soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

C69・その7 A. aurantiaca & stem of radiant/Alstroemeria Records

A. aurantiaca/「Alstroemeria Records」

Alstroemeria Recordsの東方シリーズ第6弾。ジャケットはあの桜沢いづみさん。なんとLPサイズのケースです。迫力あるな。


マンネリ化してきた感のあるこのシリーズですが今回はそう思わせない出来のようでやっぱりいつも通りかも(どっちだ
①はオシャレなハウスアレンジ。コンガ主体のリズムが気持ちいい。フルートのソロもグッド。②〜④とトランスが続きます。基本は同じフレーズの繰り返し→メロ導入なんだけど、どれもリズムとベースがしっかりしているのでノレる。シンセ音のセンスがすごく良い。特に②の繰り返されるアゲまくりなフレーズはトランスできます。③は昔の作品のクラブミックスであんまり変わってない。
⑥は異質なトラックで時計の音をバックにオルゴールが鳴っている曲。面白い曲だけどオルゴール止まる→ネジを回す→オルゴールってのが続いてちょいしつこいかな。でもアルバムの良いアクセントになっている曲。
⑦はボーカル曲。正直歌が下手。低音がきつそうで聴いてられない。今までのCDで同じボーカルを起用してた事があったけど、ここまでひどいと思った事はなかったけどなぁ。歌詞も音とあってないうえ、いかにもな単語連発なんでちょっと…。トラックはいいのになぁ。
⑧はエレクトロニカ/アンビエント系のアレンジ。⑨でまた昔のネクロファンタジアアレンジのクラブミックス。この曲はネクロの緊迫感が無くてあんまり好きじゃないんだよな。⑩も表記からするとクラブミックスなんだけど昔の作品からじゃないのか覚えてない。おもしろい音が左右に揺れてます。メロが入ってきてからがすごく良い。ラストっぽい。


いままでと同路線だけど一曲一曲の質は上ったんでは。中盤に変化球あるからだれないのも良い。
でもこのシリーズに飽きてきたって人には手放しで薦めにくいかな。ネタ切れてるんじゃないだろうか。
ジャケットはイイ…。

stem of radiant/「Alstroemeria Records + cradles」

良くも悪くも話題になったAlstroemeria Recordsとcradles共同制作のstem of radient。実質Alstroemeria Records作品だな。たぶんみのしまさんの東方アレンジの最終ゴールじゃないでしょうか?とか書いといて次回も東方だったりして。
雰囲気はいつものAlstroemeria Recordsっぽいんだけどゲストの曲が多いので音の幅は広くなった。あくまでもストイック。
爆発音で始まる①はいかにも1発目。いつものみのしまさんらしいトランスアレンジです。ジャケ買いした人はこの時点で賛否両論だろうな。②は音はトランス風なのにアレンジは2ステップっぽい。バスドラの打ち方が面白い。途中のピアノソロがオシャレでいいな。
③は上のアルバムに入ってたネクロアレンジの微違いVER.う〜んやっぱり微妙。④はハードテクノアレンジ。DFR(みのしまさんが元主催だったオリジナル曲レーベル。活動休止中)っぽい。
⑥は上のCDに収録されてる曲。同じ時に販売開始する作品に同じ曲が入ってるってのはちょっと…。手抜きと言われても仕方が無い気がする。⑦はピアノオンリーのあやしげな雰囲気の曲でインタールード的扱い。なにげにこの曲お気に入り。ここからは5人のアレンジャーの六十年目の東方裁判アレンジ合戦になります。
⑧は上のCDのボーカル曲のボーカルをシンセに変えたモノ。また流用か…なんだかなぁ。ボーカルの代わりに入ったシンセはどこか急遽入れた感が漂います。それでもあのボーカルよりかは良いけどね。
⑨は④と同じアレンジャーでまたまたハードテクノ。さらにストイックになってるような。バスドラの音が良い。
⑩は大人気ビートまりおさん。氏のアレンジは他の参加者と全然違うのでどうなるのかと思ったけど、我が道を行っていますw。お得意の和風/中華テイストのユーロ。なぜかそこまで浮いてないんだよな。曲はビートまりおさんにしては無難な出来。
⑪はドラムン+トランスなボーカル曲。ボーカルもうまいし名アレンジです。⑧のボーカルVER.とはかなり出来に差があります。
⑫はなんと薄儀さんのアレンジ!!知らない人に説明すると薄儀さんは数々の独特な雰囲気を持った名BMSを作った人です。中でも「チョウの標本」はベストBMSに選ばれた事もあります。3〜4年前にBMSをやってた人で知らない人はいないんじゃないでしょうか?
今回のアレンジは思ったより普通の雰囲気。といっても質が悪いわけではなくむしろ希望感あふれた良いアレンジです。
薄儀さんのみで東方アレンジCDを出す予定があるようですがむちゃくちゃ楽しみ。
⑬は締めのオーケストラ風アレンジ。最後のストリングスが駆け上がっていく所が良い。


このstem of radiantは画集の中にCDが入っている形式なのですが、この画集がすごい。絵が良いのはもちろん、絵を際立たせるデザインがイイ。特にインタルード以降のページはコツを掴んだのか半端なくカッコイイです。デザインで絵の見え方が変わるってここまで思ったのははじめてな気がする。
しかし絵と曲が対応していると思ったらそうではないのか、あまりそうは感じませんでした。


画集とCDセットでstem of radiantっていう作品なんだと思う。みのしまさんの曲はインタールードとラスト以外は良いのがなかったな。②と⑪のつかささんのアレンジはかなりよかった。
一般受けするだろう曲は少ないんで、ジャケ買いした人はあまり満足いかない人もいるかもね。
アルバム全体ではもうひとつかな。


よく売れるために画集を付けたと言われていますがそれは違うんじゃないかな。上のCDのLPジャケットもそうだけど作り手としてこういうCDを作ってみたいという願望を実行したんじゃないだろうか。オレも本+CDとか作ってみたいと思うし、同時発売されたベスト+LIVE盤も音屋だったら一度は夢見るものだと思う。作りたいモノを作るのが同人でしょう。
出来の話になるとまた別ですが。過去作品のクラブミックスや同じ曲が収録みたいに手を抜いた部分もあったしね。
ってか1年で東方から7枚も出したのか。ご苦労様です。


↓エロイなぁ