soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/07/06 Palais Schaumburg @ CONPASS

DAFと並ぶドイツの伝説的バンド、パレ・シャンブルクが28年(?)ぶりの再結成、そしてまさかの初来日!レジェンドをひと目見ようと行ってきましたー。
ラインナップは1st発表時のオリジナルメンバー。つまり奇才ホルガー・ヒラーやトーマス・フェルマン(The Orb)が集結するということです。


客の平均年齢層は高い。大学生くらいの人もそこそこいました。高校生はさすがにいなかったかな?


あっさり登場したメンバーはオーラ出まくり。特にホルガー・ヒラーの鼻の高さと堀の深さは見惚れてしまいます。体型もみんな引き締まってる。
ドイツ人らしい神経質な感触の音を鳴らしてるけど、ニコニコと笑いながらMCをしており曲演奏中でもメンバー間で普通に話してる気の抜けたゴキゲンおじさんズ。


日本のファンのことを考えてドイツ語じゃなくて英語で喋り、一曲ごとに曲の説明をしたりとがっつりファンサービスをしてくれる。
英語が通じないのと客の棒立ちに苦戦*1してたようだけど嫌な顔は見せず笑顔を振りまいてました。




メンバーも結構な歳*2なんで落ち着いたライブになるかと思ったら踊りまくり!
ホルガー・ヒラーのヘンテコなステップは冴えてるし、ベースのティモも派手にスラップをかましながら奇妙な動き*3を連発。
トーマス・フェルマンは仙人もしくは科学者を思わせる知的な風貌をしてる。と思ったら扇子を優雅にパタパタさせ、時にはメンバーにも風を送ったりとさりげなくアホなことをやってる。仙人は仙人でも亀仙人の方でした。
好き放題やってる前3人の後ろでドラムのラルフは着々とリズムをキープ。
みんな本当に良い歳の取り方をしてます。




演奏は絶妙なヘロヘロ具合。下手なんじゃなくて「気の抜けた空気」が充満してる。
チューニングを何度かやってたけど意味あるのかってぐらいに常識じゃ考えられないヘンテコな音が絡みあってる。それが妙に癖になります。引っ張っていくのは極太のベース。かっこよすぎる〜。


シリアスに一曲目やったと思ったら「ごめん、ベースの電源入ってなかった(笑)」と最高に気の抜けた告白。
どこまでもヘナチョコ。でもドイツならではの怖さ……というか神経質なところも存在する。特に『Kinder der Tod』などの緊張感はピリピリしてました。
あと、トーマス・フェルマンのトランペットがむちゃくちゃかっこ良かったです。『Deutschland kommt gebraunt zuruck』とか悶絶ものでした。


本編ラストの『Telephone』は大盛り上がり。おとなしくしてたフロアもついに爆発。声を出し、腕を挙げて踊り出しました。
中盤の掛け声部分では右半分の客に「テーレフォーン♪」左半分に「ブルーメハルター♪*4」をコールさせるのが楽しすぎた。
あとギターの音がクレッシェンドしていくアレンジが施され、かなり長めの演奏でした。


大いに沸かせて一旦退場。アンコールの拍手に即答えて『Wir bauen eine neue Stadt』(2分ぐらいで出てきた)。ブイブイなりまくりのベース、色付けするトランペット。これもスゴイ盛り上がり。
トーマス・フェルマンのトランペット一吹きで終了、とCD通りながらもあっけない終わり方にまだアンコールの拍手。


すると1分後には再登場。「やるつもりはなかったけど」と『Madonna』がスタート。中盤のベースが突然に奇々怪々なフレーズを弾くのが癖になる。最後まで良い勢いで押し切りました。




予想のはるか上を行く現役感。
ライブ行った人達はみんな度肝を抜かれたと思います。「28年ぶりに再結成したバンドのパフォーマンスではない」と。


めちゃくちゃ楽しかった〜。ラストの派手なファンクビート3連発はヤバかった。メンバーも楽しそうでした。


最近行ったライブの中では音量小さめだったけどまったく気にならなかった。音圧でごまかさないモノホンの音楽。
レジェンド系アーティストのライブは興奮と重みが段違いですね。


*1:「もっと踊ってもいいんだよ。踊り方わかるだろ?」と呼びかけたあとしばらくホルガー・ヒラーとベースが踊ってる謎の時間あり

*2:例えばホルガー・ヒラーは55歳

*3:左手をネック上でスライドさせるのに合わせて右手を意味なく交差させたり、その場でピョンピョンはねたり

*4:ドイツ語コールは難易度高いっす。聴こえる風に適当に