soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2016/12/10 山本精一 & Playground @ 難波ベアーズ

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2016年、最後のベアーズ。


夢の中の音が現実にやってきたような素晴らしさでした。


今回はベース・須原さんとのデュオ。ドラム無しじゃ物足りないのでは?と不安もあったのですが……最初の1分の音を聴いてた時点で「今日はヤバいぞ」と確信する素晴らしいライブでした。


最初に10分ほどのインプロ(?)音響演奏。
この時の”音”が桃源郷から聴こえてくるような素晴らしい音で。『Crown of Fuzzy Groove』を初めて聴いた時のような衝撃でした。ベアーズの音響万歳!


そして歌い始めた山本さんの声がまた素晴らしくて涙が出そうになりました。誇張抜きに。現実から聴こえてくる声とは思えない…”夢”の匂いがある歌声でした。


山本さんのギターは音響的な音を中心に、メロディアスなロック・ギターソロをキメたり、早いストロークで高速飛行っぽくなったりと色んな顔を見せてくれました。その引き出しの多さに脱帽。
ただ純なノイズギターは一度もありませんでした。今回は歌と素直に共存するギター。


須原さんのベースはいつもに比べて弦がビシビシっと鳴ってるのがわかってしっかり主張してた。須原さんと山本さんが共演するたび思いますが、山本さんはかなり自由に演奏してるのにそれにしっかり寄り添っていくのが本当にすごい。魔法みたい。


曲はソロ、Playground曲、カバー、そして羅針盤など山本さんの歌モノの歴史から幅広く歌ってました。これも長年一緒にやってる須原さんとのデュオだからか。


ハっとなった曲はPhew山本精一名義の「ロボット」のセルフカバー。原曲より楽しげにそして儚げに歩んでいくアレンジにウルッときました。”昔は音楽が好きだった~♪ 今は髪の毛が大好き~♪”
他に「ゴミ箱のなか」「水」など。「オーブル街」もやったっけ?


そして羅針盤の曲も。
「ソングライン」では須原さんのステキな大人コーラスにうっとり。後半のミニマルな部分ではあまりの気持ちよさに生きたまま昇天しそうになりました。


そして超レアな「永遠のうた」!これまた素晴らしい演奏で……ガチ泣きしそうになりました。
終盤の英語歌詞の部分がホントにグッとくる。天国の人も笑顔で戻ってきてくれそうな、天上と繋がりそうな神秘性がありました。


不必要に声を出す客もなく、拍手が早い人もおらず、音響も素晴らしく、MCも少なめ。
ただただしっかりと歌と演奏を堪能できた忘れられない夜になりました。名演ってのはこういうのを言うんだなぁ。今年のベアーズの締めにぴったし!


あと「ゆうれい」の歌詞がめっちゃ染みました。最新の曲が素晴らしいのは最高だ。

”また昨日によく似た白い朝がゆっくりとはじまって みんなの期待に応えるようにいつも私になる”

”なにも話すこと無いときは ふいにおしゃべりになる 言葉があふれる
その速さに追いつけない もがいているだけ”

”なにも起こらないことには慣れてる 今日はなにかひとつでも変えられるだろうか”