soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/12/03 みやこ音楽祭 '11 初日(白波多カミン、あらかじめ決められた恋人たちへ、在日ファンク、kimonos、LAMA、くるり)


学生主体の京都の音楽イベント・みやこ音楽祭。自分は過去2回ほど参加したことがありました。


今年で最終回を迎えるそうです。
集客問題とかじゃなく「ルーティン化してきたから新しいことをやろう」とポジティブな終わり方らしい。
見納めも兼ねてメンツが好みの初日だけ参加してきました。
ちなみに転換中のBGMはずっとレイ・ハラカミでした。

白波多カミン(地下ステージ)

先週のEVANけいおん!でのHTTコピバンから興味を持った巫女シンガーソングライター。
すっかりハマってしまい、今回のみやこ音楽祭は彼女が参加するということで参加決定したようなものです。


youtubeでは弾き語りスタイルもよく見かけるけど今回はバンドスタイル。ベース(須原敬三)、ドラム、バイオリン+本人のボーカル&ギターという構成。


MCはポワポワな不思議ちゃん、歌が始まるとシリアスモード。
優しい声ながら内面を露出するかのような歌い方。の子(かまってちゃん)ほどではないけど目を軽く見開いて歌う仕草もところどころに。ギターも添え物でなく、かきむしるように弾き倒す場面もありました。

ベースの須原さん一曲目の終盤で唐突にめっちゃ激しく弾いていきなり爪割るなんてハプニングも。ドラムもバイオリンも癖のあるテンションで不思議な集団でした。


しかし曲がいいわ〜。聴いてると胸が熱くなるメロディ。フォークを基準にした穏やかな旋律だけどザクッと切りこんでくる殺傷力がある。
期待通りに良アクトだった!


物販にて速攻でCDゲット。帯にある「少女的破壊衝動」のコピーに激しく納得。今一番個人的押しのアーティストです。



次はメインステージでの黒猫チェルシーをちらり。うーん、やっぱり自分の好みではないなぁ。
派手な動きは好きな人にはたまらないんだろうとは思う。


数曲見て、外の屋台で昼飯。チヂミ美味い、ボリューミー。ドリンクの作りが残念なのが学生イベらしい。これもまたみやこらしさ。

あらかじめ決められた恋人たちへ

鍵盤ハーモニカ奏者・池永正二が率いるトランス・ダブ・インストバンド。初見。


演奏スタートしてるのに転換SEが流れ続けてるなど、大きなPAミスが幾つか発生して少しピリピリした空気の中ライブへ突入。しかしその緊張感があら恋のシリアスな世界観にはプラスに働いた気がします。


最初の数曲はシンセによるアンビエンス、音響色が目立つ楽曲。しかしPAが不調で音がこぢんまりしてる。どこか世界へ入れない。
でも、本人達の演奏が核を成す『遠くへ』『Back』といった代表曲を繰り出すごとに会場があら恋の世界に取り込まれていく。池永さんの動きもどんどんヤバくなってくる。


ラストに演奏された『ラセン』では完全にトリップさせられました。
早や継ぎに繰り出される裏拍子ハーモニカに踊らされ、躍動感あるリズムに突き動かされ、サビのメロディで開放される。ロック的なダイナミズムも持ち合わせてこれで盛り上がらないはずがない!


劔樹人のベースも凄いんだけど、やっぱ池永さんのカリスマ性に見せられる。酔っているような動きがヤバい。
あんまりチェックしてなかったんだけど完全にトバされた!


在日ファンク

今回の目当てその2。ハマケン率いる和製JBなファンクバンド。


ハマケンの一人空回りで、楽器メンバーはクールな佇まいかと勝手に想像してたんですが、普通にハマケンと笑いあうし想像していた以上に人間味溢れる空間だった。
ハマケンの”残念”がバンド全体に広がっていく。そして笑いが生まれる。それは根元の演奏がしっかりしている前提があるから作り出せる空気か。


ホーン隊のキャラクターが最高。
隙あらばハイセンスなダンスを踊っているジェントル久保田はもちろんのこと、いかにもシャイなトランペットの村上さんも大好き。
逆サイドでニヒルな笑顔を見せるベース・村上さんの存在もデカい。
ハマケンは歌もダンスも常に全力で曲の合間に入るMCは当然のごとく爆笑必須。いやー、楽しい!


イントロに続く『こまくやぶれる』からグルーヴィな演奏。ハマケンのダンスも初っ端からキレがある。
続いて『ダンボール肉まん』『はやりやまい』とプレイ。『はやりやまい』のジェントル久保田とハマケンの「ヤバい」の掛け合いはまさにヤバい!熱かった〜。この時点で完全に在日ファンクの虜になってました。
新曲『におい将軍』のあとに自分の大好きな激ポップソング・『城』。在日ファンクの中では異質な曲だからセトリに入る可能性は低いだろうなぁ、と思ってたんでやってくれて嬉しかった。良いメロディですわー。


当然のごとく盛り上がった『きず』から「今の日本の状況、怖いんじゃないの?みんな爆弾こわいんじゃないの?」とのMCからの『爆弾こわい』。生でジェントル久保田の振り付けが見れて最高だった。サックスソロの隣でのガン見ヘッドスイングはPVの3倍は激しい。すげーぞアレww



ラストはこの京都という地で忘れちゃいけない曲『京都』。イントロが鳴った瞬間の幸福感といったらもう言葉にできない……。
京都&レスポンスではギター・仰木さんが暴走して「きょうと、きょうちょいんずいんきょうちょっとあdふぁsdfげえw」みたいになって客もバンドも戸惑いながら大笑い。「え?何言ってるの?」と確認する村上(tp)さんがまたかわいくて……。


トリのくるりすらも押さえて、会場の熱気を一番持っていったのはこの人達でした。ファンク!

Kimonos

We are 向井秀徳LEO今井。ふたりだけ。
ZAZENのメンバーがバックを務めるZAZEN BOYS形態は前に見たけど二人だけははじめて。
向井はギター、LEO今井はキーボード&サンプラー
どちらかといえばLEO今井が主体でした。歌の安定感が半端無かったです。挙動不審な動きもグー!


『Mogura』『No modern animal』『haiya』『Soundtrack to muder』『Miss』『yureru』『Almost Human』といった曲をプレイ。
思い切ってリズムを抜き取ったり、ニューウェーブ色が強くなったり、と二人用に大きくアレンジを変えてる曲もあり面白い。
ただ質素にアレンジされた曲ばかりだと後半にだるみが出てくるかなぁとも感じました。


ステージ脇にZAZENベースの一郎さんを見つけたので「いつ出てくるか……」と楽しみにしてたけど、よく見ると似てるPAスタッフだったというオチ。

LAMA

スーパーカーフルカワミキ、ナカコー + 田渕ひさ子 + 牛尾憲輔(agraph)のバンド。


フルカワミキがかわいすぎた!
セッティングのため出てきた時点で目を奪われました。ジーパン+Tシャツとローブが合体したような服。ロックとファンシーが見事に混ざり合ってた。そしてロックガールアイコンな顔がかわいい。流し目で客側を見る仕草が反則です。見られるとゾクゾクした。「今、目が合った!」とドキドキできる女性アーティストは久しぶりですw


バックにナカコーと牛尾、フロントにひさ子とフルカワミキという配置。
ひさ子のギターを主力武器に位置づけて、伴奏やポップネスという下地を残り3人で付けていくような印象でした。


メロディはキャッチーだし、使ってる音も面白い。けど一曲の中に上り下りが少ないんでライブだと締まらない感じもする。照明が派手なステージだとまた変わるかも?(※みやこ音楽祭の照明はシンプルです)
ただUN-GOのED曲になってる『Fantasy』は出だしのクラシカルなピアノが入った瞬間から空気が変わってビビッときた。ギターもひさ子とナカコーで再現。名曲だ。


ライブバンドとしてはまだ熟してない気もする。でも凄いメンバーが集結したモンスターバンドとしての存在感はかなりのものでした。
なにより天使のようなフルカワミキ見れて最高だった!

くるり

5人編成になったり、トランペットが加入したりとここのところ何を考えてるかよくわからないくるり。ステージに出てきた岸田は軽いリーゼントみたいな髪型で余計どこに向かってるかわからなくなりました。


初日、二日目とニ連続トリなんでどういうセトリでくるか読めませんでした。
披露したのは、5人体制以降の新曲と旧作の曲を織りまぜたセトリ。昔の曲はとく違和感なく今のバンド形態にフィットしていました。


最近のくるりはあまり興味が無かったんだけど、二曲目にやった『マーチ』で懐かしさに浸り、ラストの『ブレーメン』→『ワンダーフォーゲル』→『東京』の名曲3連発ではさすがに悶えました。『東京』は本当にいい曲だ。


終わってしまったみやこ音楽祭
会場のKBSホール自体はBorofestaがあるからそれほど名残惜しくなかったけど、KBSホールをフルに使ってゆったりと進行するのはみやこ音楽祭ならでは。もうあの空気は味わえないのかぁと寂しさはあります。思い出が脳内を駆けめぐる……。


最後のみやこ音楽祭、楽しかったです!