soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/03/11 nano.ripe、フーバーオーバー、Hekate @ Club DROP

アニメ・花咲くいろはのOPで我々のハートを突き動かしてくれたnano.ripeのライブに行ってきましたー。
しかも対バンが昔から知ってるあのバンド!


音はロックだけど所属ランティスだしアニメファンも多いだろうし、ライブがどういうノリになるか不安……。と同時にnano.ripeの曲が生で聴けるという純粋なドキドキも胸に秘めてほぼ2年ぶりにclub DROPへゴー。

Hekate

ベースレスの3Pバンド。
デジタル meets 爽やかロックでジェッジジョンソンみたいな音でした。
突き抜けるようなメロディは聴いてて気持ちいい〜。

欲を言えばあと一工夫欲しいけどメロセンスあって地力持ってそうなバンド。

フーバーオーバー

伝説のインディーズ音楽番組・HANG OUTを見てた人ならこのバンド名に聞き覚えがあるはず。
そう、おかっぱの女性ボーカルが早口で歌う『コレクション』が何度もオンエアされたあのバンドです。
当時けっこう好きなバンドだったんですよね〜。対バンが発表された時nano.ripeと同じくらい楽しみだった。


一曲目『感電』からスタート。いきなり大好きな曲!


印象に残ってるのはメンバーのたたずまいがすごくフレッシュなこと。
そこそこに歳だろうにまるで活動一年目みたいなフレッシュな笑顔で楽しそうに演奏してるのは見てて気持ち良かったです。
曲はおとぼけ、かわいらしさの中にちょこっとだけ潜む切なさ。良いバンドだ〜。


ベテランらしく演奏はしっかりしてる。特に上半身のバネのある動きが味のあるベースとフィルインをビシッと決めてくるドラムのリズム隊が好みでした。
ボーカルさんはこの歳で女子高生みたいなブレザーが似合うってすごいなぁ。
早口ボーカルもまったく噛まずにCDそのまま。キュートだけど切なくなってくるボーカルラインがたまらない。


セトリは昔のアルバムやyoutubeのPVで聴いたことのある曲が多かった。『DC7』『フェンダー』『雷模様』『Timer』『まみむめも』『君方向へ』『毒入りマーチ』『17.5』『声』(後ろに行くほど本当にやったか曖昧……)
『DC7』のメロとか極上ですな。駆け抜けるサビヤバい!とぼけてるようでファンキーな『まみむめも』もライブ映えする。いや〜、イイ曲多いわ。


そしてラスト前に演奏された『コレクション』はやはり超良曲。早口ボーカルとドライブ感あるギターの応酬がめちゃくちゃカッコイイ。長めに取られたギターソロでは首後ろにギターを回してソロを弾ききる盛り上がり必須のプレイを披露。


HANG OUTみてた高校生の事はフーバーオーバーを観に行くなんて予想もしてませんでした。良かった!

nano.ripe

妙に眼鏡率の上がったフロア前方。nano.ripeのメンバーが登場。
ギターボーカル・きみコさんの赤髪はインパクトあるな!すぐに馴染んだけど。『フラッシュキーパー』のPVと同じ円陣(?)からライブスタート


一曲目から『ハナノイロ』。イントロのあのボーカルソロが聴こえた瞬間におぉってなりました。
アニソンのイメージから大きく離れる演奏。なんたってきみコさんの感情いっぱいにぶつけてくる歌と身体を振り回してのギターが熱い。CDだと声色に幼さを感じるようなところもありますがライブだとひたすらにエモい!
サポートで入ってるドラムも笑顔が眩しくて良かった〜。


MCは想像してたより普通で等身大の思いをぶつけてました。ってのは某雑誌のコラムとかで「イースタンユースかっ!」ってぐらいに詩人/哲学系だったんでそういうノリかと思ってたわけです。
でも、MCの時に口元を見るとものすごく震えてた。緊張してるのかもしれない。けどそれ以上に自分から発せられる言葉をすごい大切にしてるんだろうな、と感じました。イースタンユースはあながち見当違いではないかも。


二曲目に『最短距離で』をかまして『雨を待つ』『ゆきのせい』『セラトナ』『絵空事(新曲)』『夢路』『パトリシア』『フラッシュキーパー』『バーチャルボーイ』『細胞キオク』『ノクチルカ』などの曲へと続けていく。


前方では軽いモッシュが起こり、一回だけダイブまでありました(ノリでやったってのもあるだろうけど)。
バンド側も「怪我は駄目だけど、アザくらいは作って帰るのもアリだよね」とモッシュを煽るスタンスなのは意外。
他にも「暴れていってください」ってMCがあったり、ランティス所属だからとアニソン層に合わせるのでなくロックなライブらしく騒いでいって欲しいって考えはあるんだろうな


ライブorWEB限定シングル『ゆきのせい』はキラキラしたディレイ・ギターが印象的。四つ打ち基準のダンサブルな曲でちょっといままでとは違う感じだけどかなり良い曲でした。
「まだまだ体力余ってるよね?後半戦スタートです」からの『ノクチルカ』はなかなかに激しくて燃えました。
新曲はこの日がライブ初披露だったようです。これも良かった!
そして、花いろ好きとしては11話EDを飾った『細胞キオク』はマジに効いた……。


最後にアンコールで「もう少しだけ汗をしぼりだしてってください。nano.ripe最速の曲を置いていきます」で『面影ワープ』。
イントロからジワジワ盛り上がっていくBメロ、サビで爆発して……この曲ホントヤバい!


きみコさんの小さい身体から激情が溢れ出すパワーのあるライブ。曲がいいだけじゃなくライブバンドとしてもかなりのものでした。きみコさんの表情/笑顔がほんと輝いてたな〜。



最後にライブのノリについて。
騒ぐのを良しとするバンドのスタンス、熱いロックなサウンド。
でもファンはモッシュOKな層とそういうノリはアウトな層が入り乱れてる感じがしました。この日もほんの小さいトラブルを見かけたし。あんま見たいもんじゃないよなぁ。


これは難しい問題だと思います。アニメタイアップがあったから色んな人に知られたんだろうけど……もし普通に活動して心置きなくモッシュが出来るライブになってたら…ってのもある。最近はアニメにロック系のバンドが起用されることが増えてきたから似たような自体になるバンドは今後増えていくのかも。
楽しみ方が複数あるのは仕方がないこと。せめてゆったり見たいひとと盛り上がってるスペースに距離ができてどちらも満足できるような状態になっていけばなぁ、と切に思います。
これだけ熱いサウンドを発してんだ。この人たちのライブからモッシュが完全に消える日がくるのは寂しい。