soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

Deviath First / Rising Sun Nova

ノンストップミックスのオリジナルミニアルバム。
今までのテクノ系から打って変わって実験性満載のアブストラクト/エレクトロニカ系のCDになっています。


ほぼメロディゼロで全編ノイズまみれ。
と言ってもDelta9やメルツバウみたいな雑音による暴力性は全く無く、オウテカのようなノイズながらに整ってて知性を感じるサウンドです。
次々と飛び出してくるSE/ノイズはセンスがある。曲を楽しむというより音の作りこみを楽しむ聴き方が良いのかも。
恐ろしいほどに無機質な音空間の中に、ふと研ぎ澄まされた澄んだメロディが入ってきたりするの所にrazunaさんの個性が出てる。
そういう意味では、方向性は違うようで実のところ今までの作品とそう違いは無いのかもしれません。


お気に入りはラストの⑦。明確なビートがあって今作で一番「ダンスミュージック」してる。バスドラとベースが入ってくる瞬間にぐちゃぐちゃしたノイズから解放された気分になります。今までの不鮮明な音空間はすべてこの曲の長い前奏だとすら思える。
曲単体で聴いたら物凄く良いというわけではないんですが、CDの流れで聴くとすごく映えます。


暗闇の中で延々と周る歯車を見続けているかのような無機質なサウンド。
なのに聴いてて気持ちの良いCDです。
何度も聴く気になるタイプのCDではないけどたまに聴きくと世界にズボズボ埋まっていきます。
メロディ重視の人にはかなりキツイものがあるかもしれませんが、ノイズミュージックにしては結構しっかりしたリズムがあるのでテクノ系が聴ける人ならそう問題なくいけると思います。