soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2016/12/22 七尾旅人 @ 味園ユニバース

f:id:soundwing:20180428160501j:plain


クリスマスシーズンの七尾旅人ライブはナニカが起こるというジンクス!やはり今回も!


暗めの照明のユニバースでクリスマスな感じでした。
ダンスフロアにアルミシートが敷いてありました。後方にはソファが用意されている。みんなゆったり座っててライブを見てました。家と同じくらいに居心地よかった~。


<歌の大事故>と称された今回のイベントですが、”大事故”なんてレベルじゃなく”カタストロフ”が起きてました。
一人の女の子に95%ぶっ壊されて、残りの5%で奇跡を見た。ある意味生涯で見たライブのなかでも一番トンデモなかった。やっぱクリスマスの七尾旅人ライブはナニカある!




一曲目で女の子をステージに挙げたんですがこの子(あっちゃん)がとんでもない爆弾娘。
スマホサンプラーで電話SEを押してもらうはず……だったのに他の楽器のも手を出したり、後ろの風船を蹴散らしたりと自由奔放。開始10分でせっかく用意したステージのセットがぐちゃぐちゃに(笑)


あとで使う予定だったWave Drumもあっちゃんの気を引きつけるために早くも披露。しかも興味無さそうなあっちゃん;
10秒でその場に合わせる七尾旅人の適応力ですら、5秒以内に新しい遊びで暴走する少女には手こずってました;


電話のベルがエコーをかけると魔法の音みたいになって”うわぁ”と感動。でもそのあっちゃんが大暴走で感動もどっかに飛んでいきました(笑)
20分ほど暴走したあっちゃんが退場してしっかりした(?)音楽ゾーンへ。


『Billion Voices』以降の曲はほとんど無し。初期曲とクリスマス・ソングが中心。
「エンゼルコール」とか超レアな曲も。「萌の歯」とか「ガリバー2」も期待したけどさすがにありませんでした。いつかやってくれないかな~。


クリスマス・ソングはカバーだったり、クリスマスをテーマにしたオリジナル曲だったり。クリスマス縛りでこんなにレパートリーあるのかと驚きました。
旅人さんのクリスマスソングはさだまさしの「遙かなるクリスマス」に近いモノになるなぁ。幸せと残酷な現実の表裏一体。


そしてメディアとしては最新作の『兵士A』の曲も。映像だとコンセプトから切り離すのが難しく、ずっしりくるけど単曲で聴くと「兵士Aくんの歌」はシンプルにめちゃくちゃ良い曲だな、と。メロディも展開もハッとなるほど素敵。
「星に願いを」カバーの中盤では色んな惑星を表現して音やエフェクターをイジってたのが面白かったなぁ。


終盤にあっちゃんリターン。
「ローリンローリン」「メモリーレーン」という名曲たちですら破壊し尽くすあっちゃん。けっこう遅い時間なのに眠くなるどころか凶悪になって帰ってきてやしないか?(笑)


とにかく暴走するあっちゃん。
でもシャウトがすごい。旅人さんが歌ったフレーズを1.5倍のパワーで返してくる。マーヤとセイジさんの掛け合いにすら見えてきた。
旅人さんに後ろから支えられながら椅子の上でJames Brownばりのシャウトをキメるシーンは映画の名場面を見ているようでした。


正直9割はあっちゃんに破壊されたライブだったとすら思います。
でも残り1割は奇跡をみた。あっちゃんが絶妙なタイミングでエフェクタを踏んじゃったり、蹴り飛ばした風船が宙に浮かぶタイミングが映画のように完璧だったり……。
最高の10秒のために他のモノを捨てるようなライブでした。