soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/04/18 GOMA&The Jungle Rhythm Section フラッシュバックメモリーズ4D-完全再現ライブ @ 梅田AKASO

GOMAさんを追った映画「フラッシュバックメモリーズ」の3D映像の前で生演奏しようという試み = 4Dです。


3Dメガネもちゃんと配布されて3Dで上映。むしろライブハウスは映画館の3D強度の規制が適応されないので、映画館以上に飛び出してるのだとか。


40分前に到着してガラガラだったので集客が心配だったんですが、案の定始まるときにはAKASOいっぱいの客が集まってました。客層はライブ!って風な人より映画を見に来てる感覚な人、年配の人が多い。


メンバーが登場してから映画がスタート。GOMAさんがディジュリドゥ奏者として活動を開始した当時の映像がバックのスクリーンに流れる。10年以上前の映像を真剣に見るGOMAさんの背中が印象的でした。
映画の演奏は、我々の目の前にいるバンドが完全シンクロして再現。
ドラムのカウントが映像と100%同期しててビックリ。周りの人も驚いてました。冷静に考えればクリック使えばあたり前なのかもしれません。でも本人たちのライブ映像と同期するライブ演奏なんて前代未聞なので何もかもが初体験だったのです。
GOMAさんと辻コースケさんの髪型が昔の映像と目の前にいる今とで入れ替わってるのもなんだか面白い。これも今と昔が同時に見えないとわからないもんなぁ。


いつものGOMA&JRSのように踊り狂うわけではなく、映像と音をしっかりと味わいました。
曲が終わると大きい歓声が上がるのを聞いていると、動きが少なくても心は大いに盛り上がってるのがわかります。


テンポが走ってしまうことは許されない=リミッターをかけての演奏。そんなことからアッパーな曲より「Wooden Mask」や「URAN」などジワジワ盛り上がる曲が良かったです。
特に事故を振り返るシーンで使われる「Wooden Mask」はバンドもフロアも集中力がハンパなくてすごかったです。


興味深かったのがGOMAさんの動きはところどころ映像とシンクロしていました。
映画でブレイクダンスをしていればGOMAさんも踊る。映像で腕を上げれば生身も腕を上げる。これを記憶がなくなるという逆境と戦って覚えたのか、それとも記憶を通り越して身体が自然とそう動いていたのかはわかりません。ただどちらにせよ人間の凄さを感じられるにはいられませんでした。


また生の”今の”GOMAさんがすごく楽しそうにライブをしていたのが印象的でした。ダンスをしてるときなんかすごい穏やかな顔で笑ってる。フラッシュバックメモリーズの演奏は気迫をビンビンと感じて素晴らしい。けど”楽しそう”って空気は希薄です。
それが今のGOMAさんはすごく楽しそうにライブしてる。辻コースケさんもめっちゃ笑顔を見せてました。そのことがただただ嬉しかったです。


映画も後半に突入。事故から立ち直っていくGOMAさんの力強い言葉に合わせて、客もだんだんと歯止めが効かなくなってきました。腕をあげて身体を揺らして興奮してるのがすごく伝わってくる。普段のGOMA&JRSのライブの理性が飛んでしまうノリとは違い、曲の重みをしっかり受け止めての盛り上がりだった気がします。
映画の中で”今”を表す時間が映った時にフロアも最高潮の盛り上がったのはこの日のハイライト。あの場に居れてよかった。


メッセージと演奏がシンクロしてどんどん強くなってピークのままライブと映像が終了。
最後は画面を見ながら吠えるようなディジュリドゥの最後の一吹き。ここも映画とシンクロ。画面とリアルのGOMAさんがお互いに向けてディジュリドゥを伸ばしてタッチしようとしてるように見える不思議な感覚に陥りました。


アンコールもあり。ここでは新曲をふたつ。前からひとつ増えてる!確実に前へ進んでます。どちらも重みのあるテンポの曲。めちゃくちゃいいぞ!


アンコールでのMCも心打たれました。「誰にでも起こりうることだからそのことだけはしっかりと覚えていてほしい」という言葉は忘れられません。
GOMAさんが復活した当時の言葉は周りへの感謝と自分の現状の驚きが中心でした。今は「自分が何をしたいか」をはっきりと伝え始めた気がします。前を見据えてる。


映像の3D具合に関しては、ステージに近すぎたのか残念ながらあんまり感じられず。もしかしたら後ろで見たほうが4Dを体験できたのかもしれません。そのことに後悔が無いと言ったら嘘になるけど、それでも大満足のイベントでした。