soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/09/23 SKATERS NITE 6 @ 名村造船所跡地

EGO-WRAPPIN’ & THE BiKiNi BaNDitS(ジャズ歌謡)、YOUR SONG IS GOOD(ファンクロック・インスト)、眠眠眠 a.k.a neco眠る(お祭りダンスロック)、GOMA(ディジリドゥ)、SAWAGI(ダンスロック)、韻踏合組合(ヒップホップ)、日本の宇宙(ミクスチャー)、KING BROTHERS(ロックンロール)、RISE FROM THE DEAD(ハードコア・パンク)。
出演バンドが統一感ゼロのイベント。でも最高のバンドが集結してる。
16時から22時までの長丁場音楽祭。フルに楽しんできました!


なにやら10年ぶりに復活したイベントらしいです。
イベント名の通りステージ外にはスケボーゾーンが用意されており、コンペティションやスケボー講座が行われていました。


15時に到着するとステージはDJタイム。オールドロックやレゲェをプレイ。
「お前らに興味ないんじゃ、ボケ」と暴言を吐きながらも、最初はまったく人が寄り付かなかったフロアにしっかりと人を呼び込み、温めてた。DJってすごいなぁと思ったしだいです。

Sawagi

一組目から大盛り上がり必須なバンド!


『HYPER RESCUE』『SUPER CITY』『MOTOR POOL IS NOT DEAD』『ibiza』『mitoleの新曲』『新曲?(コイチさんがボコーダーで歌ってた)』の鉄壁なセットリスト。
これで盛り上がらないはずがない!ってか初っ端の『HYPER RESCUE』から会場は踊れや騒げやのテンションMAX状態。
ハードコアと和とダンスロックが合体した『mitoleの新曲』はホントにカッコイイなぁ。最初のリフからドーパミンがドクドクと出てくる。


一発目見事に熱気100%でオーディエンスのペース配分を存分にかき乱してくれた〜。
ちなみにsawagiのメンバーは客としてイベントを楽しんでる姿を会場内の至るところで見かけました。

日本の宇宙

韻踏合組合のHIDAさんのバンドかな?
2MCによるラップ + ラウドなギターのバンドサウンド。Kid Rock、shootyz groove、Quarashiなどが活躍した2000〜2003あたりを思い出させる懐かしいサウンドでほっこり。
即席ミクスチャーのモノマネレベルで止まっておらず、なかなかグルーヴィー&ヘヴィなギターフレーズが飛び出したりでよかった。
ただサビがなんだか……なのはメインユニットと同じでご愛嬌か。

rise from the dead

ブラストビートも飛び出す生粋のハードコアバンド。OUTOとSxOxBの元メンバーも在籍しているらしい。
いや〜、ハードです。ホンモノのコワモテ・サウンドです。


昔のチ・チェン(Deftones)みたいな長いドレッドのベース、やってる音楽に反して学校の先生と紹介されてたギター、「DUBSTEP is Dead」とプリントされたイカしたTシャツを着てたドラム。なんか妙なところで印象に残ったバンド。
ラストはマイクを客席にブン投げ。そのとき自分はうつむいてたからこっちに飛んできてたら危なかった……。こえ〜。


ちょっと前までSAWAGIで楽しく踊ってたふたつあとにコレって……ほんとにカオスだな、このイベント。
許容範囲だったお客さんは少なかったのかモッシュはほとんど発生せず。


持ち時間30分なのに15分くらいで終了。おかげでキツキツなタイムテーブルが大きく巻き進行に。さりげなくイベントで一番のファインプレイを見せてのはこのバンドかも。

韻踏合組合

3MC+1DJのスタイル。MCはHIDA、ERONE、SATUSSY。


トータルで見てもHIDAさん個人で見ても日本に宇宙に比べてこっちのほうがラップが生き生きとしててカッコ良かった。ガツガツと刻み込まれるラップは聴いてて爽快。特に巨体のERONEがクールにラップする姿がヤバかった。
でもMC(トーク)になると滑り気味の気の抜けた空気になっちゃうのはある意味この人達の個性/魅力。
やってることはガチのヒップホップなのにギャングスタ臭でなく関西人なキャラが立ってしまうのに親近感湧く。


面白かったのはHIDAが言ってた「サイプレス・ヒルスペイン語ラップを聴いてたら大阪弁に聴こえてきた。なら逆に俺の大阪弁ラップもスペイン語に聴こえるんじゃないか」。その発想は無かった。


ライムスターの『フラッシュバック・夏』をカバーする嬉しいサプライズも。
原曲の肝になるMummy-Dの「長い長い長い長い」は一回目そのまま、二回目は「ヤバいヤバいヤバいヤバい」に変えてたのが韻踏合組合らしい。

GOMA

アコースティック・ディジリドゥ一本吹き。
ドローンとも違うディジリドゥでしか成せない深い音。
ときおりノン・デジタルとは思えない不思議な音が聴こえてくるのが興味深かった。


目を閉じるとWMPの視覚プラグインみたいなビジュアルが見えてくる。絵の活動が始まって音と映像がコネクトしやすくなった気がします。そして見える映像はGOMAさんの手の動きに合わせて変動する。不思議な感覚。
終盤はバランス感覚がなくなるぐらいに音の世界に入り込んで、ディジリドゥが静まった時は身体の奥底が温泉に入ったあとみたいにポワポワしてた。


演奏が終わった後はメモを見ながらのMC。
物販で話すともっと普通そうなのにステージ上では壊れそうなほど不安そうに話してたのが印象に残ってる。
交通事故による脳損傷から約2年。またステージに立てたこと、支えてくれた周囲への感謝を涙ぐみながら話す姿に心を打たれました。観に来て本当に良かった。


KING BROTHERS

西宮の狂犬。キング オブ ロックンロール。四人編成になって初見。


ステージに出てくるやマーヤとケイゾウのギター二人が背中を向けてアンプの上に仁王立ち。かっこ良すぎる……。下ではシンノスケが人間離れしたのけ反り姿勢でベースをかき鳴らしてる。映画のポスターも顔負けの最高の絵。もうこの時点で満たされたました。


そして紡がれ始める最凶のロックンロール。ノイズギリギリまで荒い音になったギターがたまらない!
最初は右のケイゾウ側にいたけど、反対のマーヤがあまりにカッコイイ動きをしているので速攻で左へ移動。もうマーヤの動きひとつひとつが絵になりすぎてヤバい!
だいぶ高い位置にあるDJブースから開脚ジャンプしてきたときはあまりのカッコ良さに絶叫した。


二曲目『マッハクラブ』でのマーヤのアジテーション部分は早口でよくわからないことを叫びまくる。今日のマーヤは笑顔が目立ってとにかく機嫌が良さそう。
『XXXX』でモッシュに突っ込み『space ship』の珍しくキャッチーなサビに合わせて思いっきり拳を振りあげ……正真正銘のロックンロールを楽しみまくってました。


ただ暴れまわるだけなくスローテンポの『ロマンチスト』ではグッとくる演奏を聴かせてくれる。
マーヤは相変わらずすごい動きをしてるけど音を聴くとすごく繊細な音を奏でてハッとした。後半の爆音部分で一回ギターを引くたびにこっちに中指を立ててくる仕草にまた胸キュン。


ラストの『ルル』ではフロアへダイブして転がりまわり8〜10人に担がれてフロアの真ん中まで到達するマーヤ。そのまま360℃回転→コードの関係で逆回りで爆笑を誘い西宮コール。
もうフロアは半狂乱。自分もマイクのコードを支えながらアホみたいにテンション上がってた。
そして担がれたままバックでステージ前に戻ってきたかと思うとゆっくりと前に倒れてまたクラウドサーフ。うおおおおお!!


本物のロックンロールとはこのことか。最高だった。
このうえなく凶暴な音なのにフロアは笑顔で溢れてたのが印象的。ロックンロール!

EGO-WRAPPIN'

この日一番の人気でフロアはパンパン。ちょっと遅れて入ったら後ろの方からしか見れませんでした。


うーん、どうもエゴラッピンの良さは理解できてないなあ。お洒落すぎる。
ぎゅうぎゅう詰めで体を揺らしたりもほとんど出来なかったし、良恵さんのキレのあるダンスもあまり見れなかった。
サイコアナリシス』はおっと思ったけど……期待しすぎた?

YOUR SONG IS GOOD

セッティングが長くて、一曲目もスローバラードでイマイチ……。
と思ってたら二曲目からパーティチューンの連続!SAWAGI、キンブラに負けない楽しいモッシュで笑顔が咲き乱れる。


「やる予定はなかったけど歌いますか」の一言から始まった『LOVE SONG』。大好きな曲なのでめっちゃ嬉しかった。
ラストのパーカッションと手拍子の掛け合いもやって大盛り上がり。


もう踊るのが楽しすぎて、ステージがどうだったかとかはしっかりと覚えてない。でもとにかく楽しかった!

眠眠眠 a.k.a neco眠る

ライブ活動休止中neco眠るが特別編成で一夜限りの復活。


次々と繰り広げられるお祭り騒ぎのneco眠る節!
『SUN CITY’S GIRL』が始まった瞬間の高揚感は半端無かった。
長丁場イベントの最後だというのにフロアもまったく疲れを見せずに自分の踊りで踊り狂ってたました。
もちろんみんな笑顔。復活に感極まったのか泣いてる娘もいてもらい泣きしそうになりました。


十島NANI(zuinosin,bogulta)と和田慎二(巨人ゆえにデカイ)の最強ツインドラムによってボトムの音が相当にぶっとい!
ただ叩いてる姿がライトとフロントのギター二人で見えにくかったのが唯一の心残り。ベースは前のギター二人を立てたのか若干おとなしめでした。


特別編成だからか森さんが曲の入りで思いっきりミスったりと演奏がズレる部分はけっこうあった。
けどそれも強引にねじ伏せて踊らせるグルーヴ……いや、空気がありました。バンドも、オーディエンスも何かに当てられたようにハイテンションにあの30分間を楽しんでた。


最後に演奏された『ENGAWA DE DANCEHALL』は当然のごとく大盛り上がり。入りのツインドラムは凄かった……。こりゃいいや!
ドラムソロ(バトル?)部分も迫力が半端なかったです。


「ちゃんとアルバムを作ってまたライブします」と言ってたけどneco眠るとしてだろうか?それとも眠眠眠として?


今回のイベントのラインナップはカオスだけどよくよく考えると全て関西にゆかりのあるバンド(YSIGはよくしらないけど)。
今は上京したけど大阪発であることを忘れないSawagi、関西弁でラップする韻踏合組合、西宮から叫び続けるキンブラ、関西に帰ってきて奇跡を見せてくれているGOMA、心斎橋クアトロの最後を飾るEGO WRAPPIN。
その最後にneco眠るが待っていた並びは反則モノだと思う。



Sawagiからneco眠るまで騒ぎ倒した!
とにかくポジティブな気分で楽しめたイベントでした。
終盤はもう笑顔が顔に張り付いて気持ち悪いことになってました。
ここのところ良いライブ続きだったけどSKATERS NITEは特に良かった!



キンブラneco眠るの二組は会場全員の想いが「楽しもう」に向かっていた最高の空間でした。
マーヤがMCで「今日は誰も傷つかない、みんなが楽しみたいと思ってる!そうだろ?ロックンローラー達よ!」と言ってたけどまさにそのとおり。とにかく「楽しかった」!