soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

【転載】このM3-2011春CDがスゴイ! by 竜美悠

竜美悠さんがこのM3-2011春CDがすごい!の記事をmixiで書いてくれたので、誰にでも読めるようにと転載させていただきました。


転載元:http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1741751171&owner_id=33122742

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音系感想のM3-2011春に関連した期間限定の企画です。
締め切りが近付いて参りましたので、聴き専の私も3枚選んでみます。



Title:fairyland excursion
Circle:schwarzwald
[Electronica/Ambient/Experimental]

 文字通りの「すごい!」ならば真っ先に上がる1枚。
 御伽噺や童話を連想させる幻想的なアートワークが示す通りコンセプチュアルな要素を内包したインスト作品。アートワークに惹かれて購入に至った私にとっては、schwarzwald初体験だが何が凄いのか?と言えば、奥深い音作りが凄い!の一言に尽きるだろう。ジャンルの垣根を越え、幾重にも重なり深みを魅せるその音像は、喧嘩せずの耳障りにならずの絶妙なバランスで創造されていることが非常に素晴らしいです。丁寧に創り込んだ後が聴いて取れます。また、コンセプトに沿った静と動の緩急表現と音像のスケール大小のバランス感覚も、作品を聴き始めたら最後まで抜け出せなくなる要因ではないかと思います。そして、アートワーク(表裏)と音から色々と妄想に耽るのが私なりの楽しみ方です。




Title:祈る少女のヴェレクロワ
Circle:Cleshe
[Gothic/Techno/Classic]

 こちらは「すごい!」よりは「好き!」と言う意味合いが強い1枚。
 M3での戦利品では5月1日以降定期的に聴いて、結局最も聴き込んでる音盤がコレです。そうなるに至った理由はやはり、#1のEglise―名も無き聖域―の1:50にインパクトを受けたからだ。変則的リズム構築から刹那の静寂、クワイアの洪水と力強いキックで一気に雪崩れ込むその圧倒的な音像に震えたものだ。病み付きになる、とは正にこの事で、色々と考えてみるもののあの展開はClesheのセンスが成し得たモノという結論にしか至らず。この 1曲だけでも化けたと確信せざるを得なかった。また、少々マニアック志向の楽曲が頭から2曲連続で続いた事実も今回のClesheは何か違う、と感じた一つの要因です。あとは、アートワークが戦利品の中で一番好きで、観賞用にモニター横に飾ってます。




Title:Need A reason ?
Circle:Alieson
[Alternative/Depressive/Rock]

 音盤が「すごい!」よりはここ最近のAlieson自体が「すごい!」と確信した1枚。
 かつての幻想的で耽美な退廃美から脱却して、完全に内向的な陰鬱側へと接近した作品。そこには彼らの本音という猛毒が多分に含まれ、これまでの AliesonとこれからのAlieson、これからの聴き手に問い掛けるただ一つのメッセージから、あれやこれやと色々と妄想が尽きない。あぁ、考えれば考えるほどに面白い作品なのだ。何もかもが綺麗に繋がってしまうのだ。そんな戦慄にも似たカタルシスを得る事が出来た音盤はこの1枚だけだったと断言します。境界線は確実に越えました。



以上、竜美悠が選ぶ【このM3-2011春CDがすごい!】でした。