soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/08/25 菊地成孔ダブ・セクステット @ Billboard Live Osaka

今日は大人の音楽空間・Billboard Live Osakaで菊地成孔ダブ・セクステットを見てきました〜。
菊地成孔は、UAやらVINCENT ATMICUSやらのプロジェクトに参加してるのをチラッと聴くぐらいしか接したことはありませんでした。ダブセックステットもまともにどんなサウンドか聴いたことない。
でも有名な菊地成孔を一度は見ておきたいというミーハーな理由でGO!


スタートは21:30からなんで、18時に会社を出てからスパ銭でリフレッシュ、ヨドバシに軽く寄って、インディアンカレーを食べて…と優雅なアフター5を過ごしてからのBillboord到着。
入った瞬間セレブの一員になれるような高級感。素晴らしい空間だ〜。客席はほぼ満杯まで埋まってました。
アルコールとおつまみ(クリームチーズとクッキー。美味!)を食べてるとしばらくして照明が落ちてライブスタート。


菊地成孔ダブ・セクステットってのはサックス、トランペット、ピアノ、ウッドベース、ドラムの5人によるジャズにリアルタイムでダブ処理を施していく一人を加えた六重奏 = セックステット。
ダブ処理がどう楽曲に味付けを加えていくかを楽しみにしていたんですが……うーん、スネアヒットにエコーをかけたり、引き伸ばしたサックスの上にさらにサックスフレーズを乗せる……なんてのは面白かったけど、聴いてる感覚は真っ当なジャズ寄りでどうも惹きつけるモノが弱かった。
キツイ言い方をするとダブ処理が取ってつけたような感じがして「ジャズ+ダブ処理⇒ひとつの新たなサウンドを形成」ってな図式はあまり感じられなかった。この点は残念。


とはいえ、根元の「ジャズ」の部分が良質。
特にドラム・本田珠也とサックス・菊地成孔には目を/耳を/心を奪われまくり。
ドラムは相当なテクで、早いBPMの中でも「ここまで詰め込むか!?」ってぐらいに音濃度の高いドラミングを展開。そこに瞬間爆発を繰り返す菊地成孔のインプロ的ソロがグイグイとバンドを引っ張っていく。
中盤のミドルテンポなパートは若干ダレたけど、何気なく吹いてるサックスとトランペットのユニゾンが二人一緒に合わせるのが大変そうな、リズムを無視しまくったフレーズと気づいて「こういう『凄い部分』をいくつも見逃してるんだろうな」と。上で酷評してしまったダブ処理も気づかないところで効果的に聴かせるエフェクトをかけてたのかもしれない。


ハイライトは、ノイズ気味のシンセと菊地成孔のサックスソロのバトル。機械の作り出すノイズ以上に強烈な音をサックスで奏でてるのは圧巻。インプロ的だけど拡散しすぎずに圧縮されたフィーリングの演奏で緊張感が半端ない。
それと本編大ラス、大音量ノイズの中のドラムソロ。ストロークスピードが早すぎてこちらもノイズ以上に音が詰まってた。それでいてひとつひとつの音をちゃんと感じることが出来るんだから末恐ろしい。ものすごいスピードで回るキャタピラをずっと眺めてるみたいでした。


そして、個人的に一番印象に残ってるのは演奏部分でなくアンコール後の爆笑MCだったりします。菊地成孔の口からでる話がひたすら笑えてwいままで緊迫感ある演奏からのギャップがすごすぎました。
曰く、前々年のツアーは酒井法子氏と一緒の時期に移動し、前年は新宿でライブをしていたら秋葉原がすごいことになって、今年は何事もなく過ぎると思ったら島田紳助の記者会見が始まったそうです。
時事ネタ、自虐ネタ、地方ネタ、メンバー弄り……とがっしり盛り込まれていてめちゃくちゃトークうまい。それと頭の回転が早いんだろうなぁ。
MC後のメロウな一曲は、帰路の間、ずっと旋律が頭に残って良かったです。大人しくライブが終わるのはあまり好きじゃなんだけどこれは良い終わり方。


ライブは自分の好みにクリーンヒットとはいかず、期待値からすとろそこそこというのが正直な印象。
ただMCを聴いていて菊地成孔という人物にすごく興味を持ちました。今後も色々と追ってみよう。


次回のBillboardは11月祝日のTortoise。出来れば平日のほうが嬉しかったんだけどなぁ。
というのは、平日なら会社帰りにスーツで来れるけど、
休日だとBillboard着ていく服がない


リアルに。