soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/02/11 Incapacitants vs Solmania @ 難波ベアーズ

非常階段メンバーの美川さん+小堺さんのインキャパと世界で最も歪な形をしたギターを操るソルマニア。ベテランでいて現在も最凶のノイズバンドの対バン。こりゃ行くしかないでしょう!「耳死ぬかも」という覚悟で行きました。


開場時間ぐらいにベアーズ前を通ると珍しく列が出来てる。コンビニで酒買ってから戻ると中はすでにいっぱい。こんなに混んでるベアーズは久しぶり!

Solmania

ステージ床に大量のエフェクターが準備されてる = 一番手はソルマニア。


戦車も倒せそうな改造ギターから少しづつ音が紡がれる……も開始5分にアンプトラブルでストップ。
エフェクターの調子が悪かったらしくベアーズのスタッフと原因を探る様子が「あーだこーだ言いながら工作する少年」みたいで微笑ましかったです。


ほどなくして復活(&客からの拍手)。ここからの立ち直しが素晴らしかった。
ジリジリ唸るノイズの中、大野さんが宇宙と交信してるようなフレーズを創り一気にノイズ宇宙へとワープさせてくれた。お見事!
次第に強まる轟音。カツミさんはデカイ図体を重みのある動きで振り回しながらノイズを撒き散らす。途中フロアに突っ込みそうになるくらい気合入ってました。
この”動”の部分はカツミさん(かな?)の放つ、エネルギーが上下するような「ギュイーン」って音が気持ちよかった。


後半は音の密集度がちょい低くなって宇宙をフワフワ漂ってるようなノイズへ。
大野さんの「ギャーっ!ギャーっ!」と豆を入れたザルにエフェクタをブチかましたら出そうな音をアップ、ダウンストロークと変えながらが一定間隔で弾くのがクソカッコよかった。
その後ろではカツミさんがギターから付き出したマイクで綺麗なノイズを出してた。絶妙なコントラスト。


この日のソルマニアで連想したイメージは「宇宙」。交信音→隕石の間を飛翔するような圧迫感→宇宙と同化していくようなねっとりした轟音。構成がわかりやすくて楽しめました〜。


ちなみにエフェクター数は二人で40個だったらしいです……。


Incapacitants

思ってたより短いセッティング時間で工場が似合いそうな中年おっちゃんが登場。しかし鳴らされるのは凶暴すぎるノイズノイズノイズっ!


自分は小堺さん側にいました。メインで弄ってた(振り回してた?)のがKAOSSILATORやMini korgといった見慣れたものだったのが意外。でも出てくる音は知ってるのとぜんぜん違う凶悪さ。
震えながら、ときに逝きそうになりながら。でも使ってる機材はかわいいってのがアンバランスで可愛くもあり、怖くもあり……。
美川さんはほとんど見えなかったんだけど、チラッと見た時はマイクを口に加えて両手を広げて客を威圧するような動きをしてました。ヤベェ。


インキャパは動きと音の連動がよくわからないのが個人的に難点かも。缶に付けたマイクに向かって思いっきり叫んでるのに音の違いがよくわからなかったり。ソルマニアもその傾向があるけどインキャパはさらにわからない。


しかしフロア前まできて煽ったりと、激しくなる両者の動き。フロアも徐々に抑えれなくなってパワーを発散するように身体を揺すり震わせる人が多数。
ぶっちゃけ構成とかよくわかなかったけどとにかくずっとノイズが鳴ってた。それが次第に凶暴に聴こえてきた。自分がわけもわからず高まっていくのを感じる。
そのピークで小堺さんが機材を大量に置いてる台を天井に掲げ、地面に投げ捨ててライブ終了!いやー、すげーもん見たわ。


濃度100%のノイズ二組で耳がヤバいことになってます。各バンド40分ほど。たっぷり爆音を浴びた。
VSということでどっちが良かったか判定すると、台持ち上げパフォでテンションが限界点突破したインキャパ……とも考えたけど、全体の構成が興味深かったソルマニアに一本かな。

ギブミーファッキンノイズ!