soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2010年 私的ベストアルバム・ソングランキング

2011年も約一週間半が過ぎたところで昨年を振り返って、2010年度のベストアルバム・ソングランキングをば。同人CDは扱いません。
ちなみに2010年上半期のはこちら、2009年のはこちら、2008年のはこちら

2010 CD BEST10

Swim
⑩Swim / CARIBOU
今年のテクノ部門大賞。もはや「フォークトロニカ」という枠で括るのもナンセンスなまでに変化/進化した生音志向オリエンテッド・テクノ・ロック。インテリジェンスな音色とタイトなリズムの織り成す上品な空気にやられた。


shinsekai
⑨shinsekai / ミドリ
2010年のクリスマスに解散が告知され、ミドリの最終作になってしまった一枚。確固たるグルーヴを携え、暴力性とポップネスが行き来する快作。だからこそこの先が楽しみだったのに……。「どんぞこ!ここがどんぞこや!」と最後まで吠え続けた後藤の勇姿に乾杯。


Dissent of Man
⑧The Dissent of Man / BAD RELIGION
ベテランの15作目。一時期迷走したものの「The Process Of Belief」で復活。前作「New Maps Of Hell」でさすがに息が切れたか、と思ったらまた素晴らしいメロコアアルバムを送り出してくれた!30年バンドとは思えない勢いが戻っており、そこにおっさんオーラ出まくりのメロディが重なってなんとも味わい深い一枚に。ここにきてまた名作を生むとか化物かっ!


$O$
⑦$O$ / Die antwoord
南アフリカからのキワモノ・ヒップホップ。アウト or セーフで言えば確実にアウトな危険な風貌、曲、リリックは聴いてるだけでヤバいモノに触れてる気分にさせられる。アメリカ産とはまた違った空気を持ったガリ&ロリの2MC、そしてテクノ色の強い良質トラックにメロメロ。これだけ強力なインパクトだとヒップホップ嫌いの人でもハマるでしょう。


コントラ(来日記念スペシャルプライス盤)
⑥Contra / Vampire Weekend
2010年のロックは完全にブルックリンが持っていった。その流れのきっかけを作ったVPの2nd。集中してきくとダレがちけど外出中に聴くとむちゃくちゃ良く聴こえる不思議。美メロにうっとり。出勤中に何度も聴きました。


This World
⑤This World / ロットングラフティー
狂う都・京都発のミクスチャー。8曲と少ない曲数ながら一曲入魂の良曲ばかり。00年代初期、ラウドロック全盛期を思い出させるパワーのある一枚。ポップなサビでも、激しいラップでも映えるツインボーカルが最高。歌もリフもガツンと脳天にくる。


SIGN IN TO DISOBEY

④SIGN IN TO DISOBEY / 磯部正文
青春のハスキンに通じるエモいメロディに涙。それでいてハスキンとは違う「楽しさ重視」なノリに心がワクワクする。ハスキン解散以降、なかなかパッとしなかったイッソンだけどついに快作を放ってくれました。この熱さ、温かさを待っていた!


アコライト
③Acolyte / Delphic
新人とは思えない洗練されたサウンドで、大量に存在するロック+ダンス/打ち込みの中でも頭ひとつ抜けてるクオリティ。新しいことに挑戦しながら、あくまでも良質ロックを追い求めるところが親近感が湧く。


ゴー
②Go / Jonsi
シガー・ロスのボーカルソロ。どこまでも儚くそれでいてポップ。大自然の力を感じる躍動感溢れたサウンドに何度心を洗われたか。ものすごく聴きやすいのに深い。年間を通して聴いた回数なら一番多い気がする。サマソニ、単独のライブも良かった!


RAVO

①RAVO / ROVO
中毒状態で聴き続けてるコレが今年のNO.1!包みこむような音の重なり方によりMON以降のマンネリ感を見事打破。人力トランス要素を引っ込めて、落ち着いたオーガニックなサウンドかなと思いきや曲が進むにつれいつのまにか宇宙の彼方までぶっ飛ばされてる。パワーに溢れてるにも関わらず、何度もリピートしてしまう。そして、毎回新しい発見がある。傑作です。




他にも向井秀徳LEO今井の二人がセンスを爆発させたThe kimonosや、メロコア的ポップネスのあったメタルコア寄りスクリーモWOE IS ME、ギターの歌いっぷりが更に進化したインスト・バンドregaあたりも良かった。
あと、ランキングには入れませんでしたがGIRLTALKの無料WEBマッシュアップアルバムALL DAYは、FUGAZIraptureRadioheadBlack sabbath、DAFTPUNKなどなど相変わらずの何でもありで最高!!

2010 SONG BEST20

10で絞れなかったので20で。

⑳K.U.F.U / ライムスター
『天賦の才能を弱者代表が打ち負かし格差解消しようって場面でカメは無策過ぎ 勝算もねえのにあまりに迂闊過ぎ』宇多丸まさかの動物DISに驚いた!最新作は情緒的すぎてリリックがイマイチだったけどこの曲は拍手モノ。ロッキンなトラックも良し。


遷音速流 / Harp on the mouth sextet
いつもの和要素にエレクトロニカではなくハードテクノ要素をぶつけた一曲。四つ打ちの周りを飛び交う改造ハーモニカが気持良すぎる〜。幻想的なトランス状態。


⑱物語はちと?不安定 / N'夙川ボーイズ
晴天のように軽やかなギターに、キャッチーなフレーズの連続そしてサビのシャウトで爆発!といにかく爽快!KING BROTHERSでのMARYAとは違うポップなマーヤに惚れ惚れ。リンダも良い声してるわー。


⑰FINAL EXIT / Fear factory
FFに泣かされた記念。希望に溢れたサビのメロディが素晴らしすぎる。中盤のシャウトからの盛り上がりは感動の一言。


⑯INDUSTRIAL / AA=
MADのTAKESHIが「インダストリアル」と名付けられた曲を出す意味の重さ。その名に恥じぬ良曲。機械的かつ暴力的なビートとギターリフ。後半のガバキックやヘヴィなグルーブに撃沈。「INDUSTRIAL!!」の発音の仕方が好き。


Tiger girl / 65daysofstatic
「Retreat!Retreat!」「Radio Protector」に並ぶダンスサイドに吹っ切れた名曲。ポジティブな高揚感、そしてトドメのギターがたまらない!メタモでの頭を振り乱してシンセを弄る名演は痺れました。


⑭符思議なチャイム / 磯部正文
イントロにギターからグッと来て、サビのメロディでノックアウト。「歌詞」じゃなく「音」で若い頃の純粋な気持ちになれると思わせてくれる。初めてアルバムを聴いててこの曲が流れた時、ハイスタやKEMURIやらのアルバムを聴いて心の底からワクワクしてた感情が甦ってきた。


アイデンティティ / サカナクション
最初はそんなに好きじゃなかったんだけどRUSHBALLで聴いてハマった!「アイデンティティがない〜生まれない〜♪」は鼻歌率相当高し。


⑫ONLY RAIN / BAD RELIGION
イントロのハードロックなギターソロが渋い!グレッグの歌は泣きのメロディの連続!これぞBAD RELIGION節。自分の世代はNIRVANATHE BEATLESもリアルタイムで知ることはできなかったけどBAD RELIGIONというロックレジェンドの現在進行形を追えるのは本当に幸せ。


Utauyo!!MIRACLE / 放課後ティータイム
アニソン枠。演奏もボーカルも楽しさ一杯!5人の青春の日々が〜。「大好き 大好き 大好きをありがとう」のところが特に好き。個人的にはCDサイズよりTVサイズの方が好き。


⑩THIS WORLD / ロットングラフティー
「IAMBIC 9 POETRY / SQUAREPUSHER」とヘヴィロックの融合という意欲作。デジタル、ラウド、ポップと走りまわってて、体が動く動く。サビの掛け声はお祭り騒ぎは最高にハイってヤツだ!


⑨Rocket Skates / Deftones
まとわりつくような重いリフがカッコイイ!サビの変則的なシンバルワークが癖になる。「GUNS,RAZORZ,KNIVES」の強烈なシャウトも気持ちいい。アルバムは前半良曲ばかりなのに後半がダルいのが残念。


⑧ループ / ねごと
軽めのガールズバンドかと思いきやしっかりしてる演奏。ピアノとボーカルが高音域を廻り続け、他パートが低音域をしかりと支える。それによって生まれる中毒性にヤラれました。デビューミニアルバムも良かった今後の活動に注目!


⑦HALCYON / Delphic
Delphicはどの曲も良いんだけどあえて挙げるならこの曲。序盤から温めたところに切りこんでくるギターソロは2010年ベストギターソロ。


⑥Beat Boy / Die antwoord
変なPV「Zef Side」が噂になった問題曲。DJ HI-TEKの作るトラックは、ヒップホップともグライムとも違うまさにNEW LEVEL BEAT。上記PVのビートボックス部分で中毒になってたんですけどフルで聴いて真の良さがわかる。終盤のアゲかたは半端無い。


⑤BAAL / ROVO
山本精一のギターが大活躍のこの曲。最初は気持ち悪い旋律だなぁと思ってたけど何度も聴くとハマってくる。ガシガシとストロークを刻むギターがたまらんです。最後はもはや音のブラックホール


④GROW TILL TALL / JONSI
徐々に世界を覆い尽くしていく美しい轟音。ライブでの感動のフィナーレ、ノイズのなか歩き回りながら叫ぶJONSIが忘れられません。ただただ圧倒された。あれ以上の経験が今後できるのだろうか。


③Ride with US / 山嵐
山嵐ダンス・(ヘヴィ)ロック。中盤のUKロックなフレーズと手拍子、そして終盤のヘヴィなリフと聴きどころ満載。ヘヴィネス、ポップネス、グルーヴ、いままでの積み重ねがうまく混ざった良曲。


②Rollin' Rollin' / 七尾旅人 × やけのはら
2010年の曲か微妙だけど各地を湧かせたこのアンセムは入れたかった。七尾旅人の美しすぎる声で歌いあげる2010年ベストメロディ。透き通ってるのにソウルフルでロックな歌声。最高。


①Let's go surfing / The DRUMS
メロディがむちゃくちゃ良いわけでも、凝ったアレンジがあるわけでもないけど、聴いてるだけで(本当に)涙が出てくる不思議な曲。なぜか込み上げてくるものがある。これがただひたすらポップソングを求めた人間が創りだす音なのか。


他にも旬のバンドの名バラード「悲しみは地下鉄で / モーモールルギャバン」、レゲェ要素を削ぎ落とした結果生まれたパンクロックアンセム「Get it right / Authority Zero」、オリコンチャートにコテコテのロックをブチかまして驚かせてくれた「HOT DOG / THE BAWDIES」なども良かった。


2010年はブルックリン・ブーム、いままでとは違うロックとダンスのハイブリッド、ベテラン勢の快作ラッシュ、関西ゼロ世代の活発な活動、と奇跡的なまでに豊作な年でした。良いバンド、CDが出すぎてとても追いつかないぐらいで本気で楽しませてもらった!
2011年も良いCDといっぱい出会えますように。