soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

あなたにとって「自分の人生に影響を与えた10曲」は?

Zephyr Cradleさんとこでやってる題目が面白かったんで自分も書いてみます〜。
「好き」とか「感動した」でなく「音楽人生」への影響、「音楽に対する考え方」をねじ曲げてくれた曲達をあまり深く悩まずにパパっと並べてみました。

人生で初めて曲名とバンド名を意識して聴いた曲だと思う。
1990年頃のまだCDが一家一台にあるとは限らない時代。我が家には親がゴルフの景品でもらってきたSONYのCDプレーヤーがありました。
幼稚園生だった自分が、親のCDラックから好んで聴いていたのはサーフィンジャケのBeach boysベスト。当時の時点で「God Only Knows」の良さに気付くはずもなく「Good Vibration」と「Surfin' USA」ばかり聴いてた記憶が。
これとビートルズベスト、アームストロングの「what a wonderful world 」が入ったコンピ、童話や次に挙げたようなクラシック、あと「みんなのうた」を4本分くらい録画したビデオを何度も見てました。幼稚園のころから娯楽の中心は音楽だったのかも。
一枚目から影響というより記念な一枚ですな。

タイプライターをタイプする音が音楽の中に入ったクラシック曲。
小さい頃は意識してなかったけど「音楽はなんでもあり」の考えが難なく備わったのはこの曲が原点にあるからかもしれない。あと「みんなのうた」の影響?
親に無理矢理連れていかれてとかでなく、初めて「自分が音楽を聴きに行くと意識したコンサート」で演奏されたのも覚えてます。なんの偶然か。
トランペット吹きの休日」と「そりすべり」も好きだった。キャッチーでリズミカルなのが好きなのは変わってないなー。

自分が大好きなミクスチャー、メロコアスカコア、ヒップホップはここから派生して染まっていきました。
この曲単体ってか収録されていた『Viva la revolution』の影響ですな。
友達とCDを貸し借りしたり、紹介しあったり、女子と音楽の話出来てやったーとかやりはじめたのもこのCD。
音楽を聴いてるとすぐに「YO!」「uh!」とかMCもどきを入れてしまうのもたぶんKJの影響。

洋楽の……いやCDそのものを買いまくるようになったきっかけ。
同じ道を辿った人は大量にいるかと思いますが、クレイジータクシーでこの曲にハマって『Ixnay on the Hombre』を購入。
解説ペーパー後ろのEPITAPHディスコグラフィや「パンクでスッポン(昔は良いサイトだった)」を参考に色々なバンド、ジャンルに手を伸ばしました。
音楽好きへの原点。

これも一曲ってか一枚。
インダストリアル(メタル)とか普通から外れた音楽に転がっていく土台を作った。
熱中してたSONIC ADVENTUREのテーマ曲集と間違えて買っちゃったCD。そこには攻撃的なデジタル音が鳴り響く、聴いたことのない音楽に溢れてました。
そこからすぐにインダストリアルへとシフトしたわけではありません。ライナーノーツに書いてたNINの『Downward spiral』を聴いてみたけど最初は全然良さがわからなかった。「まぁ、大物だからリズムはカッコイイんじゃない?」みたいに上から目線の感想を持ったりして。それから2年後ぐらいして聴くと……やべぇじゃん!っていう。
何年か置いて、知識(?)が付いたら音楽の聴こえ方が変わると教えてくれたアルバムでもあるかも。ってそれは『Downward spiral』か。その「きっかけ」を作ったCDですね。
今見直すと参加メンツがMeat beat manifestoskinny puppy、spahn ranch、NIN(のエンジニア)とゲームリミックスCDとしてありえないメンツ。
なお、取り上げた曲はドリムシを抜けたばかりのケヴィン・ムーアがなぜかデジロックなリミックスで参加しているというわけのわからない一曲。
おっと、いつものレビューみたいなノリの文章になってきちゃいましたね。

厨二よろしくいわゆるJ-POPを聴かずに洋楽、インディーズ、声優ばかりを聴いてた時期がありました。ゆえに2001〜2003あたりの日本の音楽は結構抜けてたりします。とにかくモーニング娘。が苦手だったんだっけかな?
メインストリームへの反抗心とかではなく興味が向かなかった。
でも、「天体観測」を聴いてJ-POPっていいじゃん。と戻ってきた。感謝してます。

高2のころやってたコピバンのスタジオ練習ではじめてカルタシスを感じた一曲。
全員が叫びまくって、飛びまわって、それこそ大好きなバンドのライブ時みたいに盛り上がった。
終わった瞬間「やべー、おれらやべー」と一瞬放心して笑顔で騒ぎまくった。けいおんの最後の学園祭と同じ感情の起伏ですよ。その瞬間の全員のポジション/ポーズ、マットの床の色もいまだ目に焼き付いてます。
バンドをやって早7年。今でもこの時の興奮を追い求めてる。

ぶっちゃけこのテーマならこの一曲だけ挙げて終わりでもいいんですがね……ってぐらいこの曲を聴いたときの衝撃は大きかった。
本気で「トランス」を体験して、音楽観をねじ曲げられたというか音楽を他の事象の一次元上のモノと認識するようになった一曲です。
友達の家の大画面ディスプレイでこの曲のPVに釘付けになりながら、エネルギーの塊のような音楽と次々とシフトする写真に完全にあっちの世界に飛ばされて「音楽ってすげぇ!」ってなった。完全トランス状態。
それ以来、音楽を精神世界やら(スピリチュアルな)パワーやらと結びつけるようになってヒッピー的な思考へと傾いていくのです。
Aメロ⇒Bメロ⇒サビからの脱却とかそういうレベルじゃない、「精神が爆発しつづけたり、理解を超える体験ができるんだ」と音楽という概念そのものが変わってしまった。

家庭崩壊とか人生でちょいやばい時に部屋にこもって血を吐くほどこの曲で叫んで人生を救ってもらった。
これが無かったら色々とパンクしてた。人生への影響という意味では一番大きいのかもしれない。
「音楽は人を救う」とかを本気で信じちゃうのはこれが原因。
俺は一度救われてます。

311の震災からの異常な精神状態から戻ったのはこの曲がきっかけでした。
日本を包み込む刺々しい空気に心が荒んで、毒とか吐きまくりそうになってた時、なんとなくみたライブ動画でのBOSSの言葉がめちゃくちゃ身に染みて「こんな時に攻撃的になってどうする」「俺まで落ち込んでどうする」と思い直した。「伝わるか伝わらないかなんかは関係ない 伝えようとすることを今も俺はあきらめない」。このラインを聴いた瞬間は身体の中で何かがハジけたのを覚えてます。
ここから回復して闇鍋音楽祭七尾旅人ソウル・フラワー・ユニオンのライブでほぼ完全に立ち直るわけです。


後半になるにつれ、音楽をただ聴いて楽しむだけでなく、精神を解放するだの、感じるだのようわからんことになっていきますな。書いてる本人わけわからんです。
「新しい音楽(ジャンル)に出会う」を何度も繰り返して当たり前になったから、「音楽を通じて新しい経験に出会う」へと変わっていってるのか。
今後も飽きることなく人生に影響を与えるような経験をしていきたいですね。
わけわからん経験させてくれるから音楽が好き。