soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/05/28 山本精一 / YOSHITAKE EXPE / 西滝太 @ 難波ベアーズ

PARAなメンバーでの即興ライブ・ナイト。
ベアーズのスケジュール表には「スペーシーな一夜になる」みたいなことが書かれてたと思います。


客は30人くらい。みんなで座って見ました。出演者がよく一緒にステージ立ってる3人なこともありホームな空気が流れてました。


まずは山本さんから趣旨説明。各組み合わせのデュオ・セッションを3回してから最後に全員で1回やるとのこと。
デュオは20分づつ。


山本精一 × YOSHITAKE EXPE

この二人らしい浮遊感あるギターのセッション。PARA的なキンキンした音のギターは控えめ。
途中でYOSHITAKEさんのスラップ弾きでリズミカルになるところもあったけど基本はフワフワとしたポジティブな夢音空間でした。
まぁ、この二人なら想定内の演奏?


終わってからYOSHITAKEさんが楽屋に戻っていく時に「西くーん!」と呼びかけながら出て行ったのに大爆笑しました。友達を誘いにいく少年か!

山本精一 × 西滝太

先ほどと一転してダークな世界観。西さんの第一音がもう暗かった。
ブラックホールに吸い込まれてる気分になる黒い音。”暗い”を通り越して”怖い”とも感じました。
西さんのシンセがキックドラムのように重い音を出してリズムを刻む場面があったり、中盤ではガチノイズになる場面もありました。
暗黒やー。

YOSHITAKE EXPE × 西滝太

これが素晴らしかった!
YOSHITAKEさんはエレアコに持ち替え。西さんもキーボードの音色をピアノにセット。アコースティックな音で映画BGMのようなクラシカルな演奏でスタート。とても心地いい…。
ロディアスから次第にポリリズムの効いたミニマルな演奏へ。PARA的……というかスティーブ・ライヒ的な。幾何学模様を思わせる好きな人にはたまらない展開です。自分はもちろん好み直撃。
二人のリズムが離れたり近づいたりスリリングな演奏。ひとたびメロディに戻るとうっとりするほど美しい。


クラシカルとミニマルを行き来する面白いセッション。たまらんかったなぁ〜。


3人全員

40分のロングセッション……のわりには見せ場は少なかったかもしれない。「ココ」って展開を作れないまま終わってしまった感がある。
山本さんがブルージーなロックフレーズを持ってきた部分は良かったです。山本さんは音作りセンスからくる音響派な才能がが目立つけど実はこういうロックの王道をいくフレーズが良い。
山本さんがゴソゴソと何か気にしてるなと思ったらリズムマシーンを用意していたらしく、終盤には打ち込みリズムを入れたりもしました。でも前のYOSHITAKE×西の印象が強すぎて……。




メンバーはPARAなれど、苦行のようにルールが決まってるPARAとは違う面が見れました。YOSHITAKEさんは自由にやらせるとファンキーになるなぁ。


見どころはYOSHITAKEさんと西さんでしたね。「もうこの二人でCD作ってください」ってぐらいによかった。