soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/07/19 QUATTRO MIRAGE VOL.2 BRAHMAN × RHYMESTER @ 心斎橋CLUB QUATTRO

今日はロックとヒップホップの異色対決・BRAHMAN × RHYMESTERに行ってきましたー。すんごい組み合わせ。
開場を待ってたら高校のクラスメートに偶然出会ってビビった。まさかこんなとこで再会するとはなぁ……。
会場のTシャツ率を観るにBRAHMANファンとRHYMESTERファンの割合は8:2ぐらいでBRAHMANの方が圧倒的に多そう。

RHYMESTER

一番手はライムスター。


今の日本に必要な言葉が詰まった『そしてまた歌い出す』からスタートして「MCゼロのBRAHMANと俺らがまさかの対バンっていうね」「TOSHI-LOWと違って俺らは客弄りとかするから」「BRAHMANファンのためにロックな曲を用意しました」とBRAHMANの対バンというセッティングを活かした宇多丸のMCが冴える冴える。客を笑わせ沸かすトークはさすがマイクのプロフェッショナル現場アクター。
Dさんも「ラップの上手いほうです」「初めての方が多いと思うので丁寧に自己紹介します。幼稚園は……」とクールにボケるのが面白かった。


もちろんライブも素晴らしい。強力なフックの『ONCE AGAIN』、すっかりライブピークの定番となった飛び跳ねて超盛り上がる『付和 RIDE ON』、DJ JINがスクラッチで魅せる『ライムスターイズインザハウス 』、『キングオブステージ-REMIX-』のフックから繋げるエッジの効いた『グレートアマチュアリズム』、このセトリでなぜか入ってる『ちょうどいい』と良曲が続く。BRAHMANを意識してかアッパーな曲が多かった。
遊ぶように口から言葉が飛び出す『ライムスターイズインザハウス』はベテランのステージで魅せられた。
新曲の『フラッシュバック、夏』はPVだと微妙だと思ったけどライブだと盛り上がる。フラッシュ!バック!夏!


BRAHMANファンが多くてアウェーな客層かと思いきや大盛り上がり。前のZEPPでのマニフェストツアーは客のノリが大人しくて盛り上がらなかったんだけど、今回は踊って、跳んで、手を挙げてのアクティブなノリでめっちゃ楽しかった!


ラスト2曲前にLUNCH TIME SPEAXのGOCCIがゲストとして登場し、今ラップする意義を語ったアカペラ・フリースタイルで披露。
さらにバックにはブラフマンの演奏陣がやってきて「ウワサの伴奏」バージョンの『Walk On』!せっかくの対バンだからなにかやるとは思ってたけど、生演奏でコレを聴けるとはっ!めがっさレアだ!DJ JINもマイク片手にステージ前にやってきて熱いラップ。さらにGOCCIも1バースを担い盛り上げる。この時ステージ右側ではBRAHMANファンがモッシュゾーンを作ってダイバーまで発生してました。


そして、最後の一曲がさらにサプライズ。
宇多丸の「B-BOYの血が少しでも混ざってたこのベースラインを聴けばわかるはず」とのコールのあとにウッドベースから奏でられたのは『耳ヲ貸スベキ』のベースライン!いや〜、これは盛り上がるしかないでしょう。しかも最後のフックでTOSHI-LOWがやってきて「耳ヲ貸スベキ♪」をBRAHMAN風に熱唱。TOSHI-LOWの圧倒的な存在感で原曲と全然違うノリw
バックもしだいに轟音の激しいサウンドになってめちゃくちゃかっこ良かった!


クラシック『B-BOYイズム』はやらなかったのに、まったく不足感の無い最高のライブでした。超レアなモノ見れたもん。ラスト2曲はもう二度と見ることはできないんじゃないだろうか。
MC、ラップ、DJの全てがベテランの業でキングオブステージの真髄を浴びてきました。前回のマニフェストツアーで見限ったりしなくて良かった。


BRAHMAN

ライムスターが終わると間髪入れずにBRAHMANが始まる空気。
自分は「これはヤバい」とモッシュが始まる前に横に逃げました。えぇ、ヘタレですとも。
案の定、いつもの祈りSEも無しに演奏がスタート。すぐにまだライムスターファンが居る最前線で強烈なモッシュが勃発。TOSHI-LOWなんてことしやがるw


そのあとは怒涛のノンストップ・ライブ。熱すぎる!
もちろんフロアはすぐさまにモッシュとダイブの嵐。
BRAHMANのライブはステージ前でバンドと客、二つの熱気がぶつかり合って火山が噴火しているかのようなパワーが放出されてる印象を持つんですよね。


とにかくすげー。ぶっちゃけボルテージ全開で騒ぎ倒すから何があったかはっきりと覚えてないw
なぜかモッシュピットを横断してPA前の細い通路を通って、またモッシュピットを横断して……とクアトロを一周してた気がするw。歩いてないと気が済まないほどの興奮。
とりあえず『Speculation』で「Take back your mind!」を叫んだのと『BASIS』でおもいっきり拳を突き上げてたのは覚えてる。あとは気づいたら最終曲の『PLACEBO』を歌いながらクラウドの上を歩いてテーブル部分までやってきたTOSHI-LOWが真上にいた。ホント自分の真上で歌っててポタポタとTOSHI-LOWの汗が落ちてくる。終いにはTOSHI-LOWに(支えとして)頭を掴まれながら光悦の表情のまま拳を突きあげてました。幸せ……。


このあとにまたレアなシーン。
MCをほとんどしないTOSHI-LOWががっつりと10分ぐらい喋った。そもそもTOSHI-LOWが喋ったのを初めて見た気がするw
ライムスターに感化されて「ちょっと客弄りしようか?」とお茶目に言ったり、ライムスターを(愛のあるで)DISったり、某ZなイルスキルをDISったり、果てには「第三会議室」なんて言葉がTOSHI-LOWの口から飛び出したりで……なんかすげーモノを見てる気がw


コミカルなMCのあとはシリアスなMC。震災二週間後にライブをしたこと、そのライブハウス外でGOCCIと会ったこと、「来てくれたらよかったのに」と誘ったら「オレはいまLUNCH TIME SPEAXはやってないから」と返ってきたこと、しかし顔はラップしたいと思っていたこと。
今までになく長く続くMCはライブの歌と同じくらいに心に響いてきました。
みんなの心がひとつになったまま、最後に一曲(おそらく新曲)を歌ってアンコール無しで終了。


ライムスターもBRAHMANもレアモノづくしのライブでした。どっちも素晴らしかったけど個人的にはキングオブステージを魅せつけられたライムスターがヤバかった。『耳ヲ貸スベキ』が忘れられねーよ。あ、あと髪を後ろに縛ったDさんがイケメンすぎた。
いや〜、行って良かった。


歌ってる場合ですよ!