soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

彼方のトケイ・1章 / EMBRYO

選択肢・キャラ絵無しの同人ノベルゲーム体験版。プレイ時間は2時間半ほど。


両親を事故で亡くした高遠彼方は、毎朝妹を起こして学校に駆け込む平凡な日常を送っていた。
しかし、両親の命日に立ち寄った事件現場で時計を見つけたのを期に、彼方の周りで「時を止める」現象が起こり始める……。


DIO様をつい思い浮かべてしまう「時を止める」能力をちょっと違った視点から扱ってるのが面白い。
設定説明シーンが多いのですが、主人公と妹の会話のテンポが良いので読みにくさはほとんど無かったです。
設定だけのゲームではなく、物語としてもちゃんと魅力があり、後半はなかなか盛り上がる。ラストは多少唐突に感じられるものの、設定をうまく使ったもの悲しい演出が良かったです。
ただ、主人公が最初から色々な物事を「時を止め」に関連付けて考えるので、結論ありきで作られた感が無きにしにあらず。


体験版としてだけでなく短編として十分楽しめる。
逆に言うと、どちらかというと短編向けの設定でノリを維持できるか気になるところも。
この一章で形としては一つの物語が終結しているようにも見えるので、今後どう展開していくのか見ものです。


ちなみに音楽サークルとしも活動しているのでBGMはオリジナルかと思いきや素材使用でした。
CDに収録されていたアトラク=ナクアのアレンジは素晴らしい出来の名アレンジ。当時はアホみたいに聴いてました。聴きすぎて音飛びするように……再販しないかな。