soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

syn-co-pa#11 / 安心な僕ら


男性ボーカルのオリジナル・ミニアルバム。4曲入り。


変わらずのメガネ男子ポップス。
まったりするアンニュイムード、優しい声で歌われるグッドメロディ、安易なテクノポップでは終わらない(ソフトな)ロックなビート感にドリーミーなフレーズ。
変化球は狙わずに「安心な僕ら」がストレートに出た作品。もちろん良作。このサークルにしては比較的ノリが良い……というか素直なアプローチです。
そこらへんが、スーツでピシッと決めた自信満々なメガネ男子のジャケにも反映されてるのかな?

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①ドリーミーなシンセとポップな歌。心がほっこりする歌メロがたまらんです。またゲスト参加されてるいずみあやさんのコーラスが素晴らしい。かすれるようなコーラスとシンセがフワフワと浮いているアウトロは夢のような優しさ空間。「音」というクリスタルを通して「声」という妖精をみている、そんな「透明な感覚」を覚えます。いきなり良曲。


②この曲はボコーダーパートとノーマルボイスが一曲で混合してる。もしかして初めてかな?サビ後のわずかに中東を感じるウインドシンセサイザー(?)が哀愁を帯びててノスタルジ〜。良い意味で足元がふらふらしてるリズムも心地よい。


③フル・ボコーダーで安心な僕ら流ドリームポップです。いや〜哀愁とポップが共同したメロディが最高。そして歌詞がまた素晴らしい!なんたっていきなり「しばらく前に思い出せなかった 探偵なんて開業した最低な友人のこと」ですよ?吸引力抜群

言葉選びが小説っぽくて「歌らしくない」のですが、ボコーダーで歌詞を聞き取れなくすることで違和感なく聴かせるという面白いアプローチになってます。


07の一曲目をノリの良いテクノポップにリミックス。リミキサーは溝口哲也さん。跳ねるジャズピアノで晴れ晴れとしてノリを生み出し、ラップサンプリングまで入れちゃう。そしてドシッと構えてる良メロ。後半のハッピーな空気は幸せすぎて泣けてくる。原曲が好きな曲なのでリミックスしての再収録は嬉しいです。

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サークルの色を素直に出したメガネ男子ポップス集。
素直さゆえインパクトは弱いですが、間違いなく良曲ばかり。


まったり、アンニュイ空気ってのはこのサークルの特徴であり魅力だと思いますが、アンニュイといっても気怠げな空気というより、メガネ男子的な頼りなさ/華奢といったイメージへと結びつく。
聴いたことない人は「メガネ男子ポップスとは何ぞや?」と思うかもしれませんが、これは紛れもなくメガネ男子ポップス。聴いたら思わず膝を打つこと請け合いです。