soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/06/19 サカキマンゴーとカレーライス @ アララギ

もう一週間以上前の話ですが、今月19日に親指ピアノ(カリンバやムビラの呼び名で知られるアフリカ楽器の総称)を現代の音楽をミックスするサカキマンゴーさんのライブに行ってきました。
対バン相手はなんと”カレーライス”。というのは、時たまライブを催している奇妙なカレー屋・アララギでのライブだったんです。この店では過去にもNECO眠るの森さんがDJしたりしたことがあるらしい。
親指ピアノのライブは初めてだし、カレー屋でライブという未体験ゾーンも楽しみなライブでした。
ちなみにライブ+カレー+ソフトドリンクで2,500円の破格!


大通りに面したこじんまりしたカレー屋へ入店。奥にはお座敷があって楽器類が用意されている。民族楽器とメカニカルなエフェクターが並ぶ面白い絵。

(暗くて良く見えない……)


店員さん入れて25人くらいでお店はほぼ一杯。
さっそくチーズチキンカレーとラッシーを。チキンがたくさん入っててなかなかおいしい!ラッシーもボリュームがあってさっぱりした後味がカレーに合いました。こりゃ幸せ〜。


しばらくすると陽気なオーラを醸し出すサカキマンゴーさんが現われライブスタート。
最初の一音で意識が飛ばされた。繊細だけど存在感のある音。
水滴が落ちる青白く光る水の洞窟をボートで進む情景が目に浮かぶ。目をつぶると恐ろしいほどの情報量、しかも今まで出会ったことのない精神を呼び起こす情報がグワッと体を駆け巡り、深入りすると思わず叫びだしそうになる。こりゃ危険だ!


親指ピアノが発する「音のひずみ」が、デジタルで綺麗にフォーマットされた電子楽器より機械を連想させる超アナログな機械を思わせる、言ってしまえば「機械以上に機械」。クロノトリガーのロボを思わせるような人工物のノスタルジーを感じました。


テクノに通じるフレーズのループ、リフレイン。感触はアンビエント。ものすごく気持ちいい……。
アフリカ楽器なんで情熱的な熱いノリかなと思ったけどもっと静的に精神を解放するスピリチュアルな音楽。
曲によっては歌も入る。これがまたイイ声!


時たまアフリカ楽器のレクチャーをしてくれるので、さも簡単なワークショップのようで面白かった。
音のひずみの正体やタンザニアの歌詞の意味など興味深い話がいっぱい。
ビリンバに似ている弦上の楽器「ンドノ」やガラガラなる洗濯板みたいな「カヤンバ」といった親指ピアノ以外の楽器も披露。カヤンバの独特なリズムが気に入りました。


エフェクターも使うが基本は親指ピアノの音色を大事にしている。
終盤は照明を落とし、エコーエフェクトを頻繁に使ったかなりサイケデリックな音楽もあって惹きこまれた。


この日に買ったCD(またこれが良い!)にある「シンプルなフレーズを10分感でも繰り返し弾けば、白眼をむいてとなりの世界へ足を踏み入れることうけあいの魅力的な楽器です」のコピー。これが正に的を得ている。「白眼を向いて」が肝。「浸れる」とかそういうレベルを越えている、もっと開放的な何かを感じました。。
ドア隔てた先は大通りとは思えない魔法のような空間がこの日のカレー屋アララギには広がっていました。


このサカキマンゴーさんは山本精一勝井祐二、はてには元じゃがたらのOTOにCD推薦文を貰っている人。ライブでもソウルフラワーユニオンの闇鍋音楽祭やROVOのMDTにも出演している。それも納得の民族楽器から少し外れた面白い音楽。GOMAなどに近い。
普段はバンド形態が多いみたいですが今回はソロライブ。親指ピアノの根本の魅力をしっかりと教えてくれました。


サカキマンゴーさんは6/30にDOMMUNEに出るらしい。チェックしておいて損は無い!
めちゃくちゃ面白い音楽です。