soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/09/20 ZAZENBOYS @ 梅田クアトロ

4年ぶりに新譜〈すとーりーず〉をリリースしたZAZENBOYS
前作のから<すとーりーず>のあいだに何回ライブ見に行ったんだろう。10回ぐらい?
どんどん曲は成長していくけど新曲も聴きたい……と思っていたので今回は待ちに待ったレコ発です!
チケットはSOLD OUT。でもそこまでぎゅうぎゅう詰めにはなってませんでした。




照明そのまま*1で登場。
Fender Telecaster』のフレーズを使った軽い音鳴らしから一曲目になんと『HONNOJI』!これを頭に持ってくるとは思わなんだ。直近の演奏に比べてBPMをだいぶ落として演奏してる。
そこから『HIMITSU GIRL TOP SECRET』『RIFF MAN』と4年前ならライブのピーク時に来る曲をいきなり3連打。新・ZAZEN、景気づけの一発とも言える飛ばしっぷり。


そして、最初に演奏された新譜曲は『サンドペーパーざらざら』。切れ味の鋭いカシオメンのギターがカッコイイ。向井は「ビッガっ ビッガっ(Big up Big up)」なぜかレゲェMC風の声を入れてた。
『泥沼』は「ズボッと」の部分をスクラッチ風にアレンジして歌い、最終的にカシオメンのギターが加わって「ずぼっとどろぬま(ジャ!)ずぼっとずぼずぼっとハマった泥沼(ジャ!)」とわけのわからない芸を披露。
新曲は小味な曲が多いからどうやってライブ用に料理するか模索している感じ。


「ライブするごとに”新曲作れ”という視線をヒシヒシ感じていた」全曲演奏を宣言。
いつも異常に変態にアレンジされてた『IKASAMA LOVE』の演奏はもう意味不明のレベルに達していました。一点見では1人を集中的に見つめつづけて大爆笑。
『WEEKEND』はカシオメンのギターが迫力不足だったかなぁ。梅田クアトロは全体的に音が優しすぎるところがあるかも。


『ポテトサラダ』はほぼそのまま演奏。この曲はまだまだ成長できる気がする。
続いて演奏された『サイボーグのおばけ』が新曲で一番盛り上がった。特に、向井「パンツ」カシオメン「キュイーン」とアホ&シュールすぎるやりとり。最高にアホで最高すぎました。カシオメンが無茶ぶりすぎて反応出来ない時もあり笑顔のカシオメンかわいい。ここらへんもツアーの終盤には反応が良くなってくるんだろうか。


『暗黒屋』はズブズブと落ちてく黒いグルーヴを生演奏で再現。これいままでのZAZENにはないグルーブで面白かったです。カシオメンのノイズギターが活躍。
『you make me feel so bad』のシンプルに歌モノになった変化系、変態過ぎた『sugerman』と究極もちょこちょこと織り交ぜてくる。『sugerman』の語り口が七尾旅人っぽく感じたのは自分だけ?


ライブもクライマックスに近づいてきて『KIMOCHI』。爆発パートは圧巻。この曲で楽しそうにフルパワーで叩く松下さんが大好きです。
間髪入れずに『cold beat』。人間指揮者では客の方に腕を振ったりと更にアップデートされてる。”一般人”として向井が参加したオーケストラFUKUSHIMAからのインスピレーション?
そしてcoldbeatでもうひとギミック。指揮を終えるとおもむろにチャルメラをキーボードで弾き始める向井秀徳。追ってカシオメンもギターでチャルメラ。交互に演奏しながら次第に順番がおかしくなって一郎もベースで食い込んでくる(微妙に森のくまさんが入ってた気がするけど)。そのままその場でジャム的に曲を創りだしていく。めちゃくちゃカッコイイ!これは痺れました。


『すとーりーず』はCDで聴く限りポスト・ASOBIになりそうな曲だったけどライブでは普通に演奏。
本編の最後に演奏した『破裂音の朝』はCDだとビビっとくるものもなくなんで「この曲が最後……」と思ったけどライブになって生まれ変わってました。ナンバガ時代を思わせる青いメロディも良いし、なんといっても感動的だったのがCDにない向井とカシオメンのユニゾン・ギターソロ。温かみのある素晴らしいフレーズをZAZENのオリメン2人が弾く光景は美しかった。向井がステージ上ではあまり見せない優しい顔をしてたのがまたたまらん。


メンバーが退けると店内BGMが鳴り出したので終わりムードになったけどアンコールを求める拍手はどんどん大きくなる。
ほどなくして登場してくれた4人。ステージ前に4人が立って何をやるかと思ったら声だけで『安眠棒』。ギターもドラムも口で言ってる。アホやwww恥ずかしそうにスネアを連打する松下さんに吹いた。


この小さなプレゼントで終わるかなと思ったら鳴り出した『ASOBI』のイントロ。
この展開には鳥肌が立ちそうでした。今までとアレンジは大きく変わってないけど最高です。気持よく踊って終われた。




新曲全部と旧曲の代表曲と贅沢なセトリ。試行錯誤感と勢いのあるレアなコンディション。
新曲はまだまだこれから、といった感じ。今はまだそのまま演奏してるのが多い。
ZAZENBOYSはライブをこなして曲をどんどん成長させてくタイプだから楽しみ。


この日はいつになくカシオメンが印象的でした。ノイズ気味のギターで切り込んだり、向井にいじられまくったり。
一時期はリズム隊のジャムスキルに追いつかず、向井の操り人形になってるとも言われてたけどこの日のギターはまぎれもなくバンドの核だった。
向井もカシオメン弄りまくっててやっぱ好きなんだなぁと。だからラストのユニゾンギターの破壊力がヤバかったのです。
逆にリズム隊の二人はあまり前にでてこないで後ろから支えてました。
この日は向井秀徳カシオメンのツートップの日でした。ZAZEN流じゃれあい。たぶん自分が腐女子なら悶え死んでる。


告知された12月の大阪追加公演が楽しみ♪


*1:ステージは暗い、客席は明るい