soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

シリアルコーン DAYs +172 / Green Tea Milk

同人ゲームサークル「Green Tea Milk」さんがすろ〜ふ〜どのHowTo企画「吉里吉里いったっきり。」内で制作したフリーのノベルゲーム。
お得意のカットインノベル演出は使わず、オーソドックスなノベルゲームとなっています。
プレイ時間は約1時間。
長い間活動しているサークルなだけあってさすがの面白さ。
現在は+172にいくつか話を追加したシェア版が頒布されています。


人々がゾンビ化してしまった世界。ゾンビ化は次々と伝染して無事な人間はほとんどいない。
世界の混乱もお構い無しに家から出ない引き篭もり・裕紀は今日もシリアルコーンを食べてながら望遠鏡で街のゾンビを眺めていた。


街がゾンビ化ってのはよくある設定だけど、主人公は安全地帯にいる引き篭もりってのが面白い。
「外」を恐がる引き篭もりと街の異常さがうまくブレンドされて、主人公に独自の葛藤を持たせています。
世界が終末に向っている内容なのに、その軽々とした文体によりプレイしてて気分がどんよりとすることは無い。非常に読みやすい文章です。
突然訪れた謎の少女・キリエにより、シリアルコーンを食べてばかりの毎日で「生きながら死んでいた」裕紀が少しづつ変わっていくのは見ていて胸が熱くなってくる。
男を決めて殻をこじあけるシーンは最高に燃えました。
企画モノということで、設定が詳細に説明されてないところもありますが、基本がしっかりしてて何より読んでて純粋に面白かったので不満は感じませんでした。
多少のごまかしがあっても要所がしっかりしてたら問題無いことの良い例ですね。
鳥や電池などちょっとした要素の生かし方も上手い!母さん・゚・(ノД`)・゚・


短時間で一気にのめりこむことの出来る良作。
万人にオススメしたゲームです。
引き篭もりの設定の使い方がホント素晴らしい。
グロいところがあると注意書きがありますが、絵はポップだしバイオがOKならまず大丈夫。