soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

【WEB拍手より】このM3-2011春CDがすごい!(kongarisakufuwa)

こんにちは。
常日頃お世話になっているM3に感謝の気持ちを含めて自分なりにレビューを書いてみようと思い、今回の素敵な企画に参加させて頂きました。
【このM3-2011春CDがすごい!】
http://soundwing.com/otokei_kansou_m311s.html
それでは早速↓

  • この世で一番愛しい記憶/ALSTROeMERIA

http://lilyalstroemeria.web.fc2.com/index.html


最近は曖昧な音楽を好む私ですが、そんなものを根っこから吹き飛ばす程気高く、力強く、美しく、流麗で、壮大な、確固たる意志を持つ音楽。
民族系の管楽器や弦楽器とヴォーカルのLilyさんを中心としたヴォーカル陣のハモりや表歌詞と裏歌詞が織り成すリズミカルで美しい多重音声。それらが形作る音の奔流は完成されていて一部の隙も無く、常に驚きの連続。決して色褪せることのない至高の民族音楽だと私は思います。
それと尋常じゃなく音が深い。奥行きがあるとかもはやそういうレベルではなく音自体にそっくりそのまま劇的な物語や力強い星の恩恵を受けた生きとし生けるもの全ての生命、生と死を繰り返す魂の輪廻、移りゆく時代の流れ、時に激しく、時に厳しく、時に楽しく、時に優しく、人と共に生きる圧倒的な大自然の存在を感じました。
そしてなんといってもそれらを見事に歌い上げるヴォーカルのLilyさんの表現力がハンパじゃない。コレはLilyさんの歌声が民族系な音楽にこれ以上無いくらいバッチリ合ってるってだけではなく、Lilyさんにはきっとこの音楽が映し出す景色や物語がハッキリと、鮮明に見えて、捉えてらっしゃるんだと思います。

http://studio-kurage.sakura.ne.jp/3rd/index.html


Tr.1「noema」
とても聴き心地が良く、全体的に淡く、ゆったりしたふわふわと宙を漂うような曲。
茶太さんの耳元で囁くような優しく儚い歌声が曲の雰囲気をより一層醸し出してらっしゃいます。
必要以上に盛り上がらず、一定のリズムでゆっくりと変化していく音楽はまるで子守歌のようで、優しく落ち着いた気持ちにさせてくれます。
こういう曲から始まるCDは珍しい気がします。
歌詞は「あなた」と共に居たい「私」。


Tr.2「見栄っ張りの歌」
あっけらかんとした、掴み所がなく、リズミカルで楽しい、ワクワクした気持ちにさせてくれる曲。イメージとしては正にジャケットの女の子がウキウキ気分でトコトコと歩いているような感じですね。
そんな明るいイメージに反して、歌詞は妙にリアルで、ギクッときます。本当は誰かに見てもらいたいのに1人で強がってしまったり、本当は誰かと共有したいのにプライドが邪魔して意地になってしまったり。そして後に残るのは寂しさだけ…心が空っぽになってしまうような空虚な感情だけ。


Tr.3「9月の海はクラゲの海」
正にクラゲのようにのんびりと海を漂うような曲。
「私」は「君」のことを何も知らないし、知ろうともしてないのに、「君」は「私」のことを知らないのに、「君」に「私」のことを知って欲しいし、いつだって近くに君を感じたい。そんな矛盾だらけのゆらゆらした曖昧でハッキリしない気持ちを表現しています。


Tr.4「空の水槽」
コレも子守歌のような優しく暖かな曲です。
イメージとしては暖かな深海を流れに身を任せてゆらゆら漂うような感じ。


Tr.5「ウソ時々ホント」
しとしとと雨が降っていて、屋根の下で雨宿りしている時に雨が止むまでのんびりと聴きたくなるような曲。
自由な心に大きな夢。言葉にしたらウソになってしまうけど自分の中でそれは一番大切で、何より本当のもの。


Tr.6「Diminishing Vision」
コレもゆったりしたバラードかな?アレ?ピアノが何やらだんだん速く、力強くなってきたなーと思ったらサビから一気に凄かった。

猛スピードで宇宙の起源から今この時までの過程…進化を早送りするような感じ。頭の中に音の奔流がドバーっと流れ込んできます。

ちなみに全て英語歌詞。鋭意解読中。

  • Nostalgic Fabric/chie fukami

http://rgr.raindrop.jp/nf/


ここの音楽は音楽に出逢えて良かったと思わせてくれるような音楽だと私は思います。音楽って何だっけ?そう思うことはありませんか?
それと、なかなか掴み所が無い音楽です。でも確かに心に残る具体的なものがあるんですよね。それは時に優しく、時に切なく、時に懐かしく、時に寂しく、、時に楽しい気持ちにさせてくれます。
何というか日常を非日常として見るのとはまた違う…ありふれた私たちの日常をいつもとは違って少し感傷的に、それでいてロマンチックに、そして一歩距離を置いて客観的に見た感じとでも言いましょうか・・・うーん難しい。
でも好きなんです。飴玉みたいにコロコロした曲も、綿菓子みたいにフワフワした曲も、生クリームみたいに柔らかな曲も大好きなんです。
私の頭に浮かぶイメージとしては空に浮かぶ厚い雲に飛び込んでそのまま一気に急上昇する感じ・・・すいません分かりづらいですね(笑)
メインヴォーカルは深水チエさん。この方の歌声は優しく囁きかけて子守歌のような、柔らかく包み込んでくれる母親のような歌声が中心だと思います…かと思いきや時には活発な少女のような元気で可愛い歌声だったりもしますwあとなんか音楽を楽しんでるなーと感じますね。いや、ホントに楽しそうに歌ってらっしゃるんですよ。コレも私が深水チエさんという歌い手さんを好きな大きな理由の1つです。だってヴォーカルさんにとって音楽を心から楽しむこと…それ以上に素晴らしいことってなかなか無いでしょう?
とにかく安定感抜群です。この方の歌声を聴くと、私の心は安らぎます。


Tr.2「Nostalgic Fabric」
タイトルチューン。
波の流れに身を任せてたゆたうような音楽。あと鳥になって大空を遊覧飛行する感じもします。心地良い浮遊感があるんだよなぁ…でもイメージとしてはやっぱ海ってより空、空ってより雲って感じがします。
サビの盛りあがりが魅力的です。私の頭に浮かぶイメージとしては空に浮かぶ厚い雲に飛び込んでそのまま一気に急上昇する感じ・・・すいません分かりづらいですね(笑)


Tr.3:「弾丸、あるいはバニラのにおい」


飴玉のようにコロコロした明るく元気な、恋する女の子の葛藤を表現したような曲。
例えばそれはデリケートな乙女心だったり、恋の駆け引き、好きな人になかなか踏み出せない自分へのもどかしさ、ジレンマだったりします。


Tr.4:「Gertrude's murmur」
歌じゃありません)キッパリ
深水チエさんが1人の女の子になってその子の思い出の物語を舞台に、1人1人の思い出の中の人達、1つ1つの景色、事象に対して、その女の子の感じたこと、思ったことを懐かしみ、感傷に浸りながら語りかけてらっしゃいます。思い出の欠片は日常のあちこちに散らばっているものです。それは例えば一かけらのクッキー、空のガラス瓶、母の膝にかけられていたブランケット・・・。
この女の子はそれらの大切な思い出を楽しげに話そうとするのだけれど、心に満ちる寂しさは隠しきれていません。


Tr.5「musics」
私が思う2011春のM3の最高傑作。
この曲は多くを語る必要は無いし、私如きには語れません。この曲の素晴らしさを表現出来る言葉を私はまだ持ち合わせていません。

どこを取っても文句のつけどころが無いです。私はこの曲のあらゆる全てが心の底からただひたすらに大好きです。
ゲストヴォーカルとして感傷ベクトルの囁一さんが深水チエさんとデュエットしてらっしゃいます。

囁一さんはその歌声だけで一気に惹き込まれます。優しく囁きかけるような、それでいて危うげで儚い歌声…考えてみればチエさんと囁一さんの歌声ってどこか似てるんですよね。そんな素敵な2人がデュエットしたらどうなるかは想像に難くないはずです。
それと最後に1つだけ。この曲はTr.4のGertrude's murmurと続けて聴くべきだと思います。
出来たら音楽が好きな世界中の人達にこの曲を聴いて、知って欲しいです。この感想を読んでいる皆さんも、出来たら試聴するだけでなく、是非CDを買って聴いてみてください。私の存在の全てを懸けて保証します。この曲は素敵だと。


Tr.6「硝子瓶は薄曇」
深水チエさんの魅力を最大限に引き出してらっしゃると思います。

寂しさも、切なさも、悲しみも、全てを柔らかく包み込んでくれるような…優しくて暖かい、愛に満ちた曲。





・・・と、長くなってしまいましたが、私のベスト三枚はこんな感じです。他にもAltanaphixxや感傷ベクトル、Teadrops、Annabel、et nu、Rocketeer Tracksなど素敵なお気に入りCDはたくさんあるし、まだ聴けてないCDも結構あるのですが、この三枚に絞らせて頂きました。


最後にkizkizさん。このような自分達の愛する音楽を共有して、音楽の輪を広げることが出来る素敵な場を提供してくださって、本当にありがとうございました。