soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/07/24 Moonstruck Jamboree 2011 @ 服部緑地野外音楽堂

先週末はDOBERMAN主催の野外フェス・Moonstruck jamboreeに行ってきました。
モンパチがMCで苦い顔をしながらつぶやいてましたがメンツがとてつもなく「濃い」。
YOUR SONG IS GOOD赤犬カジヒデキScoobie DoMongol800、そしてDOBERMAN。うーん、色々な意味で濃い……。



会場となる服部緑地公園の野外音楽堂は初めて行く場所。
曽根駅から徒歩で20分くらいで到着(公園の最寄り駅は直結の緑地公園)。それほど日差しも強くなく気持ちよくウォーキング♪


公園に入るとどこまでも広がってる緑。大阪にこんな大きな公園があったなんて!知らなかったわー、一目見て気に入った!
開会宣言にはわずか間に合わず。広い公園を歩いているとしだいに一組目であるユアソンのアクティブなビートが聴こえてくる。茂る緑に音楽、最高の気分!
入るとすでに7割は埋まってる。意外と人入りはいいな。
今回のフェスはDOBERMAN赤犬以外は初見。どんなライブが見れるか楽しみ〜。

‪YOUR SONG IS GOOD

もっとゆるハッピーなインストかと思ったら、煽りまくりでめっさアッパーなヴァイヴ!アジテーションも多めで意外と歌いまくりなのね。楽しい〜。
下手ギターの軽快なカッティングが音も見た目もキモチイイ!キーボードによるフロア乱入もカマしてしょっぱなから飛ばしてます。
最後の曲で、全員カウベルやタンバリンなど打楽器を持ってのパーカスアンサンブルが始まったのが楽しかった!


※あとで、ゆるいイメージはspecial othersと勘違いしてたと気付くのです。


ユアソンのMCにてバラされた「フェス前日に打ち上げをした」という画期的な試みにより、出演者間のつながりが出来ていて、その結果フェス全体にハッピーな空気を生み出す効果あった気がします。
その一例としてライブが始まる前に、他バンドによる紹介前説。仕事でやってるんじゃなくて本当に友達を紹介しているような感覚で和む&アガる。
赤犬の紹介はDOBERMANのメンバーから「編成が変わって試行錯誤を繰り返している赤犬」……。この言葉をそのまま現実のモノとしたステージが始まるのでした……。

‪赤犬

赤犬といえば知るぞ知る人、どんちゃんさわぎの奇抜なステージングが有名な、ファンク・バンド。FUJIROCK'07にも(フンドシ姿で)出演したことがあるもののキーパーソンのボーカルが脱退してほぼ活動休止状態。最近になって再始動したわけですが……まさかの歌謡バンドになってる!迷走しすぎだろww
赤いスーツでビシッと決め、元ゲテモノのくせに紳士ぶるMC、ステップが微妙に踏めてないコーラス隊(元ボーカル×3)、関西的な悪ふざけを30分間を突き通しやがりました。
スタンド席まで歩いてってそこらへんの人と社交ダンスを踊りだしたり、ボーカルがBOOWY化したりのアホな世界。しかも基本はみんな真顔で徹底してるのが困る。
あ、でもボーカルがBOOWY化したあと、やることなくステージ脇に突っ立てたバイオリンが含み笑いをしながらバカを見る目でステージを眺めてたのには笑ったw


ユアソンが温めた空気をどん底まで突き落とす色んな意味で酷いライブ。音楽的な熱気はほとんどない。もうひたすらネタ。しかも、歌謡バンド化って過去の赤犬を知らないと意味がわからないニッチなギャグやんw
赤犬は一度終わったバンドと認識すれば「アホや〜」と爆笑しながら見れる。まぁ、当時の赤犬を期待してた人はショックがデカイと思う。


会場のウケはかなり良かった模様……。ノリの良いお客さんだ〜。

‪カジヒデキ

ちょっとここらで公園を散歩に。(出入りはフリー)
ステージ近くにある花庭園でまったりしてると、カジヒデキのスイートなサウンドが聴こえてくる。なにこの夢みたいなシチュエーション。DMCの「甘い恋人」も聴こえてきてうっとりしちゃう。


3曲目ぐらいで会場に戻ると、カジヒデキ、サックス、ドラムの3人構成のステージでした。ドラムはriddim saunterのTa1さんがスタンディング・ドラムで楽しそうに叩いてる。この人がいるとなんでもパーティーサウンドになるのかもね。その場で駆け足しながら叩いてるのがすごかったー。なんであれだけ下半身を派手に動かしてリズムキープできるの……。
カジヒデキ with riddim saunterの曲も2曲プレイ。


カジヒデキは意外にアグレッシブなアクションで飛び跳ねまくってる。
でも、無垢な表情だったり、足がピンと伸びてたりとどこか乙女ちっく。声もピュアすぎる〜。炎天下でシャツがびしょびしょなのに爽やかとかなんという40代。


アップテンポ曲ばかりの元気の良いセトリで、途中でDOBERMANのホーン隊をフューチャリングしたりと見所もあって良いライブでした。
なんといってもカジヒデキ周辺に漂うピュアな空気が印象的でした。ほんとにこんな漫画みたいな人がいるんだな……。

スイカ割り

タイムステージを見ると「スイカ割り(?)」と書いてる……んですがステージ上は普通に次のセッティングしてる。
前方のスタンディングゾーンの方を見るとなんかモゾモゾと動いてる集団が。もしかしてアレがスイカ割り?ほとんどの人が見れない位置で、対して歓声も挙がらないシュールなスイカ割り。ひでぇww

Scoobie Do

ファンク!ファンク!ファンカリズモ!
演奏技術はすげーし、歌はめっちゃキャッチー、そしてロックスターなボーカルのキャラに惚れた。客を沸かせるのが上手い!


バンドが一体となってここぞというところでビシッ、ビシッと決めてくる。
中でもギターがめっさカッコイイ。素早いカッティングになんども見惚れました。
スカっと騒げる楽しいライブ。ここでもドーベルマンのホーン隊をフューチャー。


最後にやったデビュー曲「夕焼けのメロディ」がハッピーなフェスにぴったり合ってて良かった。めっちゃ印象に残ってます。イントロを聴くだけで幸せすぎたこの瞬間を思い出して泣きそうになります。


‪MONGOL800

カジヒデキの前説。「次のバンドは大阪からやってきた……」→ポカンとなる客席→「すいません、沖縄です!」そこを間違えるかwカジヒデキおもしれー。


ということでモンパチ。Tシャツ率的にファン数は一番多かったかな?
とにかくステージに立つ三人の表情が印象に残ってます。落ち着いたすごく良い顔をしてる。とくにギターの笑顔に胸キュン。
インディーブームを引き起こしておいて、自分たちはメディアに過激にプッシュされるでもなく自分たちのやり方で音楽を続けてるからこその表情なのかも。


「あなたへ」「小さな恋の歌」はさすがの盛り上がり。良い曲以外の言葉が見つからない。
個人的に一番ぐっときたのは「神様」。ミドルテンポでじっくりと届けられる歌が胸に届きました。『こんな今の日本だからこそ』ではなく『いつも歌っててほしい』曲。


ちょい小言になるけど、カジヒデキが前説でダイブするなと言ってるのに無理にダイブするのはどうかと。
セキュリティも本気で止めに来てたし、それ以外の楽しみ方もできたんじゃないだろうか。案の定、ダイブして女の子を押しつぶして危ない場面が一度あった。

DOBERMAN

素晴らしいイベントを占めるにふさわしい熱気あふれるステージをカマしてくれた!和でスカな男臭いナンバーの連続。熱い!

二曲目、キラーチューン「紅い太陽」からボルテージマックス。客のスカダンスもしだいにステップも気にしてらんないてんやわんやの踊りまくりのダンスフロアに。


やはりキーボードのケンジさんの存在感がすごい。キーボードに片足をかけたあの姿勢で、うっすらと狂気を感じる笑顔で、キーボードを弾くまくる。もろにガン見してましたw
中盤でアコーディオンを持ってステージ最前でソロ。そこからスイッチが入ったように何度もキーボードの上に直立する決めポーズ。この絵がまたカッコイイんだ。


すんげー楽しそうにしてるボーカルも良かった。アンコールもかましての最高のライブ。アイリッシュなナンバーでもみんなで乾杯して楽しかった〜


最後にみんなで爆音を鳴らしてる時、ケンジさんがスピーカを支える鉄筋部分に足だけで支えて見下ろしてるのがかっこよすぎた。しかも、普通に降りるかと思いきや飛び降りるし。どこまでも絵になる人だ〜。


最後は出演者が総出でお辞儀。
ズラッと並ぶとバンドごとの印象がブワッと戻ってくる。ほんと濃いイベントだったなぁ。
19:00前、日が沈む前に終了〜。


出演者も、客も、スタッフも、音楽で楽しもうとするとてもポジティブなイベントだった。
震災に関するMCは一切無かったけど想いはものすごく届きました。


後ろの芝生フレーズでまったり見るもよし、客席からじっくりみるもよし、スタンディングで踊りまくるもよし、しかもどのスペースでもそんな人がぎゅうぎゅうにならない、出入りフリーのおかげで服部緑地公園で涼むこともできたし、環境も最高でした。
盛り上がるバンドばかりなのに、いままでにないくらい気を張らずに楽しめた〜。


最後の「業務連絡です。駐車場の両替機の小銭が切れたようです。物販は対応してあげてください」のアナウンスでもほっこりした。こういうの些細なことですごくいい気分になれるよね。
自然に囲まれたあの空間でスカ、ファンク、ラテン、メロコアネオアコ、歌謡(笑)を聴けるってすごい幸せ。


DOBERMANで汗をかいたあと、芝生にぶっ倒れながらBGMで流れるイージューライダーはたまりませんでした。



帰る前に公園をちょこっと散歩すると、頼りなくピノキオのテーマを吹く吹奏楽バンドやベンチでハモンドでを奏でるおじさんなど野外音楽堂の外でも音楽が溢れてた。良い公園だ、また来よう。


どのあとは緑地公園→千里中央→山田でスーパー銭湯のおゆばにゆっくり。早く終わるイベントはこういうことできるからいいね。