soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/11/12 DCPRG @ 梅田AKASO

菊地成孔が率いる変異型ジャズバンド・DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENことDCPRG。今回が初見。一度は見たかったバンドです。
大阪でのライブは6年ぶりで大きくメンバーチェンジした第二期DCPRGとしては初大阪だとか。

AKASOに到着すると結構な人入り。どっちかという年齢層高めかな?昔のアングラの空気を吸ってそうなおじさま/おばさまがいっぱい。(愛のある)野次も飛びまくり。




DCRPGっての菊地成孔のコンダクト(指示)にしたがって演奏していく全10人の大人数バンドです。パートはキーボード2人、ギター、ベース、ドラムス2人、パーカッション、サックス2人、トランペットに菊地成孔氏。

このコンダクトってのがどんなものか実際に見るまで掴めてなかったんだけど”がっつり指示して曲を変えちゃう”というより”合図を送る”感じなのかな?0から出発するのでなく曲の9割は元から出来上がってるように見えました。


実力派達が集まるバンドだけあって演奏のクオリティはピカイチ。大人数で手間暇かけて作り上げていくグルーブはなんとも言えない気持ちよさがありました。
ポリリズムで進むんだけど、あまりそれを気にさせないでジャズを聴かせてくれる。演奏テクのスゴさの押し付けではなく自然と感じる心地よさのほうが強いです。




私なんかが個人的に注目しちゃうのはやはりドラムの千住さん(PARA)。2曲目ぐらいの早い段階でやってきたドラムソロでは5分ぐらい叩きまくってました。関西出身らしいドラムの中にちょこっとメタル小僧*1な一面も覗かせててスリリングなソロでした。


あとはギタリストの大村孝佳さんも風貌そのままのメタルなギターソロで痺れたし、落ち着いた大人の雰囲気を出してた坪口昌恭さんのキーボードもクールでした。今回のツアーから参加した紅一点のキーボード小田朋美さんも坪口さんに張り合ってた。やっぱ大御所のバンドには綺麗どころがいたほうが見た目にも楽しいですね。余談ですがこの人はソロ活動も気になってます。


そして菊地成孔はサックスのイメージがありましたが、DCPRGではキーボードとCDJに専念。CDJでは声ネタやラップを切り込みまくってた。ラップに合わせて手を動かす仕草がヒップホップ少年(≠B-Boy)みたいで楽しんでこのバンドをやってるのがわかります。


曲はyoutubeで聴いたことある程度なのでしっかり認識できたないんですがベース・ラインがカッコイイ「Playmate of Hanoi」をやってたの覚えてる。千住さんがドラムソロをやったのもこの曲。
あと「構造?」。この曲もベースラインが印象的。
どの曲も各楽器が少しづつ温めていくのでスタートでノリノリってわけではない。でも少しづつ熱を帯びて気付いたらグルーヴにがっつり腰を掴まれてる。DCPRGが音楽という名の城を築き上げているようです。




一曲が長い(10分以上、ヘタすると20分以上?)だから曲数は少ないけどがっつり2時間半は演奏して本編終了。


アンコールでの菊池さんのMCは風営法に触れてました。「締め付けは絶対に止まらない。でも踊って楽しかったっていう記憶だけは奪えない」という言葉に胸が熱くなりました。
その流れで始まった「Mirror Ball」はたまりませんでした。幸せすぎて泣きそうだった。そして腰を振りながら踊りまくりました。今思うと曲名はまさに……。関西に来てくれてありがとうございます。 


難しいことも色々やってるだろうけど、基本はジャズのグルーヴをしっかり楽しく感じさせてもらいました。
予想以上に良かった。踊れるってことはいいことだねぇ。


*1:paraでのインタビュー曰くメタル小僧だったとか