soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

実験的なテアトロ / 結社スメール

Netannadシナリオライターがいる同人サークル「結社スメール」によるノベルゲーム体験版。
相変わらずBBSで連絡を取り合う形で制作している模様。
1シナリオのクライマックス部分までプレイできます。プレイ時間は6〜7時間ほど。
現在、ファイルバンクからのダウンロードになっているので、落とすのに時間がかかる+専用のソフトを入れなければなりません。近々vertorから落とせるようになるらしいので、待つのも手。


プレイ環境は問題なし。快適にプレイできました。
グラフィックはイベントCGは無しの立ち絵のみ。絵はかなりうまいし、作品の雰囲気にも合っている。
しかし絵師が制作から降りるそうで、今後はキャラデザインが変わるらしい。う〜ん、残念。これほどの絵師はそうみつかるもんじゃないのでは。
BGMはピアノ曲が多い。なかなか良い曲が多いです。


とある大学の演劇サークルの話。
即興劇団『ヒステリカ』は一週間後の公演に向けて最終調整の段階に入っている。
この一週間がまるで劇中の世界が現実に溶けだしてくるような、不可思議で過酷な最後の一週間になるとは気付くよしも無かった。
というストーリー。
演劇というお洒落な題材を扱っているからか、全体的にインテリな雰囲気がする。それでいて相変わらずの、世界の真理を語りだしそうなちょいぶっ飛び気味の設定が待っています。
日常の中に異変を混ぜていくのがうまい。ジワジワと異変が迫ってきます。ラストは常人には理解できないような抽象的な語り方へ。それを違和感無く読ませる力量はかなりのものではないでしょうか。独特の雰囲気を持ちながら非常に読みやすい。
人が死ぬなどの安易な「泣き」による感動ではなく、どこかグッとくるシーンが多い。そのあとに突き放すように落としてくるから油断できない。



ラストの「to be continue」の出し方は反則です。先がむっちゃ気になるっちゅうねん。
期待作BEST5には入るであろう作品。まだまだ深くなっていきそう。
問題はキャラデザの変更か。
前任が実力者、BBSの独特なサークル雰囲気を前に、どのような人が後任になるのか見物です。