soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2018/06/10 高円寺百景 @ 難波ベアーズ

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ぶっとびプログレ高円寺百景。スゴすぎたー。


リズムも音程も“ほんとに同じ人間か?”って神業の連続。
ドス濃いプログレを基準にしながら、ファンクもブルースもハウスも囃子も取り込んでハッピーなサウンドに。
楽しそうに演奏するのが最高ですな!




とにかく全員スゴい。技術も熱量も恐ろしい。
特にボーカル(スキャット?)のAHさんが速弾き楽器と同じテンポ/メロディを終始歌ってるのにはぶっ飛ばされました。しかも身体を元気に動き回しながら。どんな喉と肺と心臓してるんだ……。


ギターも面白かったな。
プログレのギターってアルペジオなイメージあるけど高円寺百景のギターはカッティング多め。ファンクなフィーリングを持ち込んでた。
あまりに正確なカッティングで“カッティング・ギター・マシーンがあったらこんな感じやろうな”とか思って見てました。


吉田達也さんのドラムはスゴいの一言。
RUINSで叩いてる、メロディのようなタム/シンバル回しの妙技に比べて、高円寺百景ではスネアのシャープな切り込みが目立った/カッコよかった。
あとこの人はなにげにダンスビート叩かせても一級品よなぁ。




演奏がスゴすぎるのにMCはほんわりなのが面白い。
吉田さんがのど飴詰ませてむせたり、”全部1拍子だと思えば踊れる”とか言ったり;
演奏中もよく笑顔を見せて楽しそうにしてる。
そのおかけで濃密な音でもしんどいと感じませんでした。




2部制。
1部は旧譜の曲。2部は新譜からのみ。
旧譜の曲のほうがプログレ的なカチッとした部分が強かったかな?代表曲メインだから?


1部はプログレ変拍子の嵐に痺れました。一切何が起こってるかわからまおフレーズとかありました。目の前で演奏されてるのに何やってるかわからない;


2部の新曲群はなんでもあり。2部の1曲目なんてロックンロールでファンクでした。AHさんがシャウトしてJB化してた;
他にも突然ハウスなキーボードが挟まれたり(そのフレーズ保ったままプログレ地獄に突入したり;)
ラスト曲はプログレ→行進→ヘビィと変態展開。
AHさんのデスボイスも炸裂してヤバかったー。てかこの人どんな声も出せるなぁ。




1部はプログレ変拍子まみれで圧倒されつつ笑い、2部はバラエティ豊かな曲に楽しく笑いました。
スゴくてハッピー。これに尽きる!


2018/06/09 D.A.N. @ 梅田TRAD

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うてなさん抜きの3人編成で初全国ツアー。うてなさんのサポートは卒業なのかな?


出来なくなった曲も多いけど新曲いっぱいで新しいフェイズに入っておりました。
うてなさんのウワモノパートをカバーするのがベースってのがスゴい。
なんて音を出してんだ。ほぼシンセやないかー。今のD.A.Nのライブはベース要注目!


既存曲をテクノのように繋げていく演出が鳥肌でした。あのベースラインやら、あの声ネタやらがシームレスにつながっていく興奮。
上向きスポットライトみたいな照明演出も素敵。



新曲達はインパクトの点では弱いかも。いきなりガツンとくるタイプではない。
アルバム聴き込んだら変わってくるかな?
印象的だったのはRETURNでもやってたハウスな曲。
あとBPMが早くて展開が多い曲。踊れる!




うてなさんがいなくなってから、モロにうてなさんのソロっぽい新曲があるのが面白い。
デジタルでホラーを描き出すようなテラーなサウンド。そこにファルセット効きまくりのボーカル。完全にうてなさん。
今までお世話になっとことからのリスペクトかな?



演奏は3人になったことでロックバンド的な側面が強くなった気がする。
既存曲でも“ソコそんなにがっつり3人でキメてたっけ?”ってな場面も。デデデデン!みたいな。



3人の演奏力はすごい。
菜箸で叩いてるのか?ってくらいにシャープなドラム。
身体を大きく揺らして低音からウワモノで担当するベース。
色々な機材を弄りながら超高音を聴かせるボーカル。
ただ全員で”ひとつ”となる非人間的なほどの深みってのは薄まったかも?


ボーカルのどこまでもいいヒトな人間性は大好きです。
"ありがとうございます!"ってハキハキと言う。生徒会長ばりに。まわりからもかわいいの声がー。
テラーな新曲で客を圧倒したあとのド丁寧な"ありがとうございます"は音とのギャップありすぎて笑っちゃいました。


D.A.Nは真面目人間の希望よなぁ。
捻くれたりしてなくてもカッコいいんだって証明してくれ!
音じゃなくて人間性の話。




ドープになったけどもガツンとくるポップネスな部分が抜けちゃったかも、ってのは『Obscure〜』のceroや『すとーりーず』のZAZENを思わせる。
両者とも音源をリリース後も成熟させまくって素晴らしい音に昇華させてる。D.A.N.はどうなるかー?


バンドはめっさグルーヴィな踊れる出してるのにお客さんは大人しかったなぁ。自分の周りだけ異常に踊ってたけど;
うーん、ソールドアウトするほど人気なのに。なんかもったいないなぁと思ってしまう。色々な意味で。


2018/06/08 踊ってばかりの国 @ 十三ファンダンゴ

クッッッッッッッっソヤバかった!!!!ーー!!


新譜の曲とか昔の曲とか関係無しに、すべてが“今の踊ってばかりの国”の音になってました。
メンバーチェンジしてシューゲイザーに寄ったと思ってたけどそうでもないな。
踊れるサイケなロックな部分がしっかり残ってた。セトリも新旧が半々くらいだったんじゃなかろうか?


歌モノだけどモッシュが起こっても違和感無し。幸福にブチアゲられる。
そのぶっ飛ばし具合は昨日のMETZにも劣らず。いやー、ヤバかった!



新曲では「シャクナゲ」がよかったです。
ゆったりしたBPMながら確実にエモく高められる。シンバルの2連打がたまらんっす。


昔の曲は「風と共に去りぬ」「ほんとごめんね」「SEBULBA」「命の唄」……など、どれも強烈に響いてきました。とくに「命の唄」はエグかった。
「ほんとごめんね」も前よりさらによくなってるかも。




後ろの方で踊ってる人もいて、前で盛り上がってる人もいて。
パンクスも、草食系も、サラリーマンも、森ガールも、ギャルも、バンドマンも、サブカルも……みんな音楽をしっかり欲してた。
騒ぎたいだけはごく少数の良い空間だったなー。
「言葉も出ない」では大合唱が発生。こんな光景はこの手のバンドでは久しぶりに見た。
”また笑って 会いましょう 生きてたら~♪”


細かい演奏がどうとか、各メンバーがどうとかじゃなくて出る音がすべてでした。
どうしようもなく音楽に心を預けた人が鳴らす音楽で、なにがなんでも音楽に心を奪われたい人たちが聴く音楽でした。


下津さんの不敵な笑顔はやはり最高。反則だ。
クライマックスの「それで幸せ」でストロークする右手ばりに全身が震えて、目が完全にキマりながら歌うのは圧巻でした。演奏者に殺された。


前のシャングリラでのワンマンから良い意味で変わってないし、いい意味で進化してる。
やー、最高でした!

2018/06/07 METZ、Lostage @ CONPASS

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METZのジャパン・ツアー。
大阪で迎え撃つのは関西からLostage

Lostage

Lostageが完全にMETZ合わせなセトリでクソカッコよかった!!
インダストリアル・ハードコアパンクみたいになってました。


1音目からトップギア。そのまま最後まで爆走する感じ(MCを除く)
細かいソロからグルーヴィーなリフまでキマりまくってた。
ボーカルも”歌”はほぼ歌わず。
"ハードなセットでも身体は頑張るけど機材が耐えれなかった"って発言はカッコよかったなぁ。


しかし拓人さんのギターは日本一だ~。
右手も左手も身体も音も、すべてがカッコええ……。


METZ

無慈悲かつ人懐っこいリフの連打により理性が完全に狂わされました。ヤバイ!!
SWANS meets MxPxてか〜。
某バンドが言った"曲の展開は全部一緒と思ったけどライブはスゴい。アスリートみたい"ってのは的を得てるかも。やー、ヤバかった。


パワフルな3人で一直線に突っ走るインダストリアルでパンクな破壊力!
ワンリフ、ないしツーorスリーリフを執拗なまで繰り返してて、聴いてると脳が狂ってきました。ずーーーーーっとパンチの連打を食らってる感覚。アッパー挟まずにひたすらストレート・ストレート・ストレート。止まらない!


爆音ノイジーサウンドだけどノイズではない。輪郭がしっかりあるリフ。
普通、グルーヴは40%~120%あたりのテンションの押しと引きで作るモンだけど、METZは110%~130%の常に全力超え。ずっと突っ走ってるけど突っ走ったままグルーヴ作ってる異常性。
そりゃこっちも狂ったように首も振りますわー。


ギター&ボーカルのナードな見た目も良いなぁ。人懐っこい笑顔をよく浮かべてた。
ゆえにポップネス・ゼロの激烈サウンドなのに、ライブの感触は妙にハッピーな感覚もありました。
灰色と黒だけで構成されてる音世界。なのにまったく暗くない!
背が高いので何度も拳を天井にぶつけてた;


身体を大きく動かして弾くベースもかっこいい。
ドラムは鬼の全力ドラムでしたな。
爆音の中でまったく聴こえないマラカスを全力で振りながら、同じ手にスティックを持って120%の力でシンバルも叩いてた。鬼。
キテレツパンクなテンションでなく、あくまでもしっかりと演奏するストイックさがよい。


終盤になるとフロアでモッシュが発生。
ギターボーカルもステージ前に迫ってきて煽る煽る。クラウドサーフもしておりました。支えたらすんげー汗かいてました笑


一曲だけ昇天系の演奏。(「Caterpillar」だったかな?)
基礎の演奏力が高いのでなにげに器用なことも出来そうなバンド。
でも他の曲は全部突っ走ってました。「Cellophane」とか音源だとグルーヴィーでトライバルな感じだと思ってたけどライブだと全力疾走。


ほぼノンストップで突っ走り。アンコールに2曲。
さらにツアー最終日もあってかWアンコールにも応えてくれた!


最初の一音から最後の一音まで全部METZとしか言いようのない音!
言っちゃえばずっと同じだけど全く飽きない!
むしろその一本っぷりが快感!

2018/06/02 TaicoClub 2018(MOODMAN、クボタタケシ、never young beach、PUNPEE、サカナクション、スチャダラパー、LONE、FKJ、Mouse on Mars、EGO-WRAPPIN、Marcel Dettmann、Kiasmos DJ、Powder、Nick the Record) @ こだまの森

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この年が最後の開催になるTaico Club
はじめてキャンプしたフェスなので思い入れがあります。
最後も思いっきり楽しむぞ〜!


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藪原駅〜。
バスいっぱい来るからすぐ乗れました!


taicoclub到着!そしてテント設営完了!
良い場所取れた〜。めっちゃスムーズにコトが進んでて逆に怖くなってくる;

MOODMAN

恒例のオープニングDJ・MOODMAN


まだ人が少ない時間帯にしっかり踊らせるハウス/テクノなDJセットでよかった!


毎年この光景を見るとTaicoに来たなぁ、って気持ちになります。
MOODMANが優しい笑顔をフロアに向けてて泣きそうになりました;
MOODMANもこの時間帯好きなんじゃないでしょうか?



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クボタタケシ

ハウス、ファンク、サンバ、歌謡曲……フリージャンルに盛り上げる毎年恒例のオープニングDJ。今年もニクい選曲でした。


眉唾はレディへの「Creep」!野外で大音量で聴く「Creep」は最高でした。客の反応も素晴らしい。みんなで大合唱でありました。
次のネバヤンにつながる選曲でもある。うーん、さすが!。


never young beach

ネバヤン良すぎた!
フジロック/MDTでのオウガばりのケミストリーが起こってた!元気に楽しみまくりで最高やったわー。
はやくもコレを超えるアクトが出てくる気がしない;


クボタタケシの作ったフリーダムに盛り上がる最高の空間をそのままブーストアップさせた素晴らしいライブ。
ギターが頸肩腕症候群で休養中なので4人だけど、taicoのフリーダムな空気を味方につけて爽快にぶっぱなしてくれました。




「あまり行かない喫茶店で」「明るい未来」「SURELY」「なんかさ」
テンポ良い曲でほぼ固めてたのがtaicoの空気にあってた。初出演だけど常連のようにマッチ。
「お別れの歌」で感極まって泣きそうになりました。良い歌だ。
新曲だけ落ち着いた曲調だったかな。
「どうでもいいけど」 のラストはギターがひとり不在でもしっかり形にしてた。


いやー、ホント良かった。
ネバヤンのワンマン以上に盛り上がってたんじゃなかろうか?
あんぐらいフリーダムに楽しむのが合ってるサウンドなんだよなぁ。



PUNPEE

ライブ見るのは初。


なーんとなく出てきてフリースタイルをかましながら自由な姿勢でライブが進んでいくのは七尾旅人さんみたい。ソレにしっかり合わせてくるDJも素晴らしい。


SEIHOさんの「I FEEL RAVE」をトラックにラップしたり(共作で色々動いてるのだとか)、「お嫁においでよ」をやったり。クボタタケシが流してた「Creep」をカバーしたり(歌った!)……自由で面白いー。
正直アルバムは微妙だったんだけどライブはめっちゃ楽しい!
Mary J bligeの「Real Love」をビートジャックしてラップする場面も。J-HIPHOP的には「Garden」ですな。


終盤にSTUTSがゲスト参加。
曲の途中でさりげなく「Real Love」のビート叩くのは”上手いな!”と笑顔になっちゃいました~。
MCは相変わらずキョドってた(笑)


サカナクション

かなり気合の入ったライブ。
クラブ向けのフェスであるtaicoが、サカナクションのテクノな部分に目をつけて初期から呼んでくれてたのには思い入れあるだろうな。



「SAKANATRIBE」やクラブアレンジなどは無し。TAICOCLUBの表記演出も無し。あえてテクノな方面に寄らずに素のサカナクションでした。
素の状態でもテクノを血肉として取り込んでるのがサカナクションだもんな。それをぶつけてきた気がします。


「ミュージック」「アイデンティティ」「夜の踊り子」 「サンプル」「ルーキー」「新宝島」「多分、風」「ネイティブダンサー」「ホーリーダンス」……など。ホントいい曲だらけ。
ホーリーダンス」が異常なほどエモかったなぁ。


TAICOで炸裂した「ネイティブダンサー」も感極まるモノあった。イントロで一番歓声があった気がする。


バンドがテクノに寄りにいかなくても、客がテクノを感じ取りにいけばいいんだ。それが出来る客が集まってるのがTAICOCLUBだと思います。


スチャダラパー

バンドスタイル。あまりスペシャルなことはせず。でもしっかり盛り上げる上手さ。
EGO-WRAPPINも出るし「ミクロボーイとマクロガール」 はやると思ったんだけど無しでした。
あ、6月突入ってことで「サマージャム95'」やったのはスペシャル&最高だった!


ラストに「彼方からの手紙」をやりました!はじめてライブで聞いた。フェスではレア?
また少し経ったら遊ぼう(開催しよう)ってことかな?


Lone

IDMのインテリジェンスとレイヴの野蛮さが融合したDJセット。


大好きな「Pineapple Crush」もかけてくれたー。印象的なシンセの音が小さかった気もするけど;


がっつり踊らせてくれました!周りも踊ってた。
今年は客がいい感じ。みんな全力で楽しみにいってる



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キャンプファイヤーも始まって本格的に夜モードに入りはじめたtaico。これぞこのフェスの醍醐味です。


FKJ

素晴らしかった~。
ギター、ベース、キーボード、サックスをリアルタイムでサンプリングループしていくスタイル。その完成度たるや!


歌もセクシー。VJ超綺麗。さらに顔もイケメン。弱点は髪型がちょっと変ぐらいしかない。反則ですわー。


どの楽器も良いフレーズの連発なんだけど、とくにサックスの音色はセクシーすぎて男の僕でも惚れました。あんなもん反則です。


アルバムの曲はあらかたやってくれたかな?
大好きな「Lying Together」はイントロのピアノからがっつりと。セクシー!


客の声をサンプリングして即興で曲を作っていく場面もありました。これまた良い曲が出来上がるんだ。
ぜひともまた見たいアクト。いやー、良かった!


mouse on mars

正気の沙汰じゃない低音の音量でありました。皮膚が震えるレベル。野外であの音量はZETTAI-MUでのO.N.Oさん以来かも。
低音がヤバすぎてステージ近くに人が近づかない案件が発生してました(笑)




新譜はジュークの影響があると言ってたけど、ライブはストイックに爆音&ちょい変なリズムの連打連打連打。むしろインダストリアル?



MCもけっこう喋っててご機嫌だった?
爆音で反復するフレーズに次第に精神が発狂しはじめてアホみたいに踊りました。
ライブの後半になるほどバイオレンスさが増してモッシュが起こってもおかしくないぐらいのアグレッシブさだった!


ブースにスネア、タム、シンバル、カウベルが飾ってある。
ビートでスネアが鳴ってる時はスネアが光る演出。楽器としてもちゃんと音が鳴っていたみたいですね。ギミックのわりに見た目は地味だっただけどAphex TwinのMonkey Drummerを思わせるキテレツ感があって面白かったです。



気が狂ってる低音とストイックさ。
低音で殴り続けるようなライブ。
8割の客は置いてけぼり。2割の客が頭おかしくなって踊り狂ってました。


EGO-WRAPPIN

2:00amで眠そうな客が増えてきたのを叩き起こすようにポストロック系統の曲が多かった印象です。
自分が到着したときには「sundance」をやってた。「5月のクローバー」も披露。このモードのEGO-WRAPPIN'はフェスじゃあまり見ないので新鮮でした。


自分は『merry merry』からエゴ・ラッピンに入ったのでポストロック系の曲が聴けたのは嬉しかった。
よっちゃんは眠そうな客にちょい苦戦してたかな?
……なのでTOSHI-LOWよろしく客の上を歩いて自分から積極的に盛り上げてく!その根性に惚れた~ 。


ラストは「くちばしにチェリー」→「Go Action」で爆アゲモード。
「Go Action」は会場が揺れてた。3年越しでこの光景がもう一度!


Marcel Dettmann

深夜のMarcel Dettman。
ウネウネして4つ打ち
過度に盛り上げるでなくズブズブとテクノ地獄へ。
みんなが無心で踊ってた。職人ですな。


自分ももう体力切れたかと思ったけど、Marcel Dettmannにまんまとノせられました。わては踊る機械や。
踊り明かしたーって気持ち。テクノ系フェスの真髄ここにあり!


Nathan Fake

で、Dettmanに体力を持ってかれたのでテントで寝転びながら聴いてました。
ちょい神聖な音+テクノって感じでDettmann続きで踊り倒した人もいるのかな? 


Kiasmos DJ

早朝のKiasmos DJ、めっちゃよかった〜。


KiasmosのJanus RasmussenによるDJ。
自分たちの曲は全体の1/5もかけてないと思うけど完全にKiasmosの空気でした。澄んでて、少し悲しくて、そしてしっかりと踊れる。素晴らしかった!
TAICO13年間の早朝DJアクトでもベスト級じゃなかろうか?


今年のタイムテーブルが公開されてKiasmos DJが早朝だったとき”いやいや、絶対に星空の下のほうが似合うでしょう。なんでこんな時間に~”と心底残念に思ってたのですが……ごめんなさい。早朝のKiasmos DJは最高でした。
日の出の”優しい光”とKIASMOSの”優しい音”が300%融合してた。




曲はJosinやSashaのKiasmosリミックス、Ryan DavisのOlaf Stuutリミックスなど。どの曲も完全にKiasmosの空気でした。DJスタイルだけど完全にKiasmos!それに感動した!


たまんなかったのはインターステラーのテーマをサンプルした曲「Bliss / Butch & C. Vogt」!
下の動画の20:00からもかけてる曲。絶対に野外で聴きたいと思ってたのでフレーズが聴こえてきたときは震えました。日の出とこのフレーズの組み合わせは反則。


自分たちの曲は、「Looped」を中盤にかけたのは覚えてる。
それとラストに「Blurred (Bonobo Remix)」で幸福感が爆発→「Bent」でKiasmos流にグイグイ盛り上げて最高の締めでした。
いやほんと「Blurred(Bonobo Remix)」が始まった時は泣きそうだった。この曲大好き。
「Bent」はかなり音量を上げてぶっ放して去っていきました。




Janusは”ジム・オルークが若い時から髭生えてたらこんなんかな”ってな見た目でふにゃふにゃした動きをしてるのが可愛らしかった。笑顔もかわいい。
でも何度かブース前にきて煽ったりしてました。意外!
どこか夢の中にいるような雰囲気が、早朝のまだ鮮明になりきってない意識とマッチして素敵な空気作ってた。ベストアクトのひとつ!


Powder

下のステージのラストは日本の女性DJ。


ハウスを中心にかけて最後まで踊らせてました。ただガツンとくるものはなかったかな?

Nick the record

Taico名物、Nick the recordの6時間ロングセット。


音楽と共にフリーダムな空気にあふれるTaicoclubの大好きな時間です。今年も素敵だった。


同じダンスでシンクロするグループ、踊り狂うカップル、フラフープ、走り回る、寝転ぶ。スタッフもセキュリティも踊ってる。
日本人ってこんなピースフルに開放的になれるんだと。日本で一番自由に楽しんでる場所/時間!


途中、恐竜の被り物をした人が突入してきて踊ってました。それをみんなでワイワイ言いながら楽しんで囲む。本当にフリーダムなタイム。
大モノアーティストももちろん楽しいけど、これこそTaicoclubなのです。最高な瞬間だった。みんな笑顔!


音楽無視の自由でなく、”音楽と一緒にあるフリーダム”って空気が最高なのです。みんな好きに楽しんでるけどしっかりと”音と一緒に楽しんでる”!
ほんとあの光景は一度見たら感動しますよ。素晴らしい音楽フェス/レイヴの景色。自分もバス時間ぎりぎりまで踊った! 



今年のベストアクトを決めるのは難しいな。
Taicoclub×バンドのケミストリーが起きたネバヤン、サカナクション
純粋にアクトがよかったMOM、FKJ、Kiasmos DJ。
そしてTaicoの恒例=最高のMOODMANクボタタケシ、Nick the Record。
ほんと素敵な瞬間ばかりでした!


Taicoは今後どうなるかは色々なウワサがとびかっててまだわからない。
完全に跡形もなくなることは無さそうです。


海外勢を含むテクノな野外イベントは無くならないでほしいな。メタモも渚音楽祭ももう無いのです。
贅沢をいえばMOODMANクボタタケシ、Nick the Recordのあの時間をまた……!
(追記:後継フェス・FFKTで3名の出演が決定!やった~)

2018/05/31 知久寿焼 @ ムジカジャポニカ

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はじめて新しいムジカへ~。


SUN HALLすぐ近くの階段を登って入店。
入ってびっくりしました。
”まんまムジカジャポニカやん!”


ホント”化かされてるんじゃないか?”ってぐらいに前のムジカの空気がありました。カレーも健在。美味い!!!
少しだけ狭くなったかな?この日はソールドアウトだったから自信ないけども。
トイレが男女(+出演者)でひとつってのが少し大変かも。まぁ、慣れるでしょう。
立地が変わってもいい場所です。そこは変わらず。



ではライブについて。
元たまの知久寿焼さん。ソロのライブを見るのは初。


たまのときは”変わったセンスの人だなぁ”と思ってたけど、生で見るとむしろ普通に"良い歌"の要素がほとんどを占めてるのかも。
コード進行、ギターフレーズ、そして歌。どこに注目しても普遍的な音楽の良さに溢れてました!




変わった歌声につい注目しがちだけど声量ものすごいな!
変わった声色を出してもむりやり出してる風がなくて100%自然体の声で届いてきました。
歌声だけで泣きそうになることが何度か。温かいけど悲しさも知ってる声な気がします。


ギターはめちゃくちゃ上手い!速弾きしたりするタイプではないけど、どの指で弾いてもめっっちゃ綺麗な音がする。
歌もギターも土台に素晴らしい技術があって……そしてセンスは個性爆発。完璧超人じゃないですかー。




セトリはソロ名義の曲に加えてたまの曲もけっこうやってました。「おやすみいのしし」とか「らんちう」とか。
「らんちう」はムジカの移転を祝って客みんなの一本締めで曲に入りました。そんな曲だっけ?(笑)
曲の終わりも一本締め。しっかりオチがついてます;


ウクレレで歌った、たまの「学習」は曲も歌詞も鳥肌モンでした。
"今になってあの時あの人の気持ちがわかるから"
"あとになって今の君の気持ちがわかることにするよ"
"君を許してあげるよ"


そして
"だなんてえらそうな事いってる僕を許してね"
この一節が最後のサビだけに登場するのが素晴らしい!


「月が見てたよ」も素晴らしかった。ミニマルな気持ちよさもありつつ、AメロもBメロもサビも素敵な旋律ばかり。歌詞もたまらない。
ここ数夜は月が綺麗だから余計にグッときた。
ちなみにこの日も月が綺麗でした。




知久さん変な顔をしたり、素っ頓狂な声を出したり……見ててホント面白い。
でもただの変な人じゃなくて、優しい歌声やハッとする歌詞など天才の部分も強く感じられました。
ミスったらすぐにやり直すし、完璧主義なトコロもあるのかも。


新生ムジカジャポニカを訪れる一本目が知久寿焼さんで良かったです。
素敵な一夜だった~。



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2018/05/30 Ludovico Einaudi @ ザ・シンフォニーホール

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最強のふたり』の音楽も担当したポスト・クラシカルの巨匠・ルドヴィコ・エイナウディ。めっっっちゃ良かった!
いまライブはポスト・クラシカルの時代だな!




6人編成で全員がマルチ演奏者。
ピアノ、ギター、ベース、鉄琴、チェロ、ヴァイオリン、パーカッションなど大量の楽器を演奏して6人とは思えない大迫力なサウンドを繰り広げていました。


曲が進むにつれ”音量”と”密度”が高まっていく曲展開がほとんど。完全にポストロックのカタルシスでした。全曲がシガーロスの「Varuo」レベルの興奮がありました。あの高まりと力強さ!
モグワイシガーロス好きなら100%ツボ!


またクラシックホールでのライブなので笑えるくらい音がよかったです。
ピアノの残響音が、作り込まれたアンビエント・シンセのように澄んでいた。
パンディロが和太鼓みたいにパワフルだった。
CD音源より間違いなく音が良い。2018年ベスト音響候補かも。


ルドヴィコ本人はピアノオンリー。
他のメンバーは色んな楽器を担当。 さながらトクマルシューゴ・バンドのような面白さがありました。
おそらくすべてのフレーズを生演奏で再現してました。ルーパーも使ってない。
ギターは轟音が鳴ることはないけど音響系の音を扱うときもある。クラシックの範疇には収まってない。


パンディロ(タンバリン)がスゴすぎて感動しました。
パンディロひとつでドラムセット2台分くらいのビートが生まれてるんじゃ?ってな複雑なリズムを刻んでました。


ポストロックと同じクレッシェンド展開だけど轟音で盛り上げるのでなく、とにかく丁寧に音を重ねて盛り上げてた。
似たカタルシスだけど受ける感触は違う。新鮮でした。




物悲しいコード進行がほとんど。でも不思議と受ける印象は暗いだけじゃない。どこか希望を感じる。荘厳かつクラシカルな旋律のなかにポッとポップなメロディが入るからでしょうか?
クラシックとポップスの間……「菊次郎の夏」のような印象に残るフレーズがいくつも。映画音楽の人だなぁ。


自分にとってルドヴィコと言えば『最強のふたり』なのですが、そこからも劇伴曲をやってくれて嬉しかった。照明で盛り上げまくってたなぁ。


中盤には30分ほどノンストップでルドヴィコのピアノオンリーで聴かせるパートも。クラシカルなピアノの中に馴染みやすいメロディの嵐でした。これぞポスト・クラシカル。
映画のオープニングで奏でられたら、一発で”あ、この映画は良作だぞ”ってなるようなメロディ。



クラシックだけでなくポストロック・ファンにも届く素晴らしいライブでした(むしろそっちのファンの方がウケが良さそう)
なのに客は少なかった1,700席のうち200埋まってるかどうかぐらいだったんじゃないかな?若い人、ロック好きそうな人も少なかった。もったいない!


こんなんポストロック好きなら絶対好きでしょう。
もの悲しい旋律。色んな音が含まれるバンド構成。音が重なって盛り上がっていく快感。たまんない!