soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/08/13 SUMMER SONIC OSAKA 2011 - 一日目

今年も両日行ってきました〜サマソニ。思う存分に楽しんできました!
さっそく初日からレポ〜。

YELLE (MOUNTAIN)

一発目は山上の野外ステージMOUNTAINでフレンチエレクトロのYELLE。
バス待ちの時間を見誤って2曲目あたりから見ました。


赤いヒョウ柄の全身タイツで飛び回りながら歌うYELLE、クールに後ろを支えるドラムとキーボの3人体制がキャラ立ってて面白かった。
歌はCDと同じぐらい安定……いやCD以上に勢いのある歌い方。おしゃれだけどアグレッシブなダンスミュージックは踊れて楽しい♪
『Je Veux Te Voir』終盤のドラムは予想よりおとなしめだったけどガッシリ決まっててカッコよかった
ラストは2ndのリードトラック『Safari Disco Club』。YELLEの大迫力の超仰け反りシャウトからフロアタムを3人で叩くワイルドなノリで、タイトル通りに野生に戻って踊りまくりー。
一組目から盛り上がりまくって体力の70%ぐらい持っていかれる。なにより暑すぎ……

TWO DOOR CINEMA CLUB (MOUNTAIN)

そのままMOUTAINで去年も見て一目惚れしたダンスロック・TDCC。ボーカルがサングラスでクールに決めてた。
ダンスなノリの良さは前回のSONIC STAGEのほうが似合ってたかな?その分美メロが野外に響きわたってピースフルなライブだった。


ステージ右手あたりでサマソニ大阪名物・エルモ兄さんを中心に良い感じに盛り上がってたので自分も一緒に飛び跳ねてダンス。
すると、2〜3曲目でエルモ兄さんがコトリと横に倒れて丸まった状態でぐったり。救護室の人がすぐ駆けつけたけど、水分補給して自分で休んでました。TDCC以上にこっちが強烈に印象に残ってるw


このステージから、ライブ中に良い場所を探して放浪する癖が発生しはじめます。今年のサマソニはライブ中もじっくり見るのでなく歩きまわってた印象がある。場所を探すだけでなく歩きながら音楽を聴くのが最高に楽しいってのもあります。そんなのできるのフェスならではですしね。
歩きながらTDCCのメロディを聴いて、楽しそうな顔をしたオーディエンスを見ていると幸福感がふくれあがってきて「楽しい!泣きそうなほど幸せだ!」という感情が爆発しそうになった。
フェスに行くとどこかでこういうスイッチを入れてくれるアーティストがいる。この日は彼らがそうでした。去年の二日目も彼らだったな。


最後は定番の『I CAN TALK』のイントロで「A OH A A OH」の大合唱 → フィーバー!

ZEBRAHEAD (OCEAN)

メインの野外ステージ・OCEANでシマウマ。
暑さで死にそうだったから、後ろの方で大人しく……と思ったけど一発目から懐かしの『Rescue me』なんてやるもんだから、すぐさま前方に突っ込んでサークル発見!ひゃっはー走るぜ!!
次の日にアブリルが出演するのもおかまいなしの『Girl friend』カバー、メンバーチェンジ後のその名の通りアンセム『anthem』と明るく騒げる曲が楽しかった。
MCも「ココハオナニーデキマスカ?マンコー!」と相変わらずな下ネタラッシュ。そのうちローディが虎の着ぐるみを着たローディが出てきて顔面に白い液を浴びまくるという最悪の茶番も挟んでアホなステージングで沸かしてくれた。


でも途中で自分が体力切れ。こりゃあかんと抜けだして飲み物を買いながら『Playmate of the year』を遠目に眺めてました。
落ち着いて聴くと演奏の安定感は若干欠いてたかな?


METRONOMY (SONIC)

野外3連続で日を浴びまくった身体を休めるために入った室内ステージ・SONIC。
一階が空いてたので寝転びながら聴く。すると、予想以上にカッコイイ音楽が流れてくる!気付いたら立ち上がってガン見してました。
子供がクレヨンで書いたようなメンバーの似顔絵が後ろのスクリーンにずっと映ってるのが異常な空気を創りだしてた。そこに毒のある陰気なシンセ、重苦しく迫ってくるリズムのダークな曲がマッチ。
スクリーンの気持ち悪さ、暗い曲、反して悪ガキっぽいMC、とキャラもよかったです。


『Heartbreaker』や『A Thing For Me』あたりのメロディがCDで聴くより強烈に頭にこびりついて完全に持っていかれました。
『Heartbreaker』で手拍子を求める黒人ベースのカクカクした動きが気に入った。


このバンドは2ndを数回聴いて「これは合わないな」と思ってたんですがライブで評価を改めさせられました。これがあるからサマソニは止められない。
疲れが吹き飛んだ〜。


OASISで屋台に並ぶ人の数に絶望しながらMOUNTAINへ。

HOUSE OF PAIN (MOUNTAIN)

MOUNTAINへの道途中に聴こえてくる『House and the Rising SON(だったかな?)』が想像以上にカッコよくてワクワクしてきた〜!
ステージ前に着くと「This is a little love song」の一声のあとに『JUMP AROUND』!到着した瞬間に始まった名曲にボルテージMAX!
曲名通りにみんなでジャンプしまくるのは最高に楽しかった〜。瞬間的な楽しさなら今年の中でもトップレベル。ほとんどがホルモンに向かってたから盛り上がる人たちだけ残った感じ。


けっきょく一曲しか見れなかったけど(最初からJUMP AROUNDさえ聴ければいいかなぐらいのミーハー気分ではあったw)全体でも生演奏スタイルでかなり良いライブをしてたんじゃないでしょうか?DJリーサルはたぶんいなかった。


他バンドでは無難なコメントをしていたアナウンサー(ステージMC)がHOUSE OF PAINに限って興奮しまくってるのに笑った。元ダンスサークルに入ってたので彼らは神だそうですよ。あのステージを見たら同意せざるを得ない。

THE JON SENCER EXPLOSION (MOUNTAIN)

本日一番の目当てジョンスペ。


いや〜、もう圧倒的な存在感。
『Chicken Dog』から始まり次々とノンストップで曲をつないでいく。
若かりし頃の壊れたステージングでは無いけれど、このクソ暑いなか真っ黒な皮パンを着こなしてビシッと決まるジョンの動きに目を奪われる。カウボーイハットとサングラスでクールに決めたユダも素敵すぎる。
特に一発目のユダのギターノイズソロは始まると同時に空気が変わってグワッと惹きこまれた。アレは確実にブルースが、ロックが爆発した瞬間だった。


ミドルテンポでテラ・ブルースな中盤で若干ダレたものの『Bellbottoms』『Wail』『Blues X Man』『2 kinda love』『Fuck shit up』『Hell』『Leave me so I can Rock Again』と名曲を連発したステージは最高の一言。
次第に熱くなっていくジョンの奇声、アキレス腱ムーブ、そして「We are Blues explosion!!」のシャウトには本物の”ロック”のライブを見た。この日ナンバーワン……と思ったんですが、そのあとのトリにまたすごいのが待ってたのでした。

BOW WOW WOW (SONIC)

ジョンスペ終わったらダッシュでSONICーへ。2〜3曲目くらいから見たのかな?
細身だった女性ボーカルはすっかりふっくらしちゃって「ママ」なんて呼びたくなる風貌になってたけどハスキーな歌声はそのまま!『C30, C60, C90, Go』の息継ぎが厳しいサビをステップ付きで歌いあげるパワフルなステージングを見せてくれました。


バンドが一体となって生み出すジャングルビートは多少の古臭さを感じさせるも体の奥底にある「踊りたい欲」を刺激しまくり。ベースの指が動きまくりですごかった……。


フロア前のほうが完全に野生化してて面白かった。特にリアルタイムで聴いていたであろう中年の方々がここぞとばかりはっちゃけてたのが微笑ましい。全ステージ一番。昔の血が呼び覚まされたんだろうな。


ステージもフロアもおっさん、おばさんが元気よく騒ぐライブはレフェンド枠だというのに(肯定的な意味で)とても身内感あふれる素敵な空間となっていました。地元の人たちがバーで踊りだしたみたいな空気。

YUKIX JAPANP.I.L.

YUKIは見たかったんだけど、海外レジェンド枠の方がレアだろうってことで、ジョンスペからBOW WOW WOWへ移動中にチラッと聴いた程度。
そういう歌い方なのか、風のせいなのかわからないけど歌が聴こえた時は音程が若干うわついているようで「え、下手すぎじゃない?誰だこんなギリギリなの歌ってるの?」と思ってしまった。
ただしだいに問題ないような気もしてきたので、じっくり聴いたらまた違ったのかも。見てた友達はめっちゃ良かったと騒いでたし。


MOUNTAINから眺めてたX JAPANは、長すぎて2曲分くらいある入場SE、暑さで壊れたかと思うくらい叫びまくるyoshikiのMC「ウェー!ウ”ゥエーー」、「お前たちの歌を聴かせてくれ!Let me here your song!」なんて言葉を堂々と使うところに爆笑。まわりもどんなライブをするかと注目してて、やっぱ本日のひとつの目玉になってましたね。


PILはどんな音かあまり知らずに「どうせセックスピストルズみたいなgdgd再結成だろ」と思ってたんですが、重厚な音、陰湿な世界観、そしてそれを世に形作るジョン・ライドンの歌声がすごかった。ステージはチラッとだけ見て、後はマウンテン下の海辺(穴場!)で寝転びながら聴いてた。最高。
日が落ちる時間帯ってのは野外フェスで一番感動するキラータイム。しかし「今回はよりによってPILか……感動できないだろうな」と思ってしまったんだけど『Rise』の「could be wrong, could be right♪」の歌詞が夕日に溶け込んでめちゃくちゃいい雰囲気になってた。P.I.L、侮ってました!

PRIMAL SCREAM present SCREAMADELICA LIVE (MOUNTAIN)

この日のマウンテン・トリはPrimal screamのScreamadelica再現ライブ。もう言葉に出来ないほど素晴らしいライブ、いや空間でした!


スクリーンにデカデカと映されたScreamadelicaのジャケをバックに『Movin' on up』が始まった瞬間の熱気と幸福感は忘れられません。
アルバムが再現される興奮、少し離れたマウンテンの立地、自由気ままに音楽を楽しめる人入り、全てが最高のシチュエーションのなか鳴らされる至福の音楽。
また、後ろのスクリーンに移される映像が素晴らしかった。時に液体が流れたり、90'sっぽいバイクが走ったり、太陽が歪んだりとステージを見事に彩っていました。
もちろんメンバーもオーラが出まくりで特にボビーが男でも惚れるカッコよさ。スーツを脱ぎ捨てたあとにしっかりと前ボタンを開けるのがセクシー!


『Slip Inside This House』『Don’t Fight It, Feel It』はCDと比べものにならない迫力で踊らずにはいられない。大好きなバラード『Damaged』もうっとりするような歌声で歌い上げてもう何も言うことはない……。
サイケデリックな音楽に脳が完全にスイッチ入ってマウンテンを歩き周り、走り、水を頭からかぶって飛び回ってました。みんなが好きなように楽しんでいたあのマウンテンの空間は本当に素晴らしかった。


自分が一番彼らの世界へと持って行かれたのは『Higher Than The Sun』。太陽が大きくなって次第に形を変えていくスクリーンの映像とトリップできるサウンドだけでもヤバいのに上を見上げるとスクリーンの太陽と対比するように綺麗な満月が輝いていた。リズムが解放される瞬間の気持よさは半端無い。あの雄叫びのような音をギターで鳴らしてるのを見てびっくり。


そして最後の『Come Together』のピースフルな大合唱は涙モノ。ウッドストックを垣間見れた気さえする。
アンコール代わりの『Rocks』の最後のノイズがプツっと切れる瞬間は映画を見終わったような達成感がありました。


正直「Screamadeica再現」と聞いてそこまで期待してなかった。良いアルバムだけど緩くてだるいライブになるのでは?そんなことない。フェスを最大限に楽しめる、空に浮かぶ満月まで味方につけた最高のステージ。今年のベストアクト!


あまりにprimalがすごかったもんだから、レッチリは見ずにoasisから音だけを聴いてました。
チラッとよるとオーシャン全体が人で充満している光景。あのスカスカサマソニ大阪が……思わず泣きそうになった。

FACT

MIDNIGHT SONICへのつなぎとして遅い時間帯だったんで知名度のわりに客入りはSONICの60%ぐらい。
ステージ後ろにCOCOBATのジャケを思わせるイラストを載せてえらく派手なステージを展開してました。2〜3年前まではライブハウスが似合うエモバンド的なステージだと思ってたけど、えらく大物になったなぁという印象。
『Fact of Life』は中盤にプレイして、生で聴いてみたかった『Shadow of Envy』も聴けて満足。やっぱライブは迫力ある!

フェス全体について

ここらでフェス全体の感想を殴り書き

  • 過去最高の動員数となった初日。バス待ちの時は人多すぎて絶望したけど、会場ではOCEANとOASISに人が集まっててMOUNTAINとSONICは平和ー。。
  • 問題は飲み物。人並びすぎ。サマソニはもっと楽に飲み物が手に入るイメージがあるんだけど今回はどれだけステージ間で熱中症対策を呼びかけても水が買えないよ〜ってな状態。一部のブースは空いてたから、あるべきところに数がなかった印象。
  • 穴場スポットが多かった。OASISののど自慢周辺やMOUNTAIN下の海辺の小さな小屋は最高のリラックスゾーン。
  • oasisはオブジェや催しが前回より増えててお祭り感はアップしてた気がする。
  • 飯は神戸牛丼、ポテト(しなってた……)、たこ焼き(安定の美味しさ)、ラーメン、ピザ(早いし上手い)あたり、そこそこにおいしい物ばかりだったけどやはり初日は人の並びがすごくてなかなか食べる気にならなかった。

・MOUNTAINは自然の中のステージですごく良かった。入場までの道が狭いのが難点、SKYの上がっていく楽しさがなくなったのはちょい残念。一長一短?
・MOUNTAINとOCEANの音の被りは風の吹き方によってはかなり聴こえる。MOUNTAINの右後あたりだと完全に音が混ざってた。
・DANCEとPARKが無いのは寂しい……けど、見たいバンドで詰まっていたので少ないなぁという感じはまったくなかった。普通にフェスサイズのイベントに参加してた気分でした
・SONIC〜OCEAN間になにも無いのは寂しい。芝生は寝転ぶと気持ちいい〜。
・ノリのいい人が多くて地蔵少なめ、みんな音楽を楽しんでた印象。おかげで自分もしっかりノリながら楽しめた。客が多いと聴いて不安だったポイントなので良かったー。