soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

limen / Disorder Circulation


4曲入りオリジナルミニアルバム。ストイックな浸りテクノ系。サイトにライナーノーツあり。


アンビエントにも近い浸り系テクノ。
基本的に過去作と同路線ですが、音空間の透明感はレベルを増しており、なおかつフレーズのキャッチーさもアップしてる気がします。
ゆえにストイックな内容ながら耳に馴染みやすいです。4曲と曲数を絞ってるのは成功なのかもしれません。
また、ただ浸らすだけでなく、僅かながらクレッシェンド気味に盛り上がっていく曲が多いのも個人的に良かった。ここらへんはRuxia.名義の東方アレンジでの経験からかなぁと思います。アゲアゲとは程遠い楽曲群ではありますが、神経の幹がジワっっと反応していくようなトランス感がある。


①ノンビートのアンビエント楽曲。暗い空を覆い尽くす雲のような、重々しくも浮遊感のあるシンセが少しづつ体を蝕んでゆく。淡々としながらも、時計の振り子のようなSEや、弱々しくも儚いエレピなどで色付けされていくのが空間が広がっていくような感覚。最後に入ってくるシンセが気持ちいいです。一発目からどっぷりと浸れる曲。
②ミドルテンポのダビーなテクノ。うるさい音は鳴ってないけど、凝ったリズム & ツボを抑えたベースでなかなかにノレる。ハイハットの刻み方が素晴らしい。動きのあるリズムながらもキックだけはひたすら四つ打ちなのがトリップ感を助長してます。トランスっぽいところもあり、テンションの低いWay Out Westという感じ。今作で一番好きな曲です。
③「ズンズンっタンっ」というシンプルなヒップホップビートにアブストラクトなウワモノが乗るトリップホップ系曲。基本的にテンションを変えることなくダウナーな空気が9分続く。前作までCzkさん曲とgrayさん曲の違いがほとんど判断出きなかったけどgrayさんの方が空間系寄りの曲を得意とすると気づきました。
④踊れないエピックトランス。浸れる四つ打ち。音数を減らしたメロディが切ないです。


落ち着きたい時に聴きたい透明感溢れるテクノ/トランス。
雰囲気はそのままに「ノリ」が生まれてきた今作は個人的に本サークル一番のヒット。空間系楽曲が好きな人は文句なくオススメ。強烈なインパクトはないものの耳に心地いいので繰り返し聴きたくなります。
自分は、展開ゼロでひたすらまったりされるより、こういった適度なノリのある方が落ち着きます。