soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

蜃気楼の教室 / 電脳 不在証明

背景オンリー・選択肢無しの短編ノベルゲーム。プレイ時間は45分ほど。
東京創元社の「第1回ミステリーズ!短編賞」で最終選考まで残った作品を大幅に改稿してノベルゲームにしたという紹介を見て、否応無しに期待が高まります。プレイを終えてみると期待以上の出来でした!
ちなみにミステリと言っても探偵モノではありません。


極度に人との関わり合いを嫌う高校生・佐野は、前の席に座る、蜃気楼のように誰の意識にものぼらない少女の存在に憧れていた。
ある日、前の席の女生徒が知らない少女になっていたことに驚いた佐野の元にクラスの女子が語りかけてくる……。
佐野が中心となる話と5年前のいじめられっ娘の話が交互に語られます。
きっちりした文章でグイグイ惹き込まれる。
前半はいじめられっ娘の切ない話に心討たれ、中盤になると佐野の衝撃的な一言から一気に加速。どちらの話も目が話せなくなり、最後には綺麗に全てが繋がります。
無駄が一切無い、考えられた物語構成は素晴らしいの一言。
心にグッとくるシーンがいくつもあり、特に最後の美しい友情には涙腺が緩みました。


素材使用のBGMは他のゲームでもよく耳にするものですが、使いどころが絶妙で物語を盛り上げてくれます。
背景のチョイスもグッド。


綺麗にまとめられた良作。プレイ後はなんとも気持ち良い後読感が味わえます。
オススメ!
短い作品ですし未プレイの方は是非プレイしてみてください。