音楽社会学からみた同人音楽 -『同人音楽とその周辺』が発売
ポピュラーミュージック研究 / 音楽社会学者*1の井手口彰典先生が執筆された同人音楽に焦点を当てた本が発売されました。
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その名も『同人音楽とその周辺 : 新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念』。
”その周辺”とはうまいこと付けたなぁ。
避けられない「同人音楽とは何か?」の問いを切り抜けてる。
井手口先生といえば著書『ネットワークミュージッキング』を出しているモノホンの音楽社会学者。
同時に過去に同人音楽研究会の世話役をされていた方でもあります。つまり「同人音楽好きが評論っぽいことをしてみた」でも「学者が範囲外の同人音楽に手を伸ばしてきた」でもなくどちらにもガチな方の書籍です。
一応正式な発売は19日なんですが、近所の書店では今日の時点ですでに棚に陳列されていました。
まだざっとしか読めていませんが同人音楽に触れたことのある人なら興味深い切り口、考察が満載。うん、面白い!
普段こういった本に接する機会がない読者が多くいると想定してか、社会学の事前知識が無くても読みやすいようにとかなり工夫している風でした。ラノベみたいに読める……とまではいきませんが、活字を読むの遅い自分でも良いペースで読めてます。
一点気をつけておくべきことは、――”同人音楽に興味がある人なら確実に楽しめる”と最初に断ったうえで―― 音楽社会学の範囲に入る読み物なんで「同人音楽はこんなにすごい」「オススメの同人音楽はこれ」といったファンジンやムック本ではありません。
このことは本のまえがきにも書いてます。
ここをアタマに入れて読んだほうが「想像してたのと違った」といった邪念が入らずにより楽しめると思います。
とりあえず本屋で見つけたらパラパラとページをめくってみることをオススメします。
この本についてはまた何か書くかも〜。