soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/09/18 ソウル・フラワー・ユニオン @ 心斎橋クアトロ

三連休の真ん中は閉店まじかの心斎橋クアトロでソウル・フラワー・ユニオンのライブに行ってましたー。
クアトロに入ると40代半ばの夫婦、4歳くらいの子供を連れた親子、高校生っぽい集団まで老若男女が集まってる。後ろの特設スペースでは障害者用スペースを設置。うーん、ごった煮。


中川さんがステージに現れたときにまず思ったのは「あれ?疲れた顔してる?」
ライブ疲れか、災害支援の疲れか。震災直後の闇鍋音楽祭の時に比べてどんよりした顔をしてる。
でもライブが始まると2曲もすればいつもの力強い表情になった。
音楽を聴かせることで大勢の人を元気づけてきた中川さんだけど、自分もまた音楽を演奏することで力を取り戻してるのかも。


『ラヴィアベール』の「人生はクソッタレ〜♪」からスタートしたライブは最高の音楽と笑いが絶えないMCの超幸せな一夜でした。
ソニー時代のCD-BOXが販売されたのに合わせて90年代の曲が中心のセトリ。最近のライブではめったに聴けない曲が多かった?
00年以降をメインに聴いてきた自分にとっては馴染みのある曲は少なかったけど、バンド全体の確かな演奏力と熱いパフォーマンスで存分に楽しめました。昔から良い曲が多かったんだなぁ。
インスト曲も多くて、またそれがカッコイイ。全パートとも演奏テクが凄かった。
特に目と耳を奪われたのは中川さんのギター。中川さんはボーカリストとしてだけでなくギタリストとしてもめちゃくちゃカッコイイ。ここぞという時にナイスなフレーズを入れてくる。


昔の曲の間に最近の曲も挟むことで誰でも楽しめるように配慮されたセトリ全体の流れはさすがベテラン。
ニューアルバムは迫力があまり感じられずそんなに好きじゃなかったんだけど『死ぬまで生きろ』『ダンスは機会均等』あたりはめっちゃ楽しかった!やっぱイイ曲作ってるんだなぁと考えを改め。
『うたは自由を目指す』が短いバージョンでちょこっとだけしかやらなかったのは残念。
『極東戦線異状なし!?』では「原発をやめさせろ〜♪」と歌詞を変えたり現状に対しての意思をしっかりと曲に込める。


MCでは、昔バイトしてたレコード屋(キングコング)の関係でパルコ8Fに心斎橋クアトロが出来る前、イベントスペースだった時代からCDを売ってたとのエピソードも飛び出す。クアトロの初期からやってるバンド以上にここの先輩だって。素敵やん。
あと「アンパンマンの人になってるから今日はアンパンマンは無し」ってMCには笑ったw


中盤の歌謡曲ゾーンを経て『満月の夕べ』。闇鍋音楽祭ではまだ自分の気持ちがこの曲を聴けるまで整理できてなかった。けど今回はじんわりと胸に染みこんできました。
闇鍋音楽祭ではどの曲も聴いてるだけで震災のシーンが頭に浮かぶ体験をしたけど、この日はそんな体験をしたことも忘れて音楽をそのまま「ライブ」として楽しんでた。でもこの曲でまた次々と当時の映像が流れてくる体験をしました。
歩道橋の下で車が次々と津波に押し流されていく様子、津波から逃げる様子、街が飲み込まれていく様子、帰れなくて困っている東北面々のTL……。それは次第に他のこと、例えば9.11、関西大震災、福知山線事故。過去の悲痛なTV映像が頭の中に押し寄せてきた。
この曲を聴くと震災のことは忘れないんだろう。それはいいことなんだと思う。音楽を聴いて「泣いた泣いた」とばかり言うのもアレだけど、本当に涙が止まらなかった。


終盤には『海行かば 山行かば 踊るかばね』でものスゴい盛り上がり。楽しすぎる!!!!
アンコールでは『荒地にて』を披露。この曲は本当にいいな。


3時間に渡る濃厚なワンマン。踊れる曲も、しんみりする曲も、インストも全部楽しんだ。最後まで楽しかった!
心斎橋クアトロでソウル・フラワー・ユニオンを見れてよかった。VIVA・関西!