soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/11/19 THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION (サポートアクト:KING BROTHERS) @ 大阪MUSE


8年ぶりの新作を9月に出したジョンスペが来日。対バンはジョンスペを敬愛する西宮の狂犬・KING BROTHERS
この組み合わせで科学反応が起きないはずがない!
対バンが発表されてから即チケット買いました。

KING BROTHERS

最初にセトリ書くと『BIG BOSS』『XXXXX』『マッハクラブ』『魂を売り飛ばせ!!』『ルル』


この日のキングのライブでとにかく印象に残ってるのは笑顔を隠せないケイゾウとマーヤ。子供みたいに目をキラキラさせて演奏する姿になんだかウルっときてしまいました。
ジョンスペを歓迎する本気の演奏とジョンスペが見れる待ちきれない気持ちが表情にも音にも言葉にも表れてました。


前座だからといって遠慮することなくどんどんダイブしてくるマーヤ。『マッハクラブ』で「ジョン・スペンサーブルース・エクスプロージョン、 I love you & Fuck you!!」のシャウトとともにローリングしながらダイブ。
あとマッハの英語部分で歌ってるのってタイチさんなのね。この日はめっちゃデカい声で歌ってて気づいた。タイチさんも気合充分!


セトリに『魂を売り飛ばせ!!』が入ってるのも熱い。「アオーーーー!!ブルースを手に入れろ!!」だもんな。
ケイゾウもジョンスペの愛をペラペラと喋る。「世界で一番ジョンスペが好きなキングブラザーズです」「(熱く語ってたら噛んで)これぐらいでやめとく。4時間ぐらいしゃべり続ける」


『ルル』のマーヤタイムは特に最高だった。「(JSBXの)新作を聴いたか?ブルース・エクスプロージョン、なんにも変わってへん!最高やー!!」。その時の嬉しそうな顔。反則だ!
コールもこの日ばかりは「ニ・シ・ノ・ミ・ヤー!」じゃなくて「ブルース・エクスプロージョン!」


この日のシチュエーションじゃないと見れないキンブラのライブ、最高でした!
後にJSBXが控えてるんでマーヤ前でも押しゼロなノリでしたが気持ちは極限まで高められてた。
まるで子供みたいな顔、ロックンロールスターを見る少年の顔、ってのは誰もが思ったはず。
これがキンブラの原点なんだなぁ。


THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION

カーテン後ろで音合せをしてる時点から客を盛り上げてしまうホンモノのロックンローラー達!
閉じたままオーディエンスに「準備はいいか?」と話しかけ『Black Mold』のイントロを弾きながらご開帳。かっこええ!!!


ベースレスの3人という極限まで絞ったバンド構成から発せられる超ド級に迫力のある音。渋くて熱い!まさに爆発するブルース!!
ジュドのルックスの良さは男でも惚れるレベル。俳優みたい。基本クールにギター弾いてるけど、ソロ中たまに見せる爽やかな笑顔は男でも惚れる〜。
ジョンは存在そのものがロック。独特の沈み込みフォームは何度も披露し、この日は特にボーカルがすごかった。47歳とは思えない迫力のあるシャウト。声がディストーションギターと同じ切れ味を持ってる。
全体的にサマソニ'11の時より数倍良かった。パフォーマンスの熱気が段違い。あの時は野外で革ジャンな男達には暑すぎたんだ……。


セトリは新譜+ベスト盤的選曲。一部はメドレー形式にしながらの代表曲を連発。『Chicken Dog』『Blues X Man』『History of Sex』『Afro』と思わずエアギターをかましちゃうカッコイイフレーズが次々と聴こえてきます。
特に印象に残ってるのがスネアリムでリズムをとる『Hell』、イントロが鳴った瞬間に盛り上がりがピークに達した『Bellbottoms』、「Make it fuck up」を皆で叫んだ終盤にプレイした『Fuck Shit up』、キング・オブ・ブルース・リフ『Wail』、そして爆発力のヤバい『2 Kind a Love』


そしてそこに新曲がなんの遜色も無くハマってる。曲の完成度は過去曲に比べてピカイチかも。冒頭の『Black Mold』『Bag of Bones』は完全にオーディエンスのハートをキャッチしてたし、ラストにやったのも新譜から『Get Your Pants Off』で納得の締めだった。
ニューアルバム過去最高傑作の評価もあながち間違えではないかも。


フロアは結構モッシュあり。自分の中でジョンスペってモッシュしながら見るようなバンドでは無かったんだけど……踊りながら見るのも思ったほど違和感もないなぁ。


本編の終わり方がかっこ良かった。
「ジャーーーーン♪」と3人で終わりっぽい音を出して→再開、ってのを繰り返し、ジョンがニッコリと笑いながら右手を挙げて「これがジョンスペです。いかがでしたでしょうか?」と演劇の終わりの挨拶みたいなポーズをしてフィニッシュ。ビリビリきました。


3人なのにパワフル。とにかくロックを感じずにはいられない。まさにブルースがエクスプロージョンしていたライブでした。サマソニで作っていたジョンスペの満足度想定ラインを遥かに超えて大満足。



キンブラのジョンスペ愛/ロック少年の瞳が見れたのも嬉しかったし、その期待に120%応えるステージを魅せつけてくれたジョンスペも素晴らしかった。
2012年11月19日、日本で……いや世界で一番ロック濃度が高い空間だったと思います。