soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

ぶんどき 〜土星人ゴーホーム〜 / salvation by faith records


すごいタイトルですがMOTHERシリーズアレンジ。原作と同じく色々とカオスな内容です。


基本的にはいつも通りのSBFR節。コアすぎないクラブサウンドのBMS系サークルらしい曲調です。
しかし、今作はどこかひねくれている。
前半は比較的まともな曲が多いんですが、中盤から雲行きが怪しくなって、終盤に行くにつれて奇天烈な楽曲が並びます。
そんなカオス空間の中心にいるのが③⑥⑫を担当するstaさん。この人の曲はまともじゃない。周りもstaさんに感化されておかしくなってる印象がある。
staさんは前作に続いてまだ2回目の参加だというのに早くもSBFRを自分色に染めています。
変なだけでなく、純粋に楽曲としてのクオリティも高い。
収録可能時間ギリギリの総再生時間72分ですが、最初から最後までまったく飽きさせないバラエティの豊かさも強み。
各曲にアレンジャーの個性が出ている良盤です。
読み応えのあるデータトラックのライナーノーツも面白い。タイトル決定秘話は必読!


※()内の数字は出展元のシリーズナンバー。
MOTHER2メドレー。冒険の始まりを思わせる勇ましいムードが一曲目にぴったり。聴きごたえがあります。
③「レベルアップ(2)」「ポーラのテーマ(2)」のアンビエントテクノ・アレンジ。子供の夢の中みたいなフワフワした音選びの中にも哀愁メロがあったりしてグッとくる。
⑤「タツマイリむらのテーマ(3)」&他3曲を海腹川背色全開のほのぼのとした曲調にアレンジ。和む。
⑥「きままなにいさんの戦闘テーマ(2)」アレンジ。音を切り刻んで再構築したような曲。音選びのセンスが半端ねぇ。ここらへんからアルバムの空気がおかしくなってくる。
⑧「対クラーケンの戦闘テーマ(2)」のドラマティックなアレンジ。中盤から入ってくるピアノフレーズがカッコイイ。
⑨「対宇宙人系の戦闘テーマ(2)」のシュランツ・アレンジ。シュランツとなっていますがウワモノ多めで派手。疾走感が気持ち良い。
⑪「最低国のテーマ(2)」のローテンション・ディスコ・アレンジ。MOTHER2の名CMを声ネタに使ったり、メロディが奇妙だったりと奇怪すぎるアレンジ。でも不思議と中毒になる。
⑫7分越えの大作ブレイクコア。8bit→メタルと展開してドリルンへ。ドリルン地帯のドラムに圧倒されます。前2曲がとぼけた感じだったstaさんがここにきて本気を出した感じ。
⑬カオスな曲達をまとめるのは主催マンボウ氏によるMOTHERシリーズの10分越えメドレー。ハピコア調のビートの上を名メロディが駆け抜けていくのは聴いてて気持ちが良い。お祭り騒ぎのフィナーレは感動的ですらあります。
⑭前曲で締め……と思ったらボートラがスタート。普通には終わらないのがSBFRクオリティ。
任天堂、スクエア、ニコニコネタとなんでもありメドレーのダイジェスト版。フル版はmidi形式でデータトラックとして収録されています。
作られた経緯(readme参照)はヒドイもんですが、実はむちゃくちゃ良いメドレー。懐かしの名曲が違和感なく次々と繋げられていくのは圧巻。アレンジも上手い。ぶっちゃけ今作でもイチオシ。


普通じゃない。けど意外にも聴きやすい。
裏ジャケに書いてる「奇妙で、うるさい。そして、切ない。」というキャッチコピーが的確にこのCDを表してます。
本気でバカなことをするSBFRの魅力を存分に楽しめる良盤。
MOTHER好きはもちろん、一筋縄ではいかないアレンジCDを聴きたい人なら楽しめるでしょう。
オススメ!