soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/02/28 電気グルーヴ @ ZEPP NAMBA

電気グルーヴのリリースツアー・ワンマン!
なんと大阪での電気グルーヴは5年ぶりだそうですよ。そんなに久しぶりとは意外。
新譜発売の次の日にライブだったのでしっかり聴き込む時間はありませんでしたが、ituneでダウンロードして一応予習済み。


会場はZEPP NAMBA。来るのは二回目。
会場外のロッカー設置されてたから荷物預けたら中にも普通にあった。前も同じ事やったような……。
ロビーに入ると『Missing beats』のPVの顔がドーンと置いてました。すんごい存在感。


人入りそこそこ。基本埋まってるけどところどころポッカリ空いてるスペースがあるので踊りやすそう。
ステージ上にはスターフォックスのラスボスみたいなデカイ顔のオブジェが2つ。顔の長さでどっちが誰かすぐわかります。




会場時間から約10分すぎくらいにライブスタート。まずは牛尾さんだけ登場してギターカッティングが効いた『The Big Shirts』が流れ始める。
しばらくすると、台車に石野卓球を載せてピエール瀧が登場。謎の奇行で沸きだつ客。初っ端から電気らしさ爆発です。
卓球が立ち上がるだけで盛り上がるとか得だな〜。




卓球は結構な回数前に出てきて歌ってました。歳を感じさせないぐらいに声がしっかりと出てて、あの独特な少年のような高い声が心地よく耳に入って来ました。
卓球がブースから前に来るだけで声援が飛ぶのに人気のほどが伺えます。


瀧は帽子を二段重ねにしたり、袖に戻ってヘリウム吸って戻って叫ぶを繰り返したりと奇行は多いけど、破天荒なパフォーマンスって感じでもなくどこか貫禄はある。しっかりと客を見つめて、自分も踊りながらフロアを煽ってました。


新譜がオール・ボーカル曲ってのもあってか歌モノが中心。トラックはしっかりとテクノしながら、コア方面に没入することなく電気らしいポップさに溢れたステージング。
残念だったのがちょっと音が弱い?キックが腹に来ないなぁ、ってのがありました。照明やVJもWIREフジロックに比べるとおとなしい印象。
でも2人が楽しそうにライブするを見てるのが幸せ〜。




セトリに戻ると2曲目はアルバムの『Shameful』……ではなくて『Missing Beatz』。スネアに合わせて腹を叩く瀧。
先ほど書いた顔オブジェには映像が映し出されてて、これがカッコ良かった。オブジェは動いてないはずなのに映像によっては顔がグニャってなったりして見える。不思議だ……。


次は『SHAME』からの『Shameful』。卓球が吹く笛がアゲアゲで高まったー。
J-POPから『ズーディザイア』『モノノケダンス』ときて最初のMCタイム。


早くも全力でハァハァ言ってる中年2人。卓球なんてまともに喋れずカミカミw
でも疲れた〜とか言わず、口を開けば下ネタ、放送禁止用語、おっさん話題、あと大阪府民をバカにする発言。と元気にアホなところは変わりなし。


MC後はおとなしいゾーン。『Slow motion』→『アルペジ夫とオシ礼太 』ちょっと微妙だったかなぁ。
続いて『ハイ・スコア』『モンキーに警告』『B.B.E』とこれまた古い曲を連発!一部の客はポカンとしながらも悪ノリな歌詞をマイペースに叫ぶ2人。自由人だ。


「次の曲は体力要るからMCでたっぷり休んでる」で始まったのが新譜からの『P』。約3分に及ぶ人力ボイパ(?)の応酬を再現。しかし、ここがこの日一番盛り上がらなかったというヒドイ結果にw
虚しく響き渡る卓球の「ムーヴ ユア バディ!」のシャウト……。


瀧の外れまくりなボーカル*1の『キラーポマト』を挟んでライブ後半に向けてエンジンをかけてく。
「ドリフのほんとにほんとにご苦労さん」が感動的にサンプリングされた『Prof. Radio』はウルっときたし、そのあとの『Oyster (私は牡蠣になりたい) 』はライブで一番印象に残ってる曲のひとつです。単調なハウスビートと伸びやかなシンセが不思議な温かみを生み出してて、終わった時に温かい気持ちになりました。踊りまくったとかじゃなくて、無心で気持ちよくなって終わった時に「あれ?今の8分間ほど死ぬほど気持ちよかったじゃん?!」とジワジワくる良さ。地味だけど今じゃアルバムで一番好きな曲です。


そんなおセンチな気分の中やってきた『UPSIDE DOWN』。楽しそうにバイオリンを弾くマネをする卓球は見ててこっちも嬉しくなってきました。おもちゃで遊ぶ子供みたい。無邪気に笑ってるダウンタウンを見てる感覚に似てる。
『Prof. Radio』『Oyster』『UPSIDE DOWN』新譜から3曲のこの流れに完全に持ってかれました。最初の方の「音が弱いなぁ」ってのも忘れてた。


最後のMCを挟みフロアをクレイジーにさせる往年の代表曲ラッシュ!
唯一YELLOWからプレイされた『The Words』に始まり、音も映像もアゲアゲなクライマックスに向かってる感満載の『FLASHBACK DISCO』、盛り上がってる層と盛り上がってない層が極端な『シャングリ・ラ*2と”これぞ電気”な曲が続きます。もちろんイントロが聴こえてきた時点で大盛り上がり。


次の『少年ヤング(ALBUM MIX寄り)』がめちゃくちゃ良かった。80'sアイドルのピュアさを思わせるシンセが楽しくかつ切ない。シングルver.だけの「暇に勝るモノ無し 今なおその日暮らし 暇つぶしひつまぶし いまだ光るモノ無し」がめっちゃ心に響きました。*3


胸がいっぱりになってるところに『N.O.』の「We Like Music!」とポジティブなメッセージが目(VJの文字)と耳に飛び込んできてグッときた。一番テンションあがったのはここです。そんなに好きな曲でもないと思ってたけど、手をあげて「学校ないし 家庭もないし」と一緒に歌ってたらめっちゃ楽しかった!良い感じに踊れるアレンジになってたし。
卓球が前に出てきてカウベル叩いてるときに瀧がマイクで音を拾ってあげてたのに感動しました。


まだまだラッシュは収まらずブレイク部分でほとんどの人間が手を宙に掲げた『あすなろサンシャイン』、そしてラストの『レアクティオーン』。「こんな曲で終わりかよ」とも思ったけど「東京の若者の全てがここに集まっています」のサンプリングが本当にそんな気分に錯覚しちゃってキマってました。締めも通天閣をバックにしたご当地ジャケ*4をスクリーンに映して「東京の若者の全てがここに集まっています」。最高にカッコイイ終わり方でした。


アンコールではアルバム最後の『電気グルーヴのSteppin' Stone』。CDだと微妙だけどライブだとパンキッシュで映えるなぁ。そして「オマケに」と『Cafe De 鬼』。かなりおもしろい顔MIXのレイヴィーなフレーズが入ってきた時はカッコ良かった。



約2時間半のたっぷり電気。
ワンマンはフェス以上にコアファン以外は切り捨てと聞いてたけどm確かに昔すぎる曲に聴きこんでない新譜。『虹』『VOLCANIC DRUMBEAT』『富士山』『新幹線』と言った超代表曲もないセトリは強気というか意地悪というか……。
新譜の曲は良かったけどもっとブラッシュアップできる気もします。


FUJI ROCK 06みたいな伝説的なライブではないし、いつかのCOUNTDOWAN JAPANのみたいにガチ踊り瀧みたいなサプライズも無かった
ある種”いつもどおりの電気グルーブ”だったんじゃないかな、と思います。
それは残念なんじゃなくて、もう特別なライブだけしかやらないシニアアーティストになることなく、いつもどおりをやってることに嬉しく思います。


前半は大人しかった客も後半はどんどん持ってかれてました。特に最後のMCからの怒涛の展開はスゴかった。
楽しかった!!



終演後は、満足そうに駅へ向かっていく人達から、僕は一人外れて難波ベアーズへハシゴしに向かうのでした……。


ネットで見つけたセトリ
1 The Big Shirts
2 Missing Beatz
3 SHAME
4 Shameful
5 ズーディザイア
6 モノノケダンス
7 Slow Motion
8 アルペジ夫とオシ礼太
9 Disco Union
10 ハイ・スコア
11 モンキーに警告
12 B.B.E
13 P
14 キラーポマト
15 Prof. Radio
16 Oyster (私は牡蠣になりたい)
17 Upside Down
18 The Words
19 FLASHBACK DISCO
20 シャングリ・ラ
21 少年ヤング
22 N.O.
23 あすなろサンシャイン
24 レアクティオーン

アンコール
25 電気グルーヴのSteppin' Stone
26 Cafe de 鬼

*1:あの下手っぷりをライブで再現するのは逆にスゴイのでは……?

*2:自分は最初盛り上がってなかったけど「KISS KISS KISS」って歌ってる間にしだいに持ってかれた層です

*3:実は、歌詞が「今に勝るものなし」だと思ってて「昔の方が良かったと言われる”今”でもはっきりこんな歌詞を歌えるなんてカッコイイな」、と勘違いしてたオチがあったりしますw

*4:各会場/地域ごとのジャケがライブ限定で発売されてた