soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

Dentro del Terrarium / Annabel & 深水チエ


同人女性ボーカリストのなかでもエレクトロニカ系のディープな世界観を演出するAnnabeさんと深水チエさんタッグを組んだ5曲入りミニアルバム。作曲/編曲にbermeiさんの名前も。


ビート抑えめのエレクトロニカ/トイトロニカ。いわゆるMum系。
音と声が朦朧と漂う玄人好みの浸りサウンド。ボーカルラインはキャッチーなメロディがきたと思ったらすぐに外れたり、バックと微妙にずれていたりと掴みどころがない。しかし良い意味で感情が感じられない二人の歌声はドリーミーな曲調に違和感無く溶け込んでいる。
バックのサウンドは音数を絞りながら優しさと寂しさが同居する音を奏でる。SEのような音使いでマニアックです。ディープなサウンドプロダクションという意味ではかなり高クオリティな一枚。
また深水チエさんの詞は今回も光ってる。
ただ自分ははっきりとリズムがあるのが好きなので、捉えどころのない浮遊感にどうしてもハマりきれませんでした。メロディももう少しキャッチーな方が好み。


②比較的ポップ色の強い楽曲。民族、エレクトロニカアンビエントといった要素がうっすらと混ざっており不思議な空気を作り出しています。voiでのbermeiさんっぽい。1:41からのピアノ連打が好き。
④かわいらしいトイトロニカ・ポップ。サビは今作のメロディで一番好き。どことなくband apartっぽい旋律かも。最後のハミングもグッド。


高クオリティの歌モノ浸りエレクトロニカ。ボーカル二人はこの手のサウンドじゃ肩を並べられる人は同人界にはそう簡単にいないのではないでしょうか。
子守唄と電子環境音楽が合体したような曲調は、雰囲気志向のサウンドが好きな人ならハマりそう。逆にポップなのが好きな人やしっかりと輪郭のある音が好きな人には難易度が高い一枚かもしれない。