soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

nega:posi / RMT


テクノ、テクノ・ポップ系のオリジナルCD。サイトにライナーノーツあり。


「ネガティブ」と「ポジティブ」のタイトル通りにポップサイドの前半posi-sideとダウナーサイドの後半nega-sideに分かれています。


posi-sideはカラッと明るいテクノポップ。テンポ早めにメロディアス&キャッチーなシンセが奏でられる。ポップながらメロディにほんのり哀愁が漂うのがいんやんさんらしい。抜群のメロディセンスです。
なんとなく古きよき時代のスーファミ音楽を思い出すところも。


nega-sideはドープなトラック。トリップホップ的なノリ。ノイズとリズムに揺られているとだんだん気持よくなってくる。重いけど不思議と疲れない音。


ポジとネガの両極面に振れておりますが、不思議と統一感がある。なんだろう安心感?日常感?そんな空気が漂ってる。
どっちサイドも質が高くてお気に入りの一枚です。
無理矢理に弱点を挙げるなら、際立つ個性は無いので全体的なインパクトは弱いってくらい?でもサークルのカラーはしっかり出てるのでそこまで気になりません。

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チップチューン気味でレトロな音使いの躍動感溢れるテクノポップ。48秒から入ってくる裏打ちシンセフレーズが大好き。元気の良いシンセと小刻みに刻まれるハイハットで駆け足で走ってるようなイメージを受けます。楽しくてちょっぴりジーンとするメロディが満載の良曲。


②前曲と同路線。こちらのほうがリズムが跳ねてるので、浮かれて走り出したら楽しくなってスキップしはじめちゃったってなイメージ。めちゃくちゃポップなんだけどノイズが入ってきたりグリッチ的なアクセントをさりげなくいれたり、と遊んでます。メロディがちょい中華風味なのも面白い。


③ゲスト。こちらもテンポ良いながら哀愁溢れるテクノポップ。感情的にギュイー、ギュイーと唸っていくシンセが泣ける。シンセなのに胸が締め付けられるような気分になる、なかなかにいかれたメロディです。


アブストラクトなダウナートラック。前半3曲でしゃぎすぎたリバウンドでもううまく歩けないよってな雰囲気。フェードインを繰り返すメインのシンセはほぼ最後まで変わらず、他のパートが微妙に変化を与えていく。心地良いノイズ&SEで意外と(?)ダレない一曲です。ちなみにちょっとしたご縁で自分が曲タイトル(Black Sunday)を考えました。採用ありがとうございました〜。


⑤廃頽的かつ美しさも感じさせるトリップホップ。疲れて彷徨ってると崩れ去った廃墟に辿りついちゃったみたいな。
ヒップホップビートがカッコイイです。


⑥15分の長いアンビエント・テクノ。ダウナーサイドの曲ではありますが、むしろポジティブな面もネガティブな面もすべて混ぜくりあわせて「無」に帰っていくような感覚。太平洋の地平線にどこまでも続く音空間を漂ってるうちに自分もその空間に一体化してしまうような心地良さ。気づいたら音世界に取り込まれてる。この曲はエグい!お気に入りです。


テクノポップとダウナートラックのどちらも満足できるオリジナルCD。
posi-sideはメロディの良さ、nega-sideは浸れる空気の気持よさに魅了され、気がついたらもどれないくらいの中毒性あり。
どっちサイドが好きかは……うーん、甲乙つけ難い。それぞれの良さがあります。


ポップでもあるし、ドープでもあるので「打ち込みがアウト!」ってな人じゃなければどんな人でも楽しめると思います。オススメー。