soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2018/05/13 森、道、市場 2018 (Polaris、SPECIAL OTHERS ACOUSTIC、サニーデイ・サービス、くるり、toe、大沢伸一) @ ラグナビーチ&遊園地ラグナシア

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ずっと前から気になってた愛知のフェス。ようやく行けました!ちなみにこの日は自分の誕生日~。
シャトルバスじゃなくて三河大塚駅から歩いていきました。全然歩ける距離。バス待つくらいなら歩いたほうが良さそう。


遊園地ゾーンと海ゾーンで開催。
遊園地は本当に遊園地の中でライブしてる!新鮮な感覚!遊園地の一般客ともごっちゃになります。
シチュエーションは最高……なんだろうけどあいにくの雨で苛酷な環境に様変わりしてた;


最初は”これぐらいの雨、去年のフジロックを経験してる身からしたら全然だぜー”って感じだったけど、途中から”あ、フジと同じ……下手するとフジ以上に辛いかも”……ってなりました;雨に対する準備と覚悟が~。


フードは他フェスになり変わり種が多くて面白かった~。どれもおいしかったです!雨の中、ホットジンジャーチャイには助けられた……身体の芯から温まる。


運営は正直ありえないくらいに不親切。列があってもなんの列かわからない。ステージへの道順はまったく書いてなくて遊園地内で迷う。ゴミ箱がほぼ無い。スタッフが圧倒的に足りない(なので道を聞くこともできない)
サイトに情報はあるんだろうけど現地にまったくない。常連なら問題ないんだろうけど初心者は絶対混乱する。


でも遊園地のスタッフさんや市場で出店してる人達は楽しそう&親切。ゆえに空気は悪くないそこに救われました。
豪雨だから助け合いの精神が働いたのもあるかも。


Polaris

リストバンドの交換場所をやっとの思いで見つけ、遊園地に迷い込んで、異常に長い海エリアへの列を抜けて……たどりついたサンドステージ。(客のすぐ後ろが海岸)


ステージに近づくと聴こえてくるPolarisの「檸檬」。苦労した分だけ最高の音楽に救われた!


nabowaのドラムさんをサポートに迎えた3人体勢。


檸檬」のあとにsalyuを呼んでの「光と影」をやって最高でした。良いメロディだ。


ラストは”こんな場所(海岸)でこの曲が出来るなんて”とスタートしたフィッシュマンズの「Season」カバー。譲さんが気持ちよさそうにベースを弾くのに涙。


いまのnabowaドラマーをサポートに連れての編成はすごく良いと思います。軽快であり、ドープである。温かくて、切ない。Polarisのいいトコロがガツンと出てる。


Special Others Acoustic

スペアザ本体は何度か見てるけど、この名義はしっかり聴いたことがありませんでした。
”しっとり系かな?”と思ってたけど……めっちゃ軽快じゃないですか!
もしかすると本体よりノリがいいかも。ロックじゃなくオーガニックに楽しくスキップしてる感じ。こういうアコースティックなのねー。


本体のセルフカバーも含め聴きやすい曲ばかり。良い意味で実験的になりすぎてない。
アコギでめっちゃ良い音出してたり、ピアニカ&鉄琴の音が素敵だったり……心地よさにあふれておりました。こっちの名義もめっちゃええやん!今日一番の収穫! 


とにかくアコースティック名義なのに軽快でダンサブルってのが衝撃でした。



雨がすごくてフェスとは?ってな状態に。
ここはどこの被災地ですか?


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サニーデイ・サービス

素晴らしかった!
『The City』のドープさではなく『Popcorn Ballad』のストイックさが前面に出てた。
曲も『Popcorn Ballad』中心。ただ『The City』にほんのり漂う”狂気”は感じられた。
音の研ぎ澄まされっぷりに目の前に客がいるの忘れてるんじゃないかと思う時がある。


田中さんのベースがやっぱり好きです。
機械のようにリフを弾いてる時は人力sleaford modsってな説得力がある。
かと思えばブレイクでめっちゃメロディを弾いたりする。
琴線を刺激する旋律はギターよりベースが担うことが多い。その常識外な構成にまた狂気を感じます。


「クリスマス」や「白い恋人」などの歌モノは無し。常にストイックなリズムキープが展開するライブでした。
ライトに照らされる豪雨の中での「セツナ」の大暴走は鳥肌モンの迫力。
フジロックで前出番のオウガがやったこと(大雨での爆発)を森道市場で繰り広げてました。 



サニーデイ終わりに台風ばりの豪雨&強風になってきました。
レインコート着てても雨宿りするレベル。
そんな環境でも音楽は鳴ってる。
どんよりした空気で楽園とは程遠い。
とても美しい景色だなと思いました。


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くるり

豪雨のあと、海エリアは被災したあとみたいな空気が漂ってて……みんなの体力&心のメーターが限界に達しそうな時間帯にくるりがスタート。


一曲目に「ハイウェイ」。
パッと明るくなるみんなの顔。ステージ前だけなく市場や通路を歩いている人達もみんな口ずさんでる。一瞬で良い空間に。この時間帯がくるりでよかった!


「ハイウェイ」に続いて「ロックンロール」!
疲れが一気に吹き飛びましたー。岸田さんは”サービス曲”と言っておりました;でも救われた!


岸田さんは妙にテンション高い。ライブ前にメンバーで海に飛び込んだそうな。それが新しいアー写になるんだそうな。




サービス曲のあとはちょいマニアック&新曲。
東京オリンピック」って新曲は完全に70'sプログレ・インスト!しかも芯をばっちし押さえてる&カッコいい。変拍子バンバン、仰々しいオルガン・シンセパートとかも。
琥珀色の街、上海蟹の朝」でシティポップを軽々とこなしたのと同様に……こんなのもできるのかー。


”森道市場ってどういう意味でしょうかね?”
”食べ物?”
”海に飛び込んだけどいませんでした”
”なにカマ的な”
と”下手くそか!”ってな匂わせ方で「琥珀色の街、上海蟹の朝」を演奏して締め。
すっかり代表曲。イントロのギターがムーディーでめっちゃ気持ちよかった!



toe

toeがバンドライブのトリ。
遊園地ステージというファンシーな場所でのライブでした。こんなトコでtoeが演奏するのが面白い;


圧巻のライブ。腕と喉の血管がブチギレそうなエモーショナル。
「My Little Wish(だったと思う;)」終盤の大爆発はイナズマみたいな迫力だった。かっこええ!


山嵜さんは転がりまわって弾いてるし、美濃さんもギターをネックから地面に突き刺すようなアクションが鬼ほどカッコよかったです。
なのに曲が終わったら山嵜さんが”いまので腰おかしくした”って言ってたのには笑った; 


最後は「グッド・バイ」→「Song Silly」とボーカル有り曲2つで終わり。「Song Silly」は歌が上手いわけじゃないのに妙に耳に残るんだよなぁ。


+アンコールにインスト曲でもう1回爆発しての終了でした。 


小雨のなか繊細に音を紡いだ前半はホント心地よかったし、強まってきた雨のなか爆発した後半は映画のようなカッコよさがありました。
ステージの床を跳ねる雨が緑色の照明に照らされて演出のようだった。震えたなぁ。


大沢伸一

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遊園地エントランスでのDJエリア。
大沢伸一が最後に回してるのを見て帰りました。
遊園地でみんなが踊り狂ってる光景にはおぉっ!ってなった。


テクノを中心にしたDJ。若干微妙なプレイだったかな;
最後にアンセムとばかりにMONDO GROSSO名義の「ラビリンス」を流して気持ちよく締め!



雨でホント辛かった森道市場。
でもライブはホントよかった。
見たのはベテランが中心。”雨なんて跳ねのけようぜー!”みたいなMCはしない。むしろ関係無い話ばかりしてる。でも音で雨にさらされる客を包み込んでた気がする。それが良かったなぁ。


toeのエモーショナルが最後に全部昇華させてくれた!
すんごい誕生日でした;