soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

煉獄のユリカ / PROJECT写楽

実写を使ったホラーノベルゲーム。プレイ時間は2〜3時間ほど。
現在PC版の公開は終了しており、U-WORKSというサイトからソフトバンク対応のアプリとして配布されているようです。(自分はドコモなので詳しい事は未確認)


制作ツールが、バックログ無し、栞制のセーブなどの使いにくさで有名なYuukiNoveなのでプレイ環境は良いとは言えません。フォントもどことなく安っぽさが感じられ、このゲームに合っていないような。
人物モデル(顔はほとんど映らない)をフルに活用した実写がとても綺麗で思わず見惚れてしまう。写真家としてコンテストでいくつか賞を取っているそうで、その撮影/編集技術は他と一線を画します。
太股のアップなどセクシーなショットが多い。ホラー映画に登場する女キャラはなぜか色っぽいという定説に乗っ取たのかもしれないし、作者さんの趣味のような気もする。
マリ先生役のモデルをされている作者さんの奥様が美人です。うらやましい……(ぉ
自分はイラストモノのグロ/ホラーは全然OKなんですが、実写によるグロ/ホラーは超がつくほど苦手なのです。学校の怪談ですらビビッて見れない始末。
だからこのゲームをプレイ中もビビリまくり。最初は夜中にプレイ開始したのですが、いつショッキングな画像がでるかとドキドキしっぱなし。結局ギブアップして昼間にプレイすることにしました。おぉ、なんというヘタレ。
ちなみに(↓どの程度の恐い/グロい画像があるか書いてます。それを知ったらホラーが楽しめなくなるよという人は見ないように。)

白目顔の度アップやら流血シーンやらの直接的な恐さ/グロい画像は無し。


ストーリーは:女子高生のユリカは、とある事件を境にして、「もうひとりのゆりか」の声が頭の中から聴こえるようになった。その声はユリカがユリカである事自体が罪だという。この発言の意味を探るうちに残酷な真実を知ることになる……といったもの。
前半は映像の恐さもあってかなりドキドキした。ユリカが某所で目を覚ますシーンでなんどウインドウを閉じようと思ったことか。
後半はホラーというより人間ドラマ的な恐さがあります。真実が明かされるシーンは読みごたえがある。
その後はちょっと超展開にいきすぎた気がする。方向性は嫌いじゃないけどもう少し押さえたほうがB級臭さが無くなったかも。
キャラの喋り方が作られた感じがしたり、赤文字の多用が逆に安っぽく感じたりと文章自体はあまり好みではなかったです。それでも中盤はプレイして良かったと思わせてくれるストーリーの面白さがありました。


普通のノベルだったらさほど印象に残らなかったかもしれませんが、実写の恐さ/存在感がすごい。
写真の魅せ方がしっかりしているとこんなにもパワーを持ってくるのかと感じた作品です。


ふと思ったのですが、文字表現やら、セリフ回しやら、終盤の超展開やら、おまけのギャグのノリやらといった、ある意味の白々しい感じは一昔前のホラー漫画の空気が感じられる気がする。関よしみ伊藤潤二の漫画みたいな。
ここらへんは好き嫌いが分かれるかも。