバー、慌ただしくも温かみのある施設での日常、読み応えのあるアクションシーンと魅力的な部分がいっぱいで、最後まで全くダレることなくプレイすることができました。話が速いペースで展開していくのが私好み。文章も素直で非常に読みやすい。
終盤の劇的な展開は目が話せません。


あくもでもおまけということもあってか、設定等が語られないまま進んでいく節があるので最初は戸惑うところもありました。、十分脳内補完できるレベルで一人目の新人がやってくる頃にはどっぷりとゲームの世界にハマってました。


絵は決して上手いとは言えない。むしろな平均より少し下の部類かもしれません。しかし、プレイしているうちにすぐ気にならなくなる。むしろキャラ設定にぴったりのキャラデザで愛着が湧きます。表情パターンが多いのもグッド。
システム面で痛いのがセーブが出来ないこと。ボリュームがあるので途中中断後にプレイ再開する時にとても困りました。
ゆえにプレイするならまとめて時間が取れる時の方がいいかも。
また文字が背景やキャラの白系の色と重なって見えにくいところも。これは仕方が無いか?


少年マンガを読んでいる感覚で遊べる熱い作品。異能力バトル好きなら是非。屍鬼あたりが好きな人なら楽しめるのではないでしょうか。同人ゲームで言うならですろり……がそこまで似てないけど少しは共通するところがあるかも。
瀬夷花視点が結構気に入っているので、本編で主人公が変わるとどうなるのか不安なところではありますが、良い方向に動くことを期待したいところです。

三匹の犬の夜応援中


↓ネタバレ


・ラストはキャラに感情移入すればするほどキツイ。モカさんだけ死亡かと思いきや全滅とは……。
・あれは本編のバッドエンドのひとつと考えていいのかな?あれが正規ルートだとは思いたくないな。