soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/07/16 NANO-MUGEN FES.2011 初日 @ 横浜アリーナ

アジカン主催の邦洋混同フェス・NANO-MUGENに初日だけ参加してきましたー。NANO-MUGENは初参加。邦楽勢も良いの揃ってるけど一番の目当てはweezer


大阪から新幹線で新横浜へー。10:50ごろに到着。横アリは新幹線駅に隣接してるのがいいね。
会場に入ったらまずクロークへ一直線。そこそこ並んでたけど進みは早いので15分くらいで預けれた。
でも、ねごとの最前ブロックは逃したー。

‪ねごと

ゾッコンのねごとが一番手。
ゆうタンのベース弾きぷりがあいかわらずかわいい&かっこいいです。
2曲目でいきなり「ループ」はちょいびっくり。


MCはやはり拙い。
良い方向に緩かったらいいんだけどどうも滑ってる感が……。


1stアルバム発売直後だけど、前のシャングリラでのライブに無かった曲はニューシングルの「メルシール」だけ。
ダイナミックな音な広がり方で、全方向から音が飛んでくるかのようで「ループ」以上に宇宙に飛ばされました。アリーナというステージに合ってて良かった。


満足度は……うーん、熱くなったかといえばそうでもなく微妙。良い演奏はしてた思うけどライブならではの+αは無かったかなぁ。
ねごとはおとなしく聴くファン(客?)のノリがどうも自分に馴染みません。
客が地蔵なのはブロックのせいなのか、一組目だからなのか、それともフェスの空気なのか。一組目にしてこの先に対して大きな不安が押し寄せる。

オオルタイチ

結論から言えば最高でした!
横浜アリーナという大舞台で奇声とすら言える高音ボイスをブチかました!


DJステージとなってたけどやってることはライブスタイル。
巨大VJをバックに見るオオルタイチは半端なかった。サイケでキャッチーな轟音で完全に彼の世界へとトリップ。
飛び跳ねて叫びまわるオオルタイチのアクト自体も上調子でかなり良かったです。かさ小僧みたいな今の髪型好きだなぁ。


爆音で聴く「Beshaby」はマジ半端ない。
客のノリは変わらず抑えめだったけど、アリーナに響くオオルタイチの混沌とした世界。これだけでも横浜まで来た甲斐があった!
ちなみに周りの評判はアウトな人と気に入る人が7:3ぐらいだったと思います。

We Are Scientists

まだ活動してたんだ、と懐かしい気分になったUSのダンスロック/ポストパンク。このバンドには色々と思い出話があるんですがそれはまた別の時に。


うーん、音が軽い……。どうも腰にクルものがなくて後ろの方でまったりと聴いてました。どっちかというとPAの問題だったかも。
ラストにRENTALSのマットが飛び入りでボーカル参加したのはテンション上がった。

磯部正文BAND

サウンドチェック中に新利の風を一瞬だけ弾くイッソン。染み付いてるなぁ。
ドラムはハイスタのツネ。「あれ?ギターがひさ子じゃない?」と思ったらtoeの美濃隆章さんでした。
入場SEが音飛びとメンバーが登場する前にトラブル発生。気さくなMCで空気を崩すことなくスタート。
最初は前の方にいたけど、おしくらまんじゅうでほとんど動けない状態なんで後ろのほうでおもいっきり身体を動かすことに。後ろでもええ感じに盛り上がってる場所があったー。


まずはソロアルバムの開始2曲。
しかし、3曲目に入る前に美濃さんのギターから音が出てないことに気付きアンプヘッドを変えることに。そのあいだに即興で『そんなのアリーナ♪横浜アリーナ♪』と「アリーナの歌」を歌いだすイッソン。合わせるバンド。それらしい曲になってるのがすごい。


機材トラブルはすぐに直ると「Do we Know?」をやって、4曲目にハスキンの「The sun and the moon」キター!そこから「BY CHANCE」アジカンがカバーした「欠けボタンの浜」「新利の風」「the steady-state theory」と立て続けにハスキン・ラッシュ!「欠けボタンの浜」は前のファンダンゴ単独で聴けなかったから嬉しい。グッときた。前曲から間髪入れずに「the steady-state theory」が始まった瞬間も鳥肌モンでした。
ラストに磯部正文ソロの名曲「符思議なチャイム」。


美濃さんは最初のほうこそ普通に弾いてたけど後半になるにつれ高まって「いつtoeみたいな変拍子フレーズが飛び出すのか」ってなエモーショナルな動きになってた。ひさ子とはまた違った味がある。


このフェスの客層/空気をしっかりと読んで、今回は「磯部正文BANDという名のハスキン再現BAND」でした。
PAトラブルにまったく動じずの素晴らしいアクト。

‪THE YOUNG PUNX!&PHONAT

イッソンが終わった直後に強烈なエレクトロサウンドが隣接したDJステージから鳴り響く。うおお、なんじゃこのかっこいいサウンドは!さらに両隣から大量の巨大風船が飛んできてフロアの上を跳ね飛ねる粋な演出もあり、オーディエンスも今までの硬さが消えて大盛り上がり。


アゲアゲなダンスチューンに合わせて、MC二人が煽りまくる、叫びまくる、時にはギターを弾いたり、電子パーカッションを叩いたりで始終ハイテンションな40分でした。
女性ボーカルが出てきたり、レーザー演出を派手にカマしたりととにかくエンターテイメントなステージング。


自分もまんまとアゲられて最高だった!このアーティストはノーチェックだったけど完全にやられた。後半にやったoasisの「wonderwall」ネタの曲が良かったです。
ちなみに四つ打ちだとみんな盛り上がるのに、ドラムンベース系の曲になると急にノれなくなるのは興味深かった。ロック中心に聴いてる層には身体に染み付いてないグルーヴなんだろうか。




予定してた以上に連戦になったのでASH前半はスルーして会場を歩く。
どこ行っても人混みが酷いってことはなく過ごしやすい。フードコーナーもなかなかおいしそうなのが揃ってた。飲み物は、スミノフが売ってるのが素晴らしい。自販機が普通に使えるのは意外。
4Fにはアジカンのメンバーがプロデュースしたバーがあって大スクリーンでステージも見れる。
和風のデザインに、ライティングで月や金魚が壁に自己主張しない程度で映しだされて良い雰囲気。混み混みでもないし、休みにはぴったり。


ASH with KENSUKE KITA

2Fスタンド席からASH後半を観る。
爽快にかっとばしたパンキッシュなセトリでした。なんだかんだでかっこいい「Orpheus」でテンションアップ。
最後は仏像マスクが乱入しての大騒ぎで「Burn Baby Burn」。

THE YOUNG PUNX!&PHONAT

当日告知イベントその1。ゲストリアムでのDJ。
アリーナほどアゲることもなくほどほどに踊らせる選曲。MC二人はステージ前でひたすらサイン。Tシャツ、靴など次第にサインするモノが派手になって湧きだつオーディエンス。いい感じにゆる〜いFUNな空間。酒を飲みながら軽く身体を揺らして……良い気分〜。


the HIATUSの時は食事タイム。韓国系の出店なんとか丼。そこそこ。
食べながらスクリーンでHIATUSみてたけど「細美ってこんなに歌うまかったっけ?」ってぐらいに声が出てました。なかなかの熱演だった模様。

キヨシ&磯部正文

当時告知イベントその2。イッソンの弾き語り+アジカン・ドラムのカホン!嬉し過ぎるサプライズ〜。

最初にハスキン曲を歌ってから、『weezerが出るからイントロだけ』と「はじめてのチュウ」。たぶん「Say It Ain’t So」とかけてた。そして震災に向かって歌った「もしも僕がピアノが弾けたら」。歌詞の一部を「Nano-mugen〜♪」に変える遊びもあって和んだ。
そして、最後はハスキンの「摩訶不思議テーゼ」!『悲しくて笑って忘れたり 嬉しくて涙出るわけ』改めて良い歌詞。言葉の一つひとつのが身体に染みこんでどんどん満たされるの感じました。


本当に素晴らしいイッソンの歌声。この日は喉のコンディションがかなり良かったんじゃないだろうか。MCもウィットに富んでて面白かった。最高だった。幸せ〜。本フェスの一番幸せだった一時のひとつです。

‪THE RENTALS with ASH/GOTCH

アコースティックステージと言いながら普通にフルバンド。マットはテンション高い。空を殴るように騒いで、巻舌で客を煽る。スター然とした魅せるステージングでした。
バンドはムーグのお姉さんが美人でイイ声で良い味だしてた。
途中からアジカンの後藤さんや最後はWw are scientistのボーカルも飛び出してのお祭り騒ぎでフェスって感じ!
曲はそこまで好みじゃなかったけど楽しげな空気が良かった。


アジカン前に外のソファで横になってたらモロに寝てたw
アジカンが始まる歓声とともに起床。
アジカンのライブ中はステージの外ぶらぶらと歩いてると、あれだけいた人がまばらにしかいない。授業中の学校の廊下を歩いてる気分。80〜100はいたであろうゲストリアムも15人程度だった。アジカンすげーな。

‪ASIAN KUNG-FU GENERATION

ライブを見ててアジカンの曲を全然知らないな、と。聴き覚えのある曲がほとんどない。ここまで知らないとは思わなんだ。
でも、アリーナもスタンド席も埋まった会場みんなで手を伸ばして盛り上がってるその光景がすごく素晴らしくて思わずウルッときました。音楽っていいなぁ。演奏自体は良かったし、MCもいいこと言ってた。
曲はやはり好みではなかったけど、この空間を生み出せるのはすごい。そして自分もその場にいれたことに感謝。


MCでは「weezer見てー」言ってました。イッソンも何度かweezerを気にかけてた。彼らの偉大さを再確認。おかげでweezerへの期待がどんどん高まる!

WEEZER

オオルタイチ、イッソン、THE YOUNG PUNX!と色々と見所はあったけど、結局こいつらが全部持ってった!トリにふさわしい名演。
セットリストは代表曲/名曲のオンパレードで聴きたかったのはほぼ全部やってくれた。


紙袋を持って出てきたリヴァースが「DVDヲモライマシタ。オクリビト。ニホンノエイガダイスキデス」と気の抜けた日本語MCでいきなり笑いを誘う。
最新作の「Memories」でスタート。ぶっちゃけ一発目としの引きが強い曲ではない。次に「Undone - The Sweater Song」にトトロ、ポニョのメロディを載せて歌うひどいパフォーマンスを披露w
リヴァースはギターを弾きながら、たまにステージ上をウロチョロしてはメンバーにちょっかいを出したりとコミカル。見た目はすっかりおっちゃん化してる。


ライブ最初の方は「曲は思い入れ深いけどステージは普通だな」と予想してたより冷めたテンションで見てた自分がいたけど、「My Name is Jonas」「Pink Triangle」と続くにつれ徐々にやられてきた。いや〜、曲始まった瞬間の高揚感が半端ない!
そしてシンプルなドラムで始まる「Don’t Let Go」で落ちました。会場全体に響く『Don't let go woo ohh♪』のコーラスがたまらない。
自分の大好きなグリーンアルバムから4曲と多かったのが嬉しい。「Hash pipe」「photograph」「Island in the Sun」の流れは感極まった。とにかく良メロディだらけです。リヴァース一人になって『何がくるかな?』と集中してる中に奏でられた「Island in the Sun」は鳥肌モンでした。バンドサウンドが戻ってくる瞬間がまたかっこいい。


突如始まるスネアロール。『お、これはもしや?』と興奮してると、やはり「Beverly Hills」。名曲ラッシュだ!この頃には最初の不安はなんのその、完全にステージに引きこまれてた。
「Surf Wax America」を挟んで一番好きな「Say It Ain’t So」が始まった瞬間は拳を挙げて叫びました!これ以上のロックバラードはそうない。生だとメロディのエモっぷりがアップして最高だった……。


そして、次がこの日一番のハイライト。
弱虫少年から中年になってたリヴァース。
しかし、次の「I Want You To」でステージを降りて最前ブロックと直接触れ合う。そこまではよくありそうな光景だけど、なんとそのまま後ろのブロックまでやってきてあろうことかスタンド席にまで登って客とスキンシップ。勝手に帽子を取ってかぶったり、半裸の外国人と並んだりで、もうてんやわんやの大騒ぎ。そのままアリーナを駆けまわる。アイドルがやるような手を振りながらの小走りでなくマジで全速力。意外にも運動神経がよくて自分の横を走り抜けた時も相当スピードが出てました。
必死に追うスタッフを楽しむように走るその姿はいたずらっ子そのもの。姿は中年になってもやんちゃだ。とびっきり明るい「I Want You To」の曲がまた良かった。評判の悪い『MALADROIT』だけどこの瞬間を産み出してくれたことを考えるとかけがいのない一枚になった。
そのまま「Only in Dreams」も客席で歌う。楽しくて仕方がなかったです。


実はこのお祭り騒ぎの時点で「終電がヤバい!」って状態だったんだけど、リヴァースが走りまわってるからブロックの外には出られない状態。「よりによってこのタイミングで最高なハプニングを起こしやがって!」と困惑と歓喜が入り乱れてました。
リヴァースがステージに戻ると同時に、泣く泣く出口へ。あんなに何度も後ろを振り返りながらフロアをあとにしたのは初めてだ。


終電までは残り10分切ってる。早歩きから次第にダッシュに。でもさっきのリヴァースのやんちゃが目に焼き付いて走るのがなんだか楽しい!2分前にギリギリで終電に乗れました。
聴く話によると、このあとアンコールで「android pararoid」のカバーとbuddy hollyをやって大盛り上がりだったらしい。くあ〜、見たかったなぁ。



一発目ねごとでの地蔵っぷりがヤバい、タイムテーブルを見ると「イッソンからweezerまで見たいのないかも」と不安で始まったフェスですが、ゲストリアムでの催し、ゲスト出演などのフェス企画で充実した一日を過ごせた。
あと、タイムテーブルが確認できたり、即セトリが上がるケータイサイトが良かった。セトリを見ながら「この曲良かったよねぇ」と盛り上がってました。ステージはもちろんだけどフェスのギミックで心から楽しませてもらった気がします。ただバンドを並べるだけじゃなく「良いフェスにしよう」という心意気をビシビシ感じた。


楽しかった!