soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/10/20 N’夙川BOYS PLANET GENERATION TOUR @ 十三Fandango (with のあのわ)

モテキ効果で人気急上昇中な夙川ボーイズのミニアルバム・リリースツアーに行ってきました。
チケはsoldout、人いっぱいのファンダンゴ


対バンは意外にものあのわ。チェロを弾きながら歌うボーカルが特徴的な女性ボーカルのポップバンド。
二日前のLIMPと一緒で会社出るのが遅れてラスト一曲だけ聴けました。
うーむ、一曲で判断するものアレだけどCD以上のナニナニってのはなかったかなぁ。


だいぶセッティングに時間をかけて真打ち登場。(セッティング中はずっとthe drums掛かってた。好きなんだなぁ)
普段は(クラウドの上をずっとクロールしたりしてるから)30分枠を4曲で終わらせる彼ら。今回はリリースツアーということで新曲中心の全13曲とたんまり充実した内容。レアです。


新譜のラスト「How many japanese」からスタートして二曲目に早くもリードシングル「プラネットマジック」を持ってくる強気のセトリ。
でもどうだろう。前にcomin kobeで見た時のようなステージが始まった瞬間からロックとポップが融合爆発をし続けるオーラは薄い。セトリの違いだけでなく、客層が変わりはじめたことからくる気がする。客がステージに対してどこか一歩引いてる印象。


マーヤはカリスマゆえのテンションの高さではなく戸惑ってテンパってるがゆえのハイテンション。ステージとフロアの空気が数cmズレてる。だから余計テンパる。
リンダもいままでの下町のオードリー・ヘップバーンのようなオーラではなくステージに立つことにに戸惑う少女のようだった。リンダとマーヤの絡みはどこか浮ついてる。
マーヤのMCはほとんど敬語だったし、自分がどんな思いでCDを作ったかを丁寧に話しててアジテーションも少なめ。
けど歌ってる時もMCの時もキラキラした目のマーヤは青年みたいだった。ロック神として降臨するのでなく、ただ純粋にポップとロックが好きな青年としての素のマーヤを垣間見た気がする。キンブラのギタリストとは違う一面を見れました。
唯一シンノスケだけはいつも通りのエルビス降臨状態w


さて、ステージの方は「シャンソン」が良かった。CD通りにひたすら「シャンシャン!」歌い続けるリンダ。マーヤの「カラオケでこんな女がいたら嫌だぜ」とのコメントがヒドイw
I BELIEVE YOU」や2ndからの「アダムとイブがそっと」などやはりポップなメロディが映える。「TRY AGAIN」はサビで腕を振りあげてえらくロック(パンク?)なノリになってたのが印象的。
曲によってパートを入れ替わりながら必死に演奏してる様子はある意味夙川ボーイズの本来の姿なのかも。


終盤戦は人気曲「キャンディピープル」でスタート。やはりやり慣れている曲だからか演奏の完成度が高い。比例してフロアも一気に盛り上がる。キラキラしたロックのエクスプロージョンが起こっていく。
『この600円ぐらいのシンセ。映画の肝心なシーンで600円のシンセが鳴り響いた時は爆笑しちまったぜ』とスタートした「物語はちと不安定」はさらなる大爆発。間奏でシンノスケ → マーヤ → リンダとダイブしててんやわんや。マーヤ、リンダはすぐ戻ったけどシンノスケはフロアの一番後ろまで行ってギターケーブルをピンと貼ったままPAブースの上でギターを弾きまくる。大興奮するしかねぇ!
そして最後に「死神ダンス」。「のあのわはレコードの先輩」「新人で誰からも声書けられない俺たちに最初に声をかけてくれたのがのあのわ」「みんな声をかけてやれよ」「俺たちは太陽の塔の下で結成した」MCからかいつもより歌詞が響いて泣きそうになった。
アンコールを一曲やって終了。


今回は夙川ボーイズにとって特別なタイミングでのライブでした。
いつものステージでは”ロック”そのものと言える佇まいを見せてくれるマーヤも、今回はニューアルバムの曲を演奏する不安、客層の変化への戸惑いから本当はナーバスな青年だと再確認させてくれた。キンブラと違う夙川ボーイズのようなスイートなバンドをやるのも納得。


夙川のカルタシスは少なめだったかもしれないけど、夙川の特別な公演を見れて嬉しかった。