soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

Dialectic / DyingLife


2枚組みオリジナルメタル系アルバム。
メタルと言っても、同人では滅多に無いゴア/ドゥーム系です。基本的に低速。


汚すぎるギター(誉め言葉)にゲロゲロな下水道ボイスという構成ですが、ただ暴虐的かつ汚物的な直球ゴアでは無く、ゴシックやブラックメタルに通じる叙情的シンセ/ピアノが絡むスタイルでどっちかといえばフューネラル・ドゥームっぽいところがある。
シンセはおもちゃのような安っぽさがあって、ゴア面から浮いていながらも、不思議とこの組み合わせが面白い。シーンを見渡しても結構珍しい音を出しているのではないでしょうか。
人間外の域に達しているデス声に、地下へ、闇へと沈み込んでいく絶望的なムードは聴く人を選びます。しかし、ギターリフは一聴してビビッとくるし、全体を彩るシンセのメロディはとても綺麗なので、この手の音にしては意外と聴きやかったりします。
音が少しこじんまりとしている感もありますが、ジャンル的にそこまで気にならない。ただ、あまりこの手のジャンルを聴かない人には音が汚く感じるかも。


問題は、死にたくなるようなドロドロとした曲を2枚合わせて2時間以上聴き続けるのは非常に疲れるということ。曲単位でも10分オーバーで似通ったのが多いんで通して聴くには気合が要ります。


ゴア/ドゥーム系としてはなかなかの出来。暗いのが好きな人には堪らないでしょう。
適度に聴きやすいのでゴシック方面の人にもアプローチできるんじゃないでしょうか?とはいえ、一般的なジャンルではないので視聴してはてなマークが頭に浮んだらキツイかも。
驚きなのはこのCDは無料配布だったこと。こんなにちゃんとしたモノを無料で貰っちゃっていいのだろうか。