soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2018/04/20 never young beach @ なんばHatch

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ネバヤンのワンマン。よかったー!
やっぱ酒が合うハッピーミュージックだ!


音もMCも人も良い感じにユルいライブでした。
前半は特にユルく。中盤から盛り上げて、終盤は楽しさ爆発!
歌詞も良いバンドだけども、ライブはまずなにより音の楽しさが前に出るなぁ。




安倍さんを中心にメンバー全員のMCがユルいユルい。スカしてるってより低血圧;
盛り上がって前に出てきたギターが安倍さんの飲み物を倒してエフェクターにブシャー。続けてやるはずの曲が中断したり……とおもしろハプニングが幾度かありました(笑)


ドラムはタイト。特にハイハットとバスドラが特徴的な曲は的確にそこを聴かせてくれる。
ギターは音源だと弾きまくってるなー、って印象だけどライブでは曲全体のユルムードに溶け込んでます。良い意味で。


SPICEでの安倍さん弾き語りで披露してた新曲のバンドverも。今までと違う渋さなアレンジ。
新曲をやる前の“歌いたいことはちゃんと歌うし、俺たちは音楽で表現していく”って言葉はグッときました。この人たちは信じられるな。


終盤は「fam fam」「別れの歌」でぶちアガって最高でしたー。過度なパーティ感ではなく楽しさと人間味でアゲてった感じ。ちょい泣きそうになりました。


“いつかまた会えたら
聴いてはくれないか
陽気な歌でもうたうから
愛していたよ〜♪”


ネバヤンの客のノリもDYGLあたりのようにユルく渋い洋楽的ロックのノリ方がわからないって感じした。終盤は盛り上がってたけども。


ワンマンでこうとなると……TAICO、サマソニできっとぶち上がった現場が出来上がると思うと楽しみになってくる。
こんがりおんがく祭の時は最高だったなぁ。


(後日、TAICOでホント最高な大盛り上がり空間ができておりました)


2018/04/16 DMBQ、YPY、MSHR @ CONPASS

MSHR、DMBQ、YPY。3組み並ぶと暗号みたいだ(笑)

YPY

ボコボコデュクデュクと普通じゃない音が集合。でもしっかり浸れるし踊れる。
ビートが"ビート"というより"心臓音"みたいでした。音が生命体のよう。


CONPASSの後方スピーカーもフルに使ってたので、場所によって全然聴こえ方が違う。Geistの影響かあるのか、それもと前からやってたのに自分が気付かなかっただけか……。


MSHR

アメリカの超実験的パフォーマンス・男女デュオ。


ラクタの山みたいな自作シンセでのノイズ系ライブ。
光センサーで音を出してて、電球を激しく点滅させてモジュラーシンセのようなキュキュキュ音を出してました。
音自体も電球のような丸みがあってどこかかわいらしい。ノイズなのに危険なムードがありませんでした。


中盤から伊東篤宏さんのオプトロンを思わせる蛍光灯/フラッシュか登場。
光の強さで音が変わるのだろうか?爆発音のようなものすごい音がしてました。
連続フラッシュは音のマッサージのような気持ちよさ。視覚も聴覚も快感に直通するライブのピークでした。


最後はお互いが触るとシンセの音が変わる摩訶不思議なギミックを披露。
床に鉄板を敷いてたから身体を通して……ってことかな?
E.T.を思わせる宇宙人の交信みたいなパフォが面白い。




何が起こってるかよくわからないけど、なんだか面白かった!
どうなってるんだろう?とワクワクする好奇心への刺激。
わかんなくてもいいや!とノリノリになる聴覚と視覚の面白さ。
楽しいライブ体験でした〜


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DMBQ

50分ほどのコンパクトな時間でロック:ドローンが3:7のバランスでまとまった、収まりのいいライブでした。熱気は突き抜けまくってたけど!


ノーMC。
ロックな部分も切れ味より音の粒子の固まりな側面が強く出てた気がします。


フロアはステージに詰め寄るより、自分たちのスペースで好き放題に踊ってた。ハッピーフリーキーなロック空間で……楽しかった〜!
こういう空気のなかでの和田さんの変顔からの連打は盛り上がるな!


空中ドラム無し。
ドラムタワーもサッと組み立てバカーン!とドロップキック。スピーディーでこれもまた良し!


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2018/04/14 Nick Moon インストア @ タワーレコード茶屋町店

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KYTEのボーカル、ニック・ムーンのインストア・ライブへ行ってきました―。
なにやらほぼ日本在住みたいなことになってるそうですね。



とにかくライブの評判が悪かったKYTE
歌の不安定さは相変わらずだけど、トラックの安定感は確実にバンドより上(そりゃDTMだから当然だけども)


マイクに口を押し付けるのとか、声の強弱が効きすぎてうまく聴きとりにくいのはKYTE時代から変わってないなぁ。もはやなんか嬉しい。


ルーパーやエフェクタでアレンジを加えながらのライブでよかったー。
大阪では単独ライブしないんかなぁ。ZEPPサイズよりCONPASSぐらいの大きさハコでじっくり聴いてみたいライブでした。



あとアラサーとは思えない可愛らしい笑顔だった;


2018/04/10 LANY @ 梅田クアトロ

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サマソニにも出演した男性3人組のロック meets エレクトロR&B・ユニット
サウンドが好きなのでライブに行ってきたのですが……こんなにアイドル的な人気だったとは!?


女性客9割。
ボーカルがひとつ動けば"キャー!!"とここまで黄色い声援があがるライブは人生で何度目だろう;
女性客が多いとは思ってたけどここまでとはー。




曲はthe 1975のロック成分を薄めた感じ。クオリティも負けてない。




ボーカルは普通に歌が上手い。ギターやキーボードの演奏力はそんなに……だったかな;
スター性は凄かったです。長身。自信満々の甘いフェイス。少しづつはだけていく黒シャツ……そりゃキャーキャーなります。俺もなりそうだった。


ドラムは粒の細かいビート+パッド多様で未来的なドラム。
音源ではシンセかな?と思ってたフレーズもパッドで叩いてたりして、一人でトラックのリズムからウワモノまで全部やってしまう場面もありました。すごいな。
16ビートのハイハットの1音だけ目立たせたりとかなり器用。見ごたえある!


オサレ&ムーディーさ保ちながら、ポップネスが効いた曲で盛り上げてくる。中盤は静かに。後半はエモくアプローチしてきました。
ポストロック/音響派的なアプローチは思ってたほどなかった。でもやろうと思えばいつでも出来そうだなぁ。


「Good Girls」とか「Where the hell are my friends」とか"California"が歌詞に出てくることが多いんだけど、この"キャリフォルニィヤッ"の発音がめちゃくちゃ気持ちいい!耳と脳が浄化されるアクセントでした~。


2018/04/08 津山篤、SiFolk @ 難波ベアーズ

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フォークユニット・SiFolkと津山さんによる、ガチなアイリッシュ/ケルト・トラッド祭り。
津山さんもしっかりとトラッドの文脈に乗っ取って演奏してて面白かった。それでいて津山さんでしかないアクが出まくってた;


津山さんソロ→SiFolk→合体セッションの流れ。


津山篤

津山さんソロはしっかりトラッド・フォーク。
他のライブでもそういった面も見せてたから違和感はないものの……ここまでしっかりトラッドを表現できるとは驚きです!


ギター+歌の弾き語り。たまにルーパーも使用。
最初はフランスのトラディショナル・トラッドを2曲。
一瞬で作るループのカッコよさに惚れ惚れします。
しっかりトラッドの文脈をなぞりながらルーパー+ディレイでフレーズをミリ単位でズラしてサイケなトランスループにしたりとアバンギャルドな面もチラリ。



最初の二曲はしっかりトラディショナルの文脈だったのに3曲目は次のライブを宣伝するフライヤーの歌。
最後の4曲目はここに書けないようなヒドい歌詞……とけっきょく津山さんワールドに突入してました。
演奏はしっかりトラッド。この人のインチキくさい”それっぽさ”は素晴らしいな;
それっぽさは失礼か。それそのもの。


本気とオフザケが同居して、しかもどっちも同じテンションでやっちゃうもんだからどこまでホントでどこまでジョーダンかわからなくなります;


ちなみに津山さんが使用してたギターにはボイラーとかに貼ってる注意文のステッカーが貼ってありました;


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SiFolk

ガチなトラッドフォーク演奏。
2人でアコーディオン、ブズーキ、バグパイプ、ティン・ホイッスルなど色んな楽器を持ち替えてジグやリールを演奏してました。


planktonさんが呼んでる本場の人達に比べると正直なとこ演奏に危うさがありました。でも楽器やトラッドの構造の説明をしながらのライブは興味深くて面白かったです。

SiFolk + 津山篤

最後にSiFolkに津山篤さんが参加。
なんでも87年からの付き合いで、オープンして間もないベアーズで共演したこともあるそうな。
基本はSiFolkの延長線上なトラディショナル・フォークのセッション。でも津山さんが入ると(良い意味で)イビツさが加わって面白かった!



演奏するチューンは他のトラッド・バンドや映画などで聴いたことがある曲が多かったです。
けど津山さんのギターは普通のトラッドならまずありえないリズム、グルーヴを突っ込んでました。
トラッドの文脈に乗っ取りながらソウルの部分で違うノリが加わる感覚。面白い!


トラッドってメロディは悲しいのが多いけど、音色/グルーヴはカラっとしてる。
でも津山さんはロック/アバンギャルドなねっとりしたグルーヴをトラッドに混ぜてました。
ベアーズで行われるトラッド祭りらしい風変わりトラッドな演奏でありましたー。面白かった!


2018/04/07 RETURN(Ryoji Ikeda、RADIQ a.k.a. Yoshihiro HANNO、D.A.N.、yahyel、AOKI takamasa、Sunahara Yoshinori、Yuri Urano a.k.a. Yullippe) @ なんばHatch

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なんばhatchで開催されるイベント・RETURN。
D.A.N、砂原良徳池田亮司。このメンツがhatchで見れるのは嬉しいなー。


yahyel

DATSは見たことあるけどyahyelは初見。
スケールがデカイなぁ。若手とは思えない!


音の本格っぷりがすごい。なんばHatchサイズのハコ以外であの音が鳴ってるのが考えられれないってレベルです。
DATSよりビートミュージック寄りな音。
でもライブのアクションは相変わらず激しめなのね;ボーカルのノリ方がThe DRUMSのジョナサンレベルだった;


メロディも音もJames Blakeに大きく劣ってるとは思わない……けど個人的にはどうもガツン!と来なかったのは歌が大きいのかも。技術というより好みの声質って点で。
yahyelは声高め。James Blakeのあの渋く低い歌声の強みを知った気がする。
ただ最後の昇天する曲でのボーカルは響いたな。


個人的にはポスト・ダブステップなグルーヴがあんまり入ってこない……と思ったけど終盤のテクノなノリにやられました。ボーカルがフロアに降りて踊りまくってた〜。


砂原良徳

砂原良徳は転換中に2回登場。
基本がんがんに踊らせる4つ打ちハウステクノなDJ。ストイック!。
各25分づつぐらいと短かったけど、無条件で楽しかったですな。一番好きだったアクト。


ってか転換のたびにまりんが出てくるとかどんな豪華さだー!


D.A.N.

うてなさんいない3ピース編成。
いないのは今回だけでなく、今後はずっと3ピースで行くっぽい。このあとのツアーは3人で回ってました。


新曲中心で踊らせるより浸らせる曲多め。
一曲ハウス系の新曲もありました。
新曲のなかではNine Inch Nailsの綺麗系曲っぽい曲調で、ずっと裏声で歌ってる曲がよかったなー。


ベースがほぼギターみたいな音出してました。
お、ギターソロ?と思ったらベースが弾いてたって場面が何度か。
たぶん5弦ベースだと思うけどあんな音が出るのかー。

RADIQ aka 半野喜弘

DJ(半野さん)にサックスとギターのゲストを加えたトリオ・スタイル。

展開が少ないオサレ・ハウストラックにアドリブ演奏。
ムーディーだけどそこまでガツンとくるものはなかったかなぁ。
酔ってたから気持ちよく踊れはしたけど。

Yuri Urano

インダストリアルでダークな音のDJ。
半野さんのハウス調から池田さんのエクスペリメンタルなアクトへと良い感じに橋渡ししてくれました。
ダークかつノレるDJでよかったー。

Ryoji Ikeda

池田亮司さん、スゴすぎた……。




音はノイズ状態の電子音と振動音のようなキックのみ。音量はどデカイ。音に完全連動して白黒の映像が動く。それだけなのに圧巻の音世界でした。


純度100の電子ミュージック。感情が無になることがこんなに興奮するなんて。
爆音でhatchが崩れそうなくらいに床と空気が振動してた。
ライヴってか”体感”。音で身体が振動してました。


あの音を視覚情報(ドットとか)で表現すれば隙間だらけのはず。
短い音の集合体。でもそれが大爆音で鳴らされることで空間が音で充満する。ハーシュノイズ/ドローンと真逆であり、同時に近いモノがありました。
hatchサイズのハコで見れたのは幸運だなぁ。なかなかできない体験でした。


パターン化してたVJは、ライブを通して2回だけ大きく姿を変える。そのときの興奮たるや!!
デジタルの世界が崩壊/覚醒するようなカタルシス。ヤバかった!


SATURNでJames Blakeを見た時に”すげー!なんて世界観!”と思ったけど今回の池田亮司さんはそれに近い感覚を覚えました



大きなハコでテクノ、IDM、ビートミュージックが聴ける良いイベントでした。
ガチな音ハコが小さい場所しか残ってない大阪はこういうイベントに飢えてるのです!もっとやってほしいなー。

2018/04/06 Aiming for Enrike、Tricot @ JANUS

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tricot

変拍子につぐ変拍子。たっぷりライブを聴くと疲れるな;
個人的には変拍子のマスロックな部分よりパンクな部分に惹かれるかも。


3人でランラン♪(だっけ?)と歌うインストみたいな曲が好みでした


Aiming for enirike

デュオでBattlesみたいな重厚/独創的なマスロックを奏でるAiming for enrike。よかった!


2人で音を重ねまくるアプローチやテクニックもいいけど、なんたってダンスミュージックとしてがっつり機能してるのが良いですなー。手元を凝視するより思いっきり踊った方が意外と楽しめるかも。




今回は演奏が見える位置で見れたけど、結局ギターはなにをやってるかわかりませんでした;演奏方法がマニアックすぎるー。


ドラムはスゴさをたっぷり堪能。シンプルなビートで曲をスタートさせて、後半になるにつれパワフルに大暴れしていくのは圧巻!「NewSpeak」の後半とか興奮の塊でありました。




ハードコア・チューンの「Riget」を生でやってしまうのに驚いた。2人の演奏に一寸の狂いもなかったし、即興でなく完璧に合わせてる?
「Billion Year Contract」や「Social Window」みたいなジワジワとくる曲は前回よりテクノ的な深みが増してめっちゃ踊れた。クラブでかかっても違和感のない音楽かもしれない。


音の感触はマスロックみたいだけどもノリ/グルーヴはハードコア、テクノ、ドラムンベース、トラップとか色んな踊れる音楽をひっぱってきてる。そこらへんはBattlesに近いのかも。
ただBattlesよりAiming for Enrikeのほうがシンプルに踊れる、良い意味での若々しさがあります!