soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011年 私的ベストアルバム・ソングランキング

恒例の2011の個人的アルバム/ソング・ランキングです。
01/01〜12/31までに発売したCDからです。同人音楽は抜き。順番は特に意味無し。
動画貼りまくりなので続きから読むで〜。
ちなみに2011年上半期はこちら、2010年のはこちら、2009年のはこちら、2008年のはこちら

2011 CD BEST20best

WTF? / KMFDM

Wtf?!
ソウルフルなノリは抑え目。冷たい印象もある地味なアルバムだけど「変わる必要ねぇよ」と言わんばかりにメタルギター+EBM/インダストリアルを突き通すベテランならではの説得力に屈服。

DocumentaLy / サカナクション

DocumentaLy(通常盤)CD
この一枚で日本を代表するバンドとしてのオーラが出てきた。アイディアとポップセンスが見事融合してる。思ったほどインパクトが残らなかったのと中盤のバラードで勢いが削がれるので順位。ただラスト2曲のデジタル色を廃したロック曲が素晴らしい。彼らは紛れもなくロックバンドです。

⑱ PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT / 難波章浩

PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT
青臭いメロディ、つんのめるビート、スカ/レゲェ要素入れたり、名曲カバーしたり、そして心が突き動かされる歌詞。青春時代に夢中になったパンクロックの空気が7曲に詰め込まれてる。はじめて「MY WAY」の力強いサビを聴いた瞬間に身体の中でFighting fistが突き上がったのを覚えてる。ここ数年忘れてた感覚。やっぱかっけーよ、難波さん!

⑰ Princess Ghibli / Imaginary Flying Machine

プリンセス・ジブリ
プリンセス・ジブリ
通称ジブリメタル。笑いとかっこ良さの掛け算で今年の話題をかっさらっていった一枚。”メタル”の単語からまず想像されるピロピロ系でなく、エットレさんが本業と変わらぬ激烈メロデス/フュージョン・フューチャー・メタルに料理したのが大成功かと。下半期は聴く回数少なくなったけど決して一発ネタではない。奇跡的な一枚。

⑯ Ghost / THE DEVIN TOWNSEND PROJECT

ゴースト
敬愛するデヴィン先生が送り出す四部作の最終作。同時発売のハードな『Deconstruction』の対極に位置する癒し系アルバム。躁鬱と言われるデヴィン先生の内面を映しだしたような音はとっつきにくく、聴く場面をめちゃくちゃ選ぶけどハマった時の感動はすごい。今年人生で始めて救急車に乗った高熱時、他の音楽が聴けないのにこれだけは疲れず聴けたという思い出もある一枚。

⑮ guitarissimo / MIWA

guitarissimo
女性ポップス枠。特別なことをやってるアーティストじゃないんだけど、異常なほど今年聴いた回数が多かった。やっぱグッドメロディが重要なんだな。ライブ帰りとかに彼女のストレートなメロディが心地よく染みこんでくることが多かった。『chAngE』は名曲っす。今後もバンドサウンドな路線で行って欲しい。

⑭ Sepalcure / Sepalcure

SEPALCURE
テクノ系はこれ。セクシャルなほどムーディ。でもまぎれもなくダンスミュージック。ちょい速のBPMが心地良い。ダブステなどのベース・ミュージックの匂いも感じるけど違うナニカ。明確な歌モノは無いけど全曲に渡って”人の声”が作品の色を作り上げているのも大きな特徴。ありそうで無かった音楽です。そんな話題になったCDでは無いですが未聴の人はぜひ。

⑬ PLANET MAGIC / N'夙川BOYS

PLANET MAGIC (通常盤)
今年に入ってえらく人気が出てきた夙川ボーイズ。ポップになりすぎたところはある。でもロック青年の甘酸っぱさで充満した良いアルバムです。キャッチーの塊にピュアなロック魂の味付け。特にそれを色濃く残した「I BELIEVE YOU」が大好き。THE DRUMSの日本からの回答?

⑫ Is This Hyperreal? / Atari Teenage Riot

Is This Hyperreal ? [ボーナストラック2曲収録・解説付・国内盤] (BRC293)
初聴は「えらくキラキラしてて柔らかくなったなぁ」だったけど、何度か聴くとそれは表面の0.1mmだけで根元は変わってねーやと気付きました。音楽そのものが扇動のために存在してる。血液が沸騰する熱さにテンション激上がり。ハニンの脱退を埋めるニック・エンドウのシャウトも素晴らしい。ニックエンドウ・美しい。ニック・エンドウかわいい。

⑪ 絶体絶命 / RADWIMPS

絶体絶命(通常盤)
思わず唸ってしまう歌詞の数々。やっぱり野田洋次郎は天才だな、と。サウンド的にも色々と挑戦していて飽きさせない。聴いてると人生について考えてしまう…と同時に日常が色付いて楽しくなってくる。

⑩ A History Of Now / Asian Dub Foundation

A HISTORY OF NOW [解説・ボーナストラック付き初回限定・国内盤] (BRC280LTD)
煮えきらないアルバムが続いてたけど今作は会心の出来。なんといってもジャングルリズム×高速ラップが生み出すワイルドなフィーリングが戻ってる。アジア的ソウルフル(暑苦しさ?)な新MCも大活躍してのノリノリ、気持ちいい!

⑨ Mind Bokeh / Bibio

Mind Bokeh (WARPCD209)
エレクトロニカ枠は上半期と変わらずBibio。無邪気なサウンドコラージュでポップ。シリアスな音のおもちゃ箱。温かい音色が”癒し”とか”浮遊感”でなくほっこりした”楽しさ”へと向かってるのがナイス。

⑧ Portomento / THE DRUMS

Portomento
脱・サーフロックしたことでポップ感がさらに上昇。前作にあったのっそり感が薄まってピュアなポップスアルバムに仕上がってる。でもどこか思春期の寂しさを思わせるセンチな部分も。爆発的な一曲は無いけどとても聴きやすい。

⑦ Three Hours Of Sun / NeroArgento

スリー・アワーズ・オブ・サン
“イタリアのLINKIN PARK”“次世代のNINE INCH NAILS”みたいなキャッチコピーで「間違ってないな」と思ったバンドはホントに久しぶり。CELLDWELLER主催のレーベルからで音も似てるスタイリッシュなデジタル+ヘヴィロック。メロは良いし、アレンジセンスも抜群だし、なんといっても安易に疾走しないグルーヴのあるリフが嬉しい。ヘヴィロック/ミクスチャー全盛期を思わせるサウンド。たまらん。

⑥ 男達の宴 / クリトリック・リス

関西の珍獣・クリトリックリスのライブ限定CD。このCDはどうするか悩んだんだけども…今年聴いて衝撃を受けたのは間違いないのでランクイン。40代に突入したハゲのおっさんが歌とも語りとも分類しがたい声をマイクにぶつけてる。その夢中な言葉に気付いたら熱くなってる自分がいる。3.11以降のライブとして最高の空気がこのCDに封じ込められてます。

⑤ CALLING / あらかじめ決められた恋人たちへ

CALLING
Mudy on the 昨晩、sgt.といったインストバンドも世間的に注目されてきた今日このごろ。その中でもあら恋の新作は一歩抜きん出てた。ピアニカを片手に繰り出されるレゲェ/ダブを経由しながらひたすらエモーショナルなサウンドはもはやtoeROVOに近いパワーを放出してる。どこかノスタルジー。

④ GOLD COBRA / LIMP BIZKIT

ゴールド・コブラ
「やっぱ俺ってミクスチャー好きなんだな」と再認識させてくれたアルバム。ラウドミュージックの中でどんどん忘れられてきているヒップホップのリズム。そこに絡みつくヘヴィなギター&ベース。つい体が動いてしまうグルーヴ。最高!

③ SPENCER / SPENCER

SPENCER
オオヤユウスケpolaris)のソロ。曲によってはダークアンビエントまで行ってしまう暗さには驚いたけど、澄んだ音楽が深々と身体に染みこんでいく。”死”を含む悟りの境地にたどり着いたみたいなシリアスな音。聴けば聴くほど味の出てくるスルメ盤です。

② I Believed The Future. / GOMA&The Jungle Rhythm Section

I Believed The Future.
事故からの復活という奇跡が詰め込まれた一枚。身体の奥底から熱くさせるリズムとディジリドゥに踊られずにはいられない。なんといってもライブテイク。演奏はもちろん心から嬉しそうな歓声がすごい。そして優しい笑顔をGOMAに向けているジャケも素晴らしい。人間の凄さをヒシヒシと感じます。

① Glass Swards / RUSTIE

Glass Swards [解説付・ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC306)
初めて聴いた時は衝撃だった。レイブのスカっとした音にベース・ミュージック&ヒップホップのビートが混ざってる。爽快でいてガツンとくるリズム。「いままで聴いたことないっ!」と思えるサウンドがこの時代に聴けるとは〜。


難波章浩、ATR、ADF、LIMPBIZKIT、SPENCER(オオヤユウスケ)といった過去になったと思ってた大物が続々と良作を送り出してくれた一年でした。復活という意味ではGOMA&JRSも忘れられない。同時にRUSTIE、MIWAといった新世代も良いのが揃ってる。
逆に
モーモールルギャバン、ねごとといった期待していたバンドがアルバムで滑ったケースもありました。
全体ではデジタル、ロックとも面白い音がいっぱいあった。今後どうシーンが動いていくか楽しみ!

2011 SONG BEST20

Party Rock Anthem ft. Lauren Bennett, GoonRock / LMFAO

日本全国、いや全世界のパーティでドロップされた2011年を代表するアンセム。ブリブリにエレクトロでメロディが激キャッチー。文句無しに楽しいですよ、この曲は。

⑲ Another sky / Akron/Family

LMFAOがオーバーグラウンドのお祭りソングなら、こっちはアンダーグラウンドのお祭りソング。ローファイ、実験音楽の要素を持ちながら幸福感溢れまくり。10分は拍手とコーラスで会場を盛り上げたライブでの大化けっぷりも凄かった。

⑱ 甦れ / MAN

アフリカ系スウェーデン人による日本語のラップソング。これほど元気づけられた日本応援ソングはありませんでした。
また、一つ一つしっかりと韻を踏むリリックは「知ってる言葉が韻を踏む日本語ラップの面白さ」を再認識させてくれた。トラックも素晴らしい。「太陽まだ眩しい、空まだ青い 諺(ことわざ)どおり、七転び八起き!」

⑰ Get Up Feat. Skrillex / Korn

誰も予測しなかったKorn×ダブステップ。試行錯誤している若手を吹き飛ばすベテランのヘヴィネスにノックダウンされた。しかも異常なほどの中毒性あり。いつになく生き生きしたジョナサンにホクホク。ブレイクダウン(?)パートのかっこ良さは半端無い!

⑯ Fantasy / LAMA

まさかのナカコー、フルカワミキ・タッグの復活から半アニソン枠。他の曲のほうがスーパーカーに似てるんだろうけど、ネクストレベルを見せてくれる当時のワクワク感を一番感じたのはこの曲。イントロのピアノからボーカルメロディ、リズムビート、物悲しいギター。最高です。UN-GOのEDにもぴったり合ってたなぁ。

⑮ SNAKE CHARMER / Blink 182

2011年ベストイントロ賞。Angels & Airwaves系のスペースオペラ・シンセでフワフワさせたところにトラヴィスのタム連打からヘヴィなリフへとなだれ込む。これほど興奮するイントロはなかなか無い!曲全体でもコーラスが泣かせるかなりの良曲。

⑭ 爆弾こわい / 在日ファンク

第一印象は良くなかったんだけど、細かく刻むビートの魔力に取り憑かれた時からお気に入り曲に。腰が自然と動くファンクネス。ベースソロからの展開がヤバいヤバいヤバい。

⑬ ランドセルカバー / 白波多カミン

2011年はHAPPY BIRTHDAYなど今まで苦手だったフォーキーな女性vo.モノに興味を持った年でした。その中でも印象に残ってるのがこの曲。あまりに繊細すぎて一周通りこして凶器のような鋭さすら感じてしまう。めちゃくちゃ良いメロディです。「僕は君を守るけど、君は僕が見えない」の意があるタイトルも好き。

⑫ pink / phase

DIY HEARTSから勝井祐二(ROVO)×成井幹子(sgt.)のツインバイオリン・セッション。ウネりまくるエレクトロバイオリンは生命の誕生を予感させる高揚感に満ち溢れてる。ROVOにも通じるトランス感にぶっ飛ばされました。

⑪ 何もできねぇけど / 般若

MANさんのが外国からの応援歌ならこっちは日本人からのラップ。「ねこそぎ全てを奪った津波 俺らに何かあんの?うらみ 」「無い教科書 校舎も いつか走馬燈 『怖い・・そうかも・・・』」3.11を受けての心情をぶちまけるリリックに心が震える。魂がこもったリリック、いや言霊ってのを聴きました。

⑩ Coming re:Action / BACK DROP BOMB

怒涛の38曲メガミックス。ライブで完全再現を目の辺りにしたとき、ミックス音源であると同時に一曲であると認識を改めた。そうするとその練りこまれた構成力に驚かされる。元の素材が良いのにさらにここまで上手く料理されるとたまらんです。

⑨ Feather / Devin Townsend Project

曲と言うよりこの下のMAD動画か。音+映像のアウトプットでは今年一番印象に残ってる。つかみ所のないGhostの曲だけど、The Lovely Bonesの幻想的な映像を一緒に見ることで音世界に入る手口となってる。このぶっ飛んだ映像にぴったり合う音楽とかすげーよ。

面影ワープ / nano.RIPE

アニソン枠。OPがアニメ全体の色を作っちゃう凄さ。2クール目の方が好きってのもあり気付いたら初代OPよりこっちのほうが気に入ってた。さらにすごいのはクラムボンの初アニメタイアップ曲を完全に押さえちゃったところ。走り抜けるようなギターリフは素晴らしい。青春が濃縮されてる一曲です。

『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 / サカナクション

「バッハの旋律を夜に聴いたせいです こんな心」の歌い出しからして耳に残る。サカナクションの面白さが濃縮した曲だと思う。サビにやってくる開放感もたまらない。この曲の説得力に日本のロックがネクストレベルへと進化したのを感じました。

⑥ spaceship / king brothers

初期の彼らからは想像できないキャッチーなサビが登場するロックチューン。ザクザク刻まれるカッティングギターがカッコよすぎる。ただのポップソングで収まってしまうことはなく、後半の「おっしゃ、ギター」からマーヤのアジテートまでの怒涛の勢いは最高のロックンロール・タイム。

⑤ ラセン / あらかじめ決められた恋人たちへ

あら恋ダンスチューン。爆発を繰り返しながら疾走していくリズミカルな音に身体のありとあらゆる箇所が反応する。裏で拍子を取るピアニカがたまんない。てっぺん知らずにどこまでも上がっていくテンション。ものすごいパワーを感じる曲です。

④ SAD GIRL / The SALOVERS

シンプルな激情ロック。古舘佑太郎のしゃがれた歌声のせいか、がむしゃらに弾きまくるギターのせいか、とにかく身体の芯から熱くなる。気分を高めたい時かなりお世話になった曲です。

③ Ultra Thizz / Rustie

この曲を初めて聴いた時はホントに衝撃的だった。爽やかなシンセにレイブに必須のクラップ……ときた後にビッグバンを繰り返すビート。ダブステに近いけど違うビート。陽のパワーでどこまでも持っていくような爽やかさ。新感覚でした。

② Under Cover Of Darkness / The Strokes

不敵なサビのかっこよさ。これに尽きる。聴いた瞬間「ロックっていいな」と鳥肌が立った。ロックが弱い時代が続いてるけど、こんな曲があるならまだ先があると思わせてくれる希望感すら感じます。

① RIODIDGENEIRO 2011 (Live at 静岡「頂」) / GOMA&Jungle Rhythm Section

一位はGOMA&JRSの復活ライブ音源。後半から音が一つの大蛇のようにウネリあげながらグルーヴを創り上げていく様は圧巻。GOMAの「ただいまー!頂ー!」のコールは涙無しには聴けない。全てが奇跡みたいな音の塊。