soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

TORAX / STR


STRの一角・Tigerliryさんのソロミニアルバム。BOFに参加した3曲+ゲストによるTigerliryさんのアレンジ。


ロック、ヒップホップ、ファンク、テクノなどを混ぜたミクスチャーなサウンド。
ブラックミュージックに通じる情熱的な空気が流れています。荒い音質だがそれがいい
バンドサウンドの生音を、どこまでも機械的な行為であるサンプリングによって構築している。かもすれば危ういとも言える無機質と生演奏のバランスを見事に取っています。


生き生きした音感はインパクトがある。
ただ、生理的に癖になるフレーズが少ないので、中毒性があまり無いというのが弱みか。
うまく言葉にできないけど、なにかあと一押し足りないというのが正直な感想です。


ゲスト曲は耳にスッと入ってくるフレーズが少なくて、印象に残りにくいってのがあります。


厳しめに書いてしまいましたが、クオリティはかなり高い。バンドと打ち込みのプリミティブなクロスオーバー・サウンドが好きな人は楽しめると思います。

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①「開演です!」「いらっしゃいませ」といったTV(?)からのサンプリングが印象的なファンカデリック・ミクスチャー。熱いいぶし銀ギターがロックしてる。


③ポジティブな10分超えテクノ。反復メインのミニマルな展開なのにキーボードの音がとても生々しい触感をしていて全く無機質な感じはしません。ゆえに生命感あふれるアッパー感があります。アタックの強いビートが気持ち良い!随所に表れる木琴フレーズもお気に入り。今作で一番好きな曲です。


⑦staさんによる「tired」のヘンテコファジーなアレンジ。めっさエクスペリエンスなリズムと音選びで氏にしか出せない音です。


⑧sweezさんによって癒し系アコースティックの歌モノへと生まれ変わった「_cA」。澄んだ音で落ち着く。バイオリンがとても綺麗。ちょい引き込む力に弱いか。

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サンプリングとキーボードを駆使したロック + クラブサウンド。同人音楽というよりロキノン/インディーズ的な感触。
高品質なんだけどあと一歩ってのが正直なところ。良くも悪くもEP的。
どっちかというとBMSで譜面やBGAと一緒の時のほうが楽しいと思わせるフレーズ作りな気がします。単純に聴くとどうも頭に残りにくい。
参加メンバーがすごいのでどうしても期待値が上がってしまったのかもしれません。