soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/03/17 週末と音楽vol.1 (島田温泉、mujika easel、丸尾丸子) @ R公会堂

関西ライブ情報でいつもお世話になってるおとうた通信さんで最寄りの駅にライブスペースが出来たとの情報を発見。知ってるアーティストゼロだけど面白そうだから行ってきましたー。



時代を逆行した商店街。薬屋や服屋など普通の店もあるけど怪しい中古屋やビデオテープを部屋一面に張り巡らせたアートスペース、アトリエなどそこはかとなく漂うアヴァンギャルド臭。家から徒歩15分ほどにこんな場所があったとは知らなかった……。


R公会堂はその一角にあるMAX15人ほどの小さなライブスペース/カフェ(?)。昔は「はにほへと」という店名で似たようなことをしてたらしく奇妙礼太郎さんとかも来たことがあったみたいです。
壁も天井も備品も木材がメイン。照明も淡くて茶色の色調で充満している空間がとても穏やかな気分にさせてくれました。
灯油ストーブが置いてあったり、棚に年代物のカメラが置いてあったり、針金で作られた人形が窓際で踊ってたり……と不思議な空間。毒気ゼロのムジカジャポニカみたいな?店長は美人さん。



客数はスタッフ/出演者入れて14人(だったかな?)。
アンプ設備はないので全編アコースティックのライブがスタート。

丸尾丸子

女性シンガソングライター。難波ベアーズコンピ「ベアリズム」に参加してるそうです。


口琴(口に入れてビョーンって音が鳴るやつ)を使った簡単な曲をやってからアコーディオン+歌のスタイルへ。
キャッチーなメロディを持っているわけでもないのになんだか気になる音。
美声や母性がすごいわけでもない。なのに不思議と惹きつけられる魅力。フェードアウトしそうな小さな声が印象的。
ベアリズムに収録されている『瓦礫の上』が特に気に入りました。


形容は難しいけど気持ちのいい音楽でした。


島田温泉

アコギ+歌の男性ソロ。
ギターも歌も耳にとても気持いい旋律。軽快でいてこじんまりとした穏やかな歌。
この曲を持ってたから旧・はにほへとの「そうめん温泉」というイベントに呼ばれたという『そうめん』や今回のイベントの主催・森田雅章の持ち歌『カレーの歌』のカバーなどを披露。
一番良かったのは『君が小説を書くなんて』。すごくいいメロディ。曲を作ったきっかけが「好きなアイドルが急に小説を描き始めて変な方向に行ってしまった」という残念な理由って前説も吹っ飛ぶほどに良い曲。


すーっとメロディが身体に染みこんできて今回のライブで一番好きでした。


mujika easel

女性ソロで声のみのライブ。聴こえるか聴こえないかぐらいの声で紡がれる歌。フランス語?
途中から主催・森田雅章iphoneで耳鳴りのような高音波をこっそり差し込んで、丸子丸尾さんのアコーディオンも合流。高音波が気持ちよかった。ただmujika easelさんのアクト自体はどことなく準備不足感も……。


色々とグダってから三人で即興セッションすることに。
ここでも島田温泉さんのギターが良かった。耳に残るフレーズをうまく展開していく。この手の即興でアコギであんまり聴いたことなかったから新鮮でした。


途中はグダグダになったけど最後は面白く終わった。



淡い色調の空間と穏やかな歌。強烈になにかを残すライブではないけどしんしんと暖かさが胸に積もっていく心地いいひと時でした。
地元だし面白そうなイベントやってたらまた行こう。


ゆるい雰囲気が良いイベントだったけど告知はしっかりやっておいて欲しいなぁと。直前まで正確な時間や本当にやるのかもわからなくて不安でした。