soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/11/23 Tortoise @ Billboard Live Osaka

ポストロックのパイオニアTortoiseがセレブ空間・Billboard Live Osakaでライブ。こんなレアなケース見逃すわけにはいかない!


ドリンクとフライドコンボ(ゆず風味唐揚+ポテト。700円が高いと感じない旨さ!さすがBillboard)を買って席へ。
予約が遅かったから左寄りのよくない席番号だったんだけど、想像してた以上にステージ真横。おかげでマッケンタイアは背中を眺め続けることに。


視覚面は残念だったけど、音は素晴らしかった。
ギター、ドラム、ベースは当然のこと、グロッケン、シンセ、キーボードとTortoiseならではの楽器が並ぶステージ。5人のメンバーが次々と楽器を取り替えながら演奏していくのが面白い。
ギター ⇔ キーボードはわかるけど、ドラム ⇔ ギター、ギター ⇔ ベースなんてエクスチェンジもありました。


やはり目立つのはツインドラム。周りが様々な音を重ねていく中有新できっちりとリズムキープしていく存在感がすごい。
あとグロッケンの音がスーッと入ってくると「あぁ、あのTortoiseが目の前にいるんだな」しみじみ思いました。


ノーMC、難しい顔で職人的に演奏される曲達にしだいに気持良くなっていく。特に夢見心地になったのがTNTからの名曲「'In Sarah, Mencken, Christ, And Beethoven There Were Women And Men」。まったりとしたメロディに蕩けそうだった。『TNT』はやらなかったのは残念。


その後も、複雑極まりない演奏の『CREST』、プログレ感の高い『High Class Slim Came Floatin' In』などの必殺曲が続き、アンコール『Seneca』の1ドラム+4手拍子で締め。客の手拍子も拍手も(良い意味で)めちゃくちゃに重なりあってクラップ・フィーバーになってた。情熱的で素晴らしいフィナーレ。


演奏を聴いて感じるのは、彼らこそまさに「ポストロック」であるということ。
ドラムがいてギターがいて……始発点にあるのはロックという形式。でもそこから広がるサウンドは普通のロックとはまったく違う。知的でスリリングでリラクシング。
大きな括りとしての「ロック」に含めるのもためらう感触、かといってロック風ジャズや現代音楽+ロックなんて簡単なモノでもない。
ロックだけど違うナニカ。形骸化したジャンルとしてのポストロックではなくホンモノの"ポスト"ロックを眼にすることができました。